「エラ新訳応援企画」にご協力くださった皆さんからいただいた『Ella Enchanted』の感想を紹介。
ご自身もペルシア語を勉強されていて、世界中の本を出版し広い世界を日本に届けるサウザンブックスの活動に共感してくださったという飯島未彩紀様の感想です。
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「早く起きなさい」と言われたとき、私はどうするだろう。大抵すぐには起きない。生返事をして布団にもぐりこむか、「あと五分だけ」と言って命令に背を向けるかも。もし「起きないこと」を選べなかったら。逆らおうとすれば、頭が割れるように痛んだら。そんな朝が永遠に続くかもしれなかったら。そんなぞっとする呪いを、生まれてすぐにかけられてしまった主人公のプリンセス、エラ。何も考えずに、言われたとおりに生きてゆく方がきっと楽だろう、にもかかわらず、彼女はどんなに苦しくても「無理」と言わない、自分の足で歩こうとすることをやめない。
「従順」はかつて女性の美徳だった。シンデレラは耐えることで愛を得た。優しい心で、いじめられてもけなげに働けば、いつか王子様が迎えに来てくれる。幸せになれる。「ほんとに?」感じる疑問を、エラは鮮やかに翻す。「そんなの、くそくらえ」と。わがままなのではない。自分で考える、何が大切なことなのかは自分で決める、その背筋の伸びた、柔らかい生き方に、背中を押してもらったような気がした。
ファンタジーの鏡をのぞくと、今生きている世界が重なって見えてくる。異なる文化を持った種族と心通わすには?信頼できる友や恋人に出会うには?生き生きと、ユーモアを忘れずにファンタジー界を駆け回るエラの友だちになりたい人が、日本にはたくさんいるに違いない。エラに日本の話をしたら何というだろう! きっと笑顔で「こんにちは」を練習してきてくれるだろう。一生の友だちになってくれるだろう。もっともっとたくさんの人が、エラとこの魅力的な世界に出会える日が、待ち遠しい!
飯島未彩紀様・20代女性(学生)
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