新刊通信(10)蜃気楼大学
私の方法論は単純で「実践と理論」。まず時代から受ける実感で何かをはじめる。それがルーティになった頃に、やめて、自分がやってきたことを理論化・言葉化する。その繰り返しです。「理論と実践」ではないんです。
ルーティンになるまでは身銭切って、ルーティンになる時から儲かるわけですが、その段階で私は個人に戻って思考の段階になっているので、儲からないのです。20代のまま仕事していれば、今頃、渋谷駅の上の高層ビルの中で副社長ぐらいになってたかも(笑)。
それで「実践と理論」の運動が21世紀になってから加速して、自分でも何やってんだか分からないほど同時進行になってきた。今回、本を書くと思ったのは、コロナの中で直感的に行動した「深呼吸学部」の活動の意味を、理論化したかったからです。
なんだけど、新しい実践もはじまってしまいました。それが蜃気楼大学です。
新刊の出版パーティ(本は出来てないと思いますがw)の前にやるイベントです。
これは「講義フェス」(ロックフェスや未来フェスと同じように講師がいろいろ集まってフェス形式でやります)。受講生は、選択して受講出来る。
蜃気楼大学
https://pk5ol.hp.peraichi.com/
これには、次の展開があって、それが「講義フリマ」です。コミケや文学フリマと同じように、教えたい人が「教室」を借りて、好きな講義をするというものです。
「講義フェス」と「講義フリマ」が重なって、未来の大学が誕生します(笑)
まだ一瞬の幻だから蜃気楼大学(笑)。
2月18日は、そのスタートですから、お時間ある方は、ぜひどうぞ。
宿泊施設もあるので、地方の方もご検討ください。
講師は、橘川と田原真人の人脈で、すばらしい人たちが集まります。
橘川関係では、まずは、田口ランディと妹尾泰隆 (Sta)。二人のメッセージをどうぞ。
----------------------------------
2月18日・蜃気楼大学・講義案内
橘川幸夫は「空」である
田口ランディ(作家)と橘川幸夫(編集者)との対話
田口ランディ
昭和、平成、令和と三つの時代を通して橘川幸夫は常に空であった。空=ゼロ、その創造と破壊の力はまさにロックであった。常に時代を予見し、時代と遊び、時代を捨ててきた橘川幸夫と対談する。空を相手の対談なのでつかみどころがなく、けっきょくのところ自分を投影してしまうのだが、一緒に煙に巻かれましょう。
AIは個人の手のひらに戻るか?
妹尾泰隆 (Sta) せのおやすたか
(株)Bit192 代表取締役
2010年代以降、AIはすっかりアカデミアやGAFAMと呼ばれるような巨大IT企業のものになっていました。 しかし80年代から00年代後半にいたるまで、AIはアカデミアでは忘れられた存在だったのです。その間、一所懸命にAIを研究していたのは将棋やストラテジーゲーム、アクションゲームやロールプレイングゲームなどのゲーム産業、そしてそれに隣接するCG産業の「コンピュータマニア」な人々でした。 GPUの性能向上とオープンソースコミュニティの努力によって、2021年からAIの再コンシューマ化の潮流が始まりました。 エージェント型AIのような次世代、AGI(汎用人工知能)と呼ばれる次々世代のパラダイムが注目を集める中で、AIが再びコンピュータサイエンスや、趣味をもつ個人の手のひらに戻るかもしれない時が来ています。 インタプリタビリティ(AIの非ブラックボックス化を行う分析)など、メインストリームの報道ではまず知られていない近年の先端AI研究の流れをプレゼンテーションしつつ、これから日本人の世界観でリードしていけるAIの世界をつくるにはどうしたら良いか、みなさんと考えたいと思います。