はじめまして。本企画のページをご覧いただき、ありがとうございます!
私は、アン・ローレンス『五月の鷹』復刊企画の発起人のシオンと申します。
企画の開始から、早くも約150人もの方々にご支援をいただき、大変嬉しく思いますとともに、身の引き締まる思いです。
周知等にご協力をいただいている皆様、早速ご支援をいただいた皆様、そして、ご支援やご協力をご検討いただいている皆様のご配意に、深く感謝申し上げます。
皆様から受け取った思いを形にできるよう、発起人として、企画の周知や作品の魅力の発信に最善を尽くしてまいります。引き続き、よろしくお願いいたします。
今回は、ご挨拶も兼ねて、この本について簡単にご紹介したいと思います。
アン・ローレンスの『五月の鷹』は、1980年にマクミラン社から原書が、1992年に福武書店(現ベネッセ)から邦訳が、それぞれ刊行されました。
出版翌年(1981年)にはガーディアン賞次席に選ばれるなど評価を受けた作品でしたが、惜しくも現在は原書も邦訳も絶版となり、入手困難な状況が続いています。
ストーリーの主軸となっているのは、アーサー王宮廷の円卓の騎士ガウェインが身に覚えのない罪で糾弾され、潔白を証明するために「すべての女性が最も求めるもの」を探求する旅の物語です。
一年間の旅の間に、ガウェインは様々な人と出会い、語らうことで、新たな気付きや発見を手にします。そして時には、今まで考えもしなかったような考えに思い至ることも。
或いは、それはガウェインにとってのみならず、読み手にとっても、心の旅であるのかもしれません。
また、この作品には、過去のアーサー王作品の題材やモチーフがふんだんに織り交ぜられています。
アン・ローレンスの感性と手腕で新たに紡がれた物語の世界は、想像をかきたてる言葉とイメージに溢れていて、読んでいると物語の世界に迷い込んだような気分になります。
そして何より、この作品はガウェインが非常に魅力的で、ガウェインを主人公とする作品の中でも特にお勧めの一冊です。
この作品におけるガウェインの親切で礼儀正しい振る舞いや、一度誓ったことを固く守る誠実さなどは、まさに騎士の理想像を体現しています。一方で、地の文や何気ない台詞に見られる素顔はもっと等身大で、血の通った本音の部分をこっそりと打ち明けているようです。
外からは見えない心の機微に触れる時、きっとあなたも、ガウェインの魅力にぐいぐいと引き込まれていくことでしょう。
発起人として、この本の復刊を心待ちにしていた方にこの本を届けることは勿論、この企画が、誰かにとって『五月の鷹』と(そして、アーサー王の世界と)出会う切っ掛けとなることを、心から願っています。
『五月の鷹』応援団 シオン
創作活動をきっかけにアーサー王物語の世界に足を踏み入れ、たちまち魅了された会社員。気になることを調べたり読んだりするのが趣味。好きな円卓の騎士は、ランスロットとガウェイン。 また、Twitterでは、『五月の鷹』応援団として活動しています。団員募集中。
Twitter『五月の鷹』応援団:@Shion_ALHoM