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円卓の騎士ガウェインが、謎に満ちた探求の旅へ―
アーサリアンポップの傑作が今、蘇る
『五月の鷹(The Hawk of May)』を復刊したい!

椿侘助さんより応援メッセージが届きました!

こんにちは、サウザンブックスです。セカンドゴール達成後も順調に支援の輪が広がっていて、残り20日、ラストスパートに向けてますます盛り上げていきたいと思います。

プロジェクト開始前から『五月の鷹』復刊を熱く応援してくださっていた椿侘助さんよりメッセージをいただきました。椿侘助さんは、発起人のシオンさんと共にリターン品のプレミアム小冊子に収録予定の「五月の鷹辞典(仮)」の原稿を執筆中です。こちらも楽しみにお待ちください!

 



「五月の鷹辞典(仮)」について

  アーサー王物語好きとしてもガウェイン好きとしても大好きな作品である『五月の鷹』。今まで入手が困難であることをとても残念に思っていたので、このクラウドファンディングが立ち上がったと聞いた時は本当に嬉しかったです。企画が始まってからは、じわじわと上がる達成率とコメントを、こまめにチェックするのが日課となっています。

 『五月の鷹』のクラウドファンディングはすでに目標金額を達成し、さらにセカンドゴールも軽やかに通過しました。これは発起人のシオンさんや、ブログでも度々情報を取り上げてくださる山田南平先生、関係者の方々の熱意と、ご支援いただいた方々の協力があってのことです。しかし、これほど難なく目標を達成できた理由の一つには、多くの方がすでにガウェインとどこかで出会っている、という理由もあるのではないでしょうか。

 クラウドファンディングのコメントページを見ると(これが本当に見ていて幸せになれるのですが)、すでに幼い頃に『五月の鷹』に出会って再会を待ち望んでいただとか、山田南平先生が描くアーサー王物語の漫画『金色のマビノギオン』から興味を持っただとか、アーサー王伝説にもともと興味があったなど、皆さまの参加のきっかけを知ることができます。アーサー王物語は文学、美術、サブカルチャーと様々な分野に取り入れられているので、上記以外にも『五月の鷹』のガウェインに興味を持つきっかけとなった、別の作品があるという方もいるでしょう。この、作品から作品へと興味が広がっていくことこそ、私はアーサー王物語の魅力だと思っています。

 『五月の鷹』ではちょっとした情報しかでてこないあの人が、実はアーサー王物語ではのちに重大な役割を担う人物であったり、ガウェインが冒険の途中で出会う不思議な現象が、実は作中のある人物が主人公となって挑む冒険の一つであったりと、アーサー王物語を知っているとあっと思うような描写や要素が、いたるところにあります。こういうことを言うと「アーサー王物語について全く知らないよ」という方が、この作品を楽しめるのかどうか不安になるかもしれませんが、まったく心配いりません。この作品だけで十分楽しめるようになっています。

 そう、この作品を読むのに、その背景に存在しているアーサー王物語自体を把握している必要は必ずしもないのです。

 それでも、大好きな作品の続きをそわそわと待っている間、またはその作品が終わってしまった後、まだその作品やキャラクターと離れがたくて、それについて考えていたくて、歴史物であればその史実について調べたり、同じものを題材にした別の作品にも手を出したりした経験はありませんか? 他のアーサー王物語作品からこの書籍に興味を持ってくださった方は、きっとそういう方々でしょう。『五月の鷹』のクラファン企画が終わって、手元に本が届き、読み終わった後、余韻にしばらく浸って、それでもまだガウェインや他のキャラクターたち、そしてこの世界から離れたくないと思った時、『五月の鷹』のもととなったアーサー王物語への興味も湧くはずです。ですが、アーサー王物語と一口に言ってもその数はとても多く、何を読めばいいのか調べているうちに、すっかり道に迷ってしまうかもしれません。

 シオンさんと私が計画中の「五月の鷹辞典(仮)」では、ふわっと湧いた興味の種が芽吹くためのお手伝いとして、『五月の鷹』に関連する登場人物やエピソードを、中世のアーサー王物語などから紹介していく予定です。最初はまっさらな状態で読んだ『五月の鷹』も、読み返す前に『五月の鷹辞典(仮)』でざっくり背景知識を得てから挑めば、また違った読み方ができるはずです。そしてもっと興味が湧いた時には、辞典で取り上げる物語自体をぜひ読んでみてください。『五月の鷹辞典(仮)』は、『五月の鷹』のガウェインたちをもっとよく知る手助けとなり、また別のガウェインたちとの出会いのきっかけとなるようなものにしたいと考えています。

 

椿侘助
アーサー王物語を趣味としている一般人。2014年にトマス・マロリーの『アーサーの死』を読みアーサー王物語にハマる。同年、作者不詳の『サー・ガウェインと緑の騎士』を読んだことから、ガウェイン沼に落ち、中世のアーサー王物語を読み漁るようになる。『五月の鷹』復刊によりガウェインファンが増えるのは目に見えているのでとてもハッピー

 

 

2020/12/22 13:45