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「ジミー」は、希望である
「ジミー」参加型出版プロジェクト

ジミープロジェクト通信(その3)

無名の著者が初めて書いた小説の原稿を手渡されても、人はなかなかそれを読めない。自分が読みたいと思って購入して積読になっている本があるのに、それよりも前に、「面白いかどうか分からない本」を読み始めるには、それなりの理由が必要なのだ。

その理由を、どうやって作ればいいのか?

小説「ジミー」を読み返しながら、自分が、この小説のどこと響きあっているのかを考えた。

小説「ジミー」は、いろんな角度から読める小説だが、「閉鎖的なグループの中で作動する暴力構造のリアリティある記述」の部分が、僕には響いていた。それは、「フォアグラ型教育」「魂の脱植民地化」などのキーワードで対話を繰り返してきた僕にとっては、ど真ん中のテーマだからだ。

僕は、いつも、困ったら、ど真ん中に剛速球を投げることにしている。

「非暴力アナーキスト」の自分が扱ってきたど真ん中のテーマと「ジミー」を掛け合わせた対話会をやってみようと思った。

それで実施したのが、「物語を通して考える!社会を非暴力化していくための連続対話会」だった。

1日かけて、何度も修正しながら考えた呼びかけ文をFacebookに投稿した。

その結果、のべ105名の方が、対話会に参加してくれた。

小説「ジミー」を課題図書として事前に読んでもらい、その後、「疎外」「アイデンティティ」「多様性」の3つのテーマで対話した。

「ジミー」を真剣に読んでくれた人たちが集まって、ディープな対話が繰り広げられた。約100名の最初の読者が生まれた。その中に、「ジミー」に大きく感情を揺すぶられたという人たちが出てきた。やっと「会いたい人に会うことができた」。

ど真ん中に剛速球を投げたことで、最初の壁を突破することができた。すると、新しい扉が開き、新しい可能性が見えてきた。

その新しい可能性とは?

(その4)に続く

2022/02/05 13:13