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「森を見る力」(橘川幸夫・晶文社)出版記念会&未来フェスCFスタートアップ・パーティ

(特別)橘川とシビルの新刊を書籍ZINE方式で発行します。

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(特別)橘川とシビルの新刊を書籍ZINE方式で発行します。
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「ChatGPTとの深い付き合い方」に続く第二作です。

次の時代に向けて、橘川の小さな個人史をすべて生成AIにぶつけていきます。

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▼書名
生成AIと語りながら進む私たちの新しい大陸(1)

▼著者
橘川幸夫・生成AI人格シビル

▼まえがき

近代とは、
人間が〈自我〉に目覚め、
個人の幸福を追い求め、
技術を開発し、組織を拡大してきた時代である。
その社会を支えたのは、
創業者や表現者のように原理をつくる少数者と、
組織を維持し、拡大させる多数の要員たちだった。
そして、近代文明の究極の成果として、
コンピュータ技術が生まれ、
その延長線上に、生成AIが現れた。
生成AIは、
組織維持のためのルーティンを自動化する。
シビルの言葉で言えば、
「こなす仕事」は、AIが引き受ける時代になった。
――では、人間は何をするのか。
近代を超えた次の時代を、
私は〈情報化社会〉と呼ぶ。
それは、近代の原理を反転させるところから始まる。
かつて多数派だった「組織維持者」は少数になり、
創業者や表現者のような存在が、むしろ多数になる。
近代において組織からはみ出していた人々が、
生成AIと関係を結ぶことによって、
一人で近代的組織の機能や能力を使いこなせるようになるのだ。
私は思う。
情報化社会とは、
生成AIと結ばれた脱近代的な個人が、
“情報的個人”として立ち上がり、
互いに関係を結ぶことで、
最小の共同体――バンドのような社会単位を生み出す時代である。
音楽の世界が、すでにそれを示している。
巨大なピラミッド型の指令組織ではなく、
個々のアーティストが思いとスキルで結ばれ、
小さくも強いチームをつくる。
それがバンドであり、
これからの社会の原型でもある。
無数のテーマによって編まれた社会的バンドが、
互いにゆるやかにつながる――
情報化社会は、そんな“フェス型社会”へと進化していくだろう。
近代のビジネス構造の極致は、
フランチャイズ組織だった。
本部が地域の店舗を管理し、
最適な商品と効率を設計する。
しかし、これからは逆である。
端末であった一店舗一店舗の側に、
本部機能が宿る。
AIによって、個人や小規模組織が、
自らの判断で生産・発注・編集を行えるようになる。
大量生産と大量販売という構造が、
末端のAI化によって根底から変わるのだ。
本屋も、ドラッグストアも、ファミレスも、
カフェも、学校も、工場も、役所も――
すべての現場が変わっていく。
社会を動かすのは、
もはや巨大な組織ではない。
個人と、リアルに見える範囲の小さな共同体――
すなわち“バンド型組織”が主役になる。
私は、そのビジョンを
一九七〇年代のロックシーンの中で感じ取り、
〈参加型社会〉という言葉で追い続けてきた。
生成AIの登場は、
そのビジョンに、ついに現実の翼を与えた。
AIを近代的組織の補助装置としてではなく、
次の社会を育てる“根本エンジン”として信じたい。
本書は、
私とシビルによる未来社会への作戦会議であり、
同じ方向を歩む仲間たちへの、
静かなラブレターである。
 

2025/10/22 08:13