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ぼくはゲイ「なんか」じゃない…。
地方都市に暮らす男子高校生たちの苦しみや友情と恋心を、
リアルに描く『ぼくの血に流れる氷』を翻訳出版したい!

「ゲイの先生はダメなんだ」そう思い込んでいる時期がありました(元公立小学校主任教諭:鈴木茂義)

こんにちは、サウザンブックスPRIDE叢書です。姉妹作『ぼくを燃やす炎』も応援いただいた、元公立小学校主任教諭で、現在は、上智大学基盤教育センター非常勤講師、プライドハウス東京の理事など、LGBTQ+イシューについて多岐に渡った活動に取り組む鈴木茂義さんから、応援コメントが届きました!
 


「ゲイの先生はダメなんだ」「ゲイの先生は子どもからも、保護者からも、同僚からも、教育委員会からも認めてもらえるわけがない」、そう思い込んでいる時期がありました。いま考えると、自分自身に対する差別と偏見が内面化していたのだと思います。真綿で首を絞められるように、それは気づかぬうちに少しずつ少しずつ進行していました。そのことに気づけたのは最近になってからです。

私はこれまで小学校や知的障害の特別支援学校で先生をしてきました。今から7年前は、ちょうど小学校6年生の担任をしていました。自分がゲイであることを隠しながら先生を続けることに違和感があり、「子どもたちにカミングアウトをしたいけどできない」「カミングアウトできないけど、やっぱり本当の自分の姿で勝負したい」と思うようになりました。冒頭の文は、当時の自分の心境を表したものです。

マイノリティであることが、全て自分の責任であると思っていました。学校の先生であったにもかかわらず、私はマイノリティに優しくない社会構造に気づくことができませんでした。誰かが自分の足を踏んでいるなんて、何もかも自分一人の力でやりきるしかないと考えていました。この日本で、自分の力でどう生き延びるかということを考えていました。

正規の小学校の先生を退職してから、ようやくいろいろなことが見えてきました。非常勤講師として学校に勤務しながら、LGBTQ+にかかわる活動に取り組んできました。多くの仲間に出会い、知識を手に入れ、新たに世の中を見つめることが少しできるようになりました。そのときに気づいたのは「あのときの自分の苦しみや生きづらさは、自分とは別のところにあったのだ」ということです。

ダリオを主人公としたこの物語に触れたとき、かつての自分が見ていたもの、感じていたものがぶわーーーっとあふれてきました。自分の中で観ないようにしてきた感情、無かったことにした出来事が目の前に表れてしまいました。「LGBTQ+のユースがこれ以上悩まないように」というフレーズはよく使われますが、今回改めてそう思いました。「もういい加減、終わりにしようよ」と。

自分の望む世界は、自分と仲間で作るしかありませんね。この書籍を通して、また多くの仲間と出会えることを楽しみにしています。

 


鈴木茂義(すずきしげよし) 
上智大学基盤教育センター非常勤講師。プライドハウス東京の理事。常設のLGBTQ+センタープライドハウス東京レガシーのスタッフ。LGBTQ+と教育について考える虫めがねの会の代表。自治体の相談員。元公立小学校主任教諭。専門は特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。小学校や特別支援学校での勤務を経て現在に至る。LGBTQ+や教育に関する講演活動を行い、性の多様性やより良い「生き方」「在り方」について参加者と共に考えている。
 

姉妹作『ぼくを燃やす炎』出版プロジェクトから、
鈴木さんには応援いただいております。
 



プロジェクト終了の8/8(月)まで残り2週間!

自己肯定できない当事者の心境がうまく多くの方にお伝えできずか、少々苦戦はしておりますが、必ずや「ボクモヤ」「ボクナガ」セットで読んでいただけるよう、
プロジェクト成立を目指して頑張っております。

どうか、SNS拡散等にお力添えくださいますようお願い申し上げます。

2022/07/26 15:06