image

ぼくはゲイ「なんか」じゃない…。
地方都市に暮らす男子高校生たちの苦しみや友情と恋心を、
リアルに描く『ぼくの血に流れる氷』を翻訳出版したい!

『ぼくのなかに流れる氷』翻訳終了のご報告

こんにちは。『ぼくのなかに流れる氷』翻訳者の村岡です。長らくお待たせしていますが、この2月、ようやく翻訳作業が終了しました。

昨年8月にクラウドファンディングが終了してから半年余り、いえ、その前から準備をしていたからもっとずっと長く、ダリオという少年の内面と向き合ってきました。繊細で、強がりという仮面の裏側でくよくよ悩み、直情径行のところもあるちょっと面倒くさい少年。なにがなんでもゲイであることを隠そうと、いやそもそも、自分はゲイなんかじゃないと思い込もうとするあまりに、心とは裏腹の言動を繰り返して他者を傷つける。そしてそれによってさらに悩みを深めてしまうダリオの不器用さに同情したり共感したり、「あー、どうしてそんなこと言うかなー」ともどかしさを覚えたりで、(頭と心が)忙しい翻訳期間でした。

これまでの活動報告でお伝えした通り、この物語は作者のマイク・ライトウッドさんをはじめとする当事者の人たちの経験や感情を元にして書かれています。LGBTQ+に関してかなりオープンなイメージがあるものの、当事者にとってはまだまだ生きづらそうなスペイン社会に思いをはせながら翻訳作業を終わらせようとしていたころ、この日本では耳を疑うような発言が飛び交っていました。口に出すのも憚られるようなことなので言いませんが、「見るのもいや」だの、「国を捨てる人たちが出てくる」だの……(言ってる)。これがいわゆる〝マジョリティ〟の意見なのだとしたら、暗澹たる気持ちにならざるを得ません。偏見や迫害を恐れ、好きな人に好きだと言うこともできない、自分の素直な気持ちさえ否定せざるを得ないような世の中は、LGBTQ+当事者だけでなく、だれにとっても息苦しい社会のはず。今後、少しずつでもよくなっていってほしい、そのために何かできることがあるのではないか……。この本が、そういったことを考えるきっかけになればうれしく思います。

これからまだ、本にするための作業が続きます。皆さんのもとにお届けできる日まで、もうしばらくお待ちください。

村岡直子
 


これから、姉妹作『ぼくを燃やす炎』のリニューアル作業と同時に、『ぼくの血に流れる氷』の編集作業を進めて参ります。2作とも長編であるため、少々お時間をいただきますが、丁寧に作業を進めていきます。
お届け時期については、もう少し作業の目処がついてからお知らせさせてくださいませ。

引き続き、どうぞ宜しくお願い申し上げます!


※一般販売の予約などは以下のページからご対応いただけます。
『ぼくの血に流れる氷』(刊行予定:2023年春以降) 

※姉妹作『ぼくを燃やす炎』の電子書籍セールは継続中!
『ぼくを燃やす炎』(電子書籍):1,800円+税は 70% OFF(¥594税込)で販売中
 

2023/03/13 14:45