皆様おはようございます。
「矢来能楽堂って?その2」鏡板編の第2回目です。
矢来能楽堂の鏡板も同様に、老松と若竹の絵が描かれていますが、何と地謡座奥の「貴人口」の板に梅の絵が描かれております。
これは他に例がありません。能はあらゆる季節の物語を舞台上で表現しますので、特定の季節を感じさせるものは障りとなるからです。
松・竹・梅の三つを賞でる感性のルーツは中国にあります。
四季を通して常緑の松竹に加え、まだ雪の降り積もる寒い時期に清楚な花を咲かせ、その馥郁とした香りで春の訪れを告げる梅の花を合わせて三人の友、「三友」と呼び、その精神性を尊んだことに由来します。
(次回につづく)