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 橘川幸夫の新刊「参加型社会宣言」(仮)プロジェクト

本を書き始める前に。

 今回のクラウドファンディングで書こうとしている本の趣旨ですが、近代の工業化社会で生まれた秩序・生産構造・社会構造・生活規範・関係認識などを一度、すっかり忘れてしまって、まっさらなカンバスの上に、新しい世界を描いてみようとする試みです。それは、これまでの社会を否定するということではありません。さまざまな成果から混乱や対立まで含んで、愛情をもって再構築・再編集してみたい。

 近代・戦後の出版文化の中に僕は育ち、学びました。父であり母であります。しかし、その時代の出版文化は、非情報環境の中で、放送局のように情報を拡大して放送するものでした。だから、その時代の出版人は、特別な存在であり、大きな声と大きな態度が必要でした。出版をするためには、特別な組織と独自の構造が必要だったのです。

 しかし、今の時代は、父や母の世代にはなかった環境があります。人と人がバラバラに棲息していた時代から、人と人とが最初から「つながりっぱなし」になっている時代へと人類は、大地の上から情報の上へと生活基盤を大きくシフトしているのです。

 つなげるための出版の時代から、つながっている人たちのための出版では、根本的な動機と手法が違ってくると思います。

 新しいことは書きません。すべての新しいことは語られ尽くされたという思いから書きます。僕が語ることは、決して斬新なことではなく、あなたの内部では、ずっと昔から現実化してきた言葉だと思います。まずは、自分自身の内部を整理するために、そして、再編集して、次の時代の方向を見極めるために、本を書きます。呼応を求めて。

 
 

2020/02/09 12:42