初めまして。発起人の一人矢倉君の大学時代の友人の間瀬聡です。誰やねん! 誰が何語っとんねん! と言われても仕方ありません。でも、無茶振リスト矢倉君の依頼とあっては断れませんので応援メッセージを書かせていただきます。ちなみに僕は高校英語教師です。
矢倉君は大阪大学の英語科の1つ下の後輩で、いつからか顔見知りになり(なんせ狭い大学だったので)、音楽や文学の話をするようになりました。僕の専門は認知言語学だったので、アメリカ文学はよく知りません。ポール・オースターを少し読んだ程度です。ドン・デリーロも読んでいないし、トマス・ピンチョンも積ん読して満足のポンコツ。漫画を読む習慣もないけど、なぜか『火の鳥』のみ全巻持っているだけのマンガ知らずでもあります。
今回、『アステリオス・ポリプ』のクラウドファンディングには、皆さんそれぞれの理由で支援されていると思います。アメリカ文学が好きだ。漫画が好きだ。マッズケリのファンだ。Naoさんのファンだ。表紙がなんかいい。タイトル、あらすじが気になる、などなど。僕はと言うと、「矢倉を信じてる」から応援しています。僕自身、在学中から卒業後の10年間バンド活動をしてきて、矢倉君を含め、多くの人たちに応援されてきた側の人間です。応援の力を舐めてはいけません。泥臭い宣伝活動が何よりも大切なのです。結局僕は売れずに解散しましたが、才能ある若手には必ずスポットライトを当てなければいけません。そして、矢倉君はそれに値する人間です。ジャンルレスにいろんなカルチャーを貪欲に吸収し、多角的に文学作品を考察する彼がノンストップで語る時、爽やかな狂気を感じます。矢倉君にはロックな香りがするんですね。
そんな彼がなんか知らんが突然ポリプポリプと言い出した。アステリオス・ポリプ? 人名? 誰やねん! どんな人の話? いや、建築家のおっさんかい! 地味やな! というレベルから僕は入りました。グラフィックノベルなんてものも勿論知りません。でも、矢倉君がこれだけ騒いでるんだから、読んでみようとAmazonで買いました。これを大学のテキストにしていたというのです。重いやん。嫌われてただろうなと思います。でもまあ、表紙のカバーが本体のサイズとズレている時点で、一癖も二癖もあるヤバい作品だという予感はしていました。キャラクター輪郭が青色や赤色でズラして描かれているところも、変な眼鏡で見たら立体的に見えるのかもしれないと思いました。
お気に入りのシーン。アステリオスが初めて建てた家。素敵です。
クラファン初日の原さん(サウザンコミックス)と矢倉君のトークイベントまでには読み切ろうと思って、分からない箇所は飛ばして読みました。グラフィックノベル初心者の僕の率直な感想は、「よくわからんが、なんか凄いものを体験した気がする」というものでした。初めてミニシアターに行って、全然知らない監督の、全然知らない俳優が出ている映画を見た後の余韻に似ています。ちょっとアートで、難解で、おしゃれで、妙に長く残る余韻。『アステリオス・ポリプ』は情報量が多いです。台詞のフォント分け、現在と過去を行き来する構成、そして謎のエンディング。なんじゃこれ。だけど、読む手は止まりませんでした。そういうパワーがありました。理解しきれていないけど、面白かったのは本当です。この作品を授業でガッツリ精読した矢倉君の生徒達が羨ましくなりました。重いのガマンしてよかったですね。もっと深く味わいたくなる、そんな作品です。
長々と書きましたが、アメリカ文学好きや、グラフィックノベル好きだけでなく、ミニシアター好きや、美術館好き、ロック好きにもオススメできるかもしれません。何より、僕のようなグラフィックノベル初心者には最適の作品ではないでしょうか。わかりやすい入門編から入る必要なんてありません。入門編にはそのジャンルの最高峰のものが一番なんです。と、タモリがいつか言っていました。海外では大絶賛されているグラフィックノベルの最高峰。最高峰かどうか僕にはジャッジ出来ませんが、矢倉君がそう言ってるのだから間違いないでしょう。
クラファンのゴール、480万。遠過ぎる! 頼むから成功してくれ! 矢倉に力を分けてくれ! 僕のおススメは何年も大学でアステリオスを教えてきた俊英、矢倉喬士による特別小冊子付きのプラン! 何が書かれてるか全然知らんけど! とりあえず信じよう! 絶対面白いし、この冊子がアステリオスを味わい尽くすのに欠かせない気がしています。気がするだけで応援! Naoさんも、お身体に気をつけて頑張って下さい! Yeah!
たまに出てくる謎展開。ハープを持ってるかと思ったら、建築道具?こういうのがおもろいよね。
間瀬聡(ませ さとし)
高校英語教師。矢倉喬士とは大阪大学在学中に出会う。教員になる前はロックバンド、カルマセーキ、サルバ通りのボーカルとして大阪を拠点に活動していた。好きな音楽はThe Beatles、The Beach Boys、井上陽水、大瀧詠一、スピッツ、Oasis、Wilco、Rufus Wainwrightなど。好きな作家は安部公房、村上春樹、庄司薫など。
カルマセーキの楽曲は各種サブスクリプションサービスで視聴可https://linkco.re/S2pbfanp
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