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小林範之の新刊「存在の声に耳を澄ます」の発行支援プロジェクト

【応援メッセージ】小森谷浩志様

古今東西の幅広い文献を紐解き、「ネガティブ・ケイパビリティ」の原点を辿り、21世の文脈で捉え直し、蘇らせる試みに、深い感謝と敬意を表します。厳しい時代に光をみるような、爽やかな読後感に包まれました。私も、すぐに正解を欲しがる、明確にしないと居心地が悪い、傾向が急速に強まっていると感じています。一見、合理的で生産的なのかも知れませんが、明示することができない、豊かな地平を損なうことに、違和感と危機感を抱いています。引用されたキーツの手紙の一節、「『善』とは、体の中に宿る一種の霊的な酵母」は、私にとって象徴的に響いて来ました。小林さんの書籍を読了して、人知をはるかに超えた大いなる「ちから」の前に、畏れを抱き、ささやかであるものの、確かな人間存在の可能性を感じました。それは、以前読んだ日本画家東山魁夷の『風景との対話』の一節を想起させるものでもありました。「私の意志よりも、もっと大きな他力によって動かされていると考えないではいられない。たしかに生きているというよりも生かされている(中略)その力を何と呼ぶべきか、私にはわからないがー」。自己を空しくすることの深淵を感じ直す機会を頂けたことに深く感謝いたします。貴重な読書経験をありがとうございました。

2025/11/28 18:53