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ドアの先には魔法の世界が待っている
イギリスの独立系書店を巡る旅
『Bookshop Tours of Britain(英国本屋めぐり)』を翻訳出版したい!

さらなる掲載本屋めぐりに行ってきました!

みなさま、日本の暑い夏もそろそろ落ち着いた頃でしょうか。8月の間は『英国本屋めぐり』の最初にして最長のツアー、南西イングランド海岸沿いの章を訳しつつ、今まで行ったことのなかった掲載書店を訪ねてさらに本屋グッズを揃えました。

まずは、南ウェールズのスウォンジー湾の端にあるザ・マンブルズというエリア。ビーチ、桟橋、遊歩道という、イギリスの夏のリゾート三大神器が揃ったところにやって来たものですから、ウキウキ浮かれて文字入りロックキャンディ(要するに金太郎飴です)を買ってしまいました。

 

ここにはカバー・トゥ・カバー( Cover to Cover)という素敵な名前の本屋さんがあります。海辺リゾートっぽい外観もかわいい。

この本屋さんは奥の部屋がまるごと子供のためにあてられています。座って本をゆっくり読むことができる階段の下の隅っこスペース、いわゆる「ブックヌック」が可愛らしい‥‥‥。私が訪ねた時は、親子連れのお客さんが読み聞かせをしていました。

 

この翌日は、ウェールズとイングランドの国境に近い町、モンマスの本屋さんロシター・ブックス(Rossiter Books)へ。ここは他にレムスターとロス・オン・ワイの町にも支店があり、昨年後半にチェルトナムにも店舗を出したのですが、何と私の住む町も候補地だったと教えてくれました。

ここでは、本屋グッズだけでなく、個人的に欲しかったジェシー・バートンの新作の「独立書店限定版」を買いました。チェーン店に出回る通常版と違い、限定版はスプレーで天、地、こぐちをスプレー塗装して絵が入ってたり、しおりの布紐がついてたりしておしゃれです。大型店やオンラインショップと価格で勝負できない分、独立系書店は「ここに行ったらきっと何か素敵なものが見つかる」という印象をもってもらうのが大事なのですね。

 

それから8月の最後の週にはコッツウォルズのバーフォードにあるザ・マッドハッター・ブックショップへ行きました。マッドハッター、そう、あの『ふしぎの国のアリス』のマッドハッタ―をテーマにしていて、なんと帽子も売っています。この本屋さんの建物を印刷した組み立てキットがあったので、本屋グッズ用に買いました。

 

そうそう、この8月の本屋めぐりで買ったグッズの一つにこんなバッジがあります。

この単語、どんな意味か分かるでしょうか。読んでもない本をさも読んだかのように語る、そんな人を指すのがBlufferです。こんなのが本屋さんに名誉のバッジとして置いてあるなんて、いかにもイギリスらしい皮肉です。読んでないことを逆手にとって、開き直って「私は読んでませんよーホラふきますよー!」と言わんばかりにこのバッジをつけて読書会に出かけるというのも一興かもしれません。このバッジが当たった方、是非やってみて……(イヤ?)。

 

最後に、ひとつお知らせがあります。今月下旬にわたくしの初の訳書『お菓子の文化誌百科』が原書房さんから出版されます。砂糖菓子の歴史、奴隷労働、女性の権利、ユニークなマーケテイング、戦争と砂糖菓子、砂糖菓子による健康問題などなど、イギリスの駄菓子を中心にお菓子のさまざまな面にふれている本です。どうぞお手に取ってみてくださいね!

[図説]お菓子の文化誌百科
著者:ポール・クリスタル 著
   ユウコ・ペリー 訳
出版年月日:2022/09/23
ISBN:9784562072101
出版社:原書房

 

 

2022/09/12 12:25