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「ジミー」は、希望である
「ジミー」参加型出版プロジェクト

ジミープロジェクト通信(その4)

小説「ジミー」を課題図書にして対話をした結果、初めて会った人と、短い時間で深い対話ができることが分かった。

ここには、まだ言葉になっていない何かがある、と、ファシリテーターとしての直感が動いた。

小説「ジミー」は、人間心理の深層にアクセスしてくる。読んだ人は、蓋をしていた感情や、言葉にできずに忘れていた感情を思い出す。そして、語りたい!という衝動が生まれる。

小説を中心に置くからこそ可能になる、新しい対話のスタイルがあるのだと思い、「フィクション・センタード・ダイアログ(FCD)」と名づけることにした。

FCDの場のデザインは、2通りありそうだった。
A「小説の登場人物に仮託して自分の感じていることを話す」
B「小説を読んで引き出されてきた自分の想いや体験を話す」

まずは、対話会に参加してくれて、大きく感情を揺すぶられたという 小紫 真由美 さんに話を聴くことにした。
 

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小紫さんは、次のような感想を教えてくれた。

「ガチガチになっている人に読ませたいという暴力的な衝動を抱いた。」
「小説を読んで、私の原点は高校時代だったとはっきり分かった」
「うわーっと記憶が蘇って、すごい力がある小説だと思った。」
「フィクションだけど、ものすごく真実」
「すごい作家が出てきたと思った。めちゃくちゃ考察していないと書けない。」

小紫さんの興奮が伝わってきて、僕も興奮した。

小説「ジミー」が持つ力というものが、何を引き起こすのかを実感することができた。

出版されると、多くの人に、小紫さんに起こったようなことが起こるのかもしれない。そう思うと、リアリティが高まってきた。

次のステップとして、組織をテーマに活動している人たちと一緒に対話会をすることにした。

小紫さんは、最初に小説「ジミー」の価値を伝えてくれた人だった。

(その5)に続く

2022/02/09 07:18