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アシュタンガヨガの創始者である、
シュリ・K・パッタビ・ジョイスの教えを今に伝える貴重な1冊
『Guruji(グルジ)』を翻訳出版したい!

【立ち読み通信 #03】

こんにちは、Gurujiプロジェクトの発起人の的野です。

クラウドファンディングの支援のお願いをして回っていると、私がどうして「Guruji」を日本語で出版したいのかという想いがまだ伝えきれていない気がしたので、最後の【立ち読み通信】としてお伝えしたいと思います。

最初にこの本を読んだ2010年、私はアシュタンガヨガの練習を始めてから4年くらい経っていました。定期的な練習をそれだけの期間続けているということは、アシュタンガヨガに十分のめり込んでいるということです。経験のある人ならわかると思いますが、一番練習がしたいお年頃という感じです。

ただ、そこまで続けているとなぜか(日本では特になぜか)「先生になるの?」「教えたりしないの?」と聞かれることが増えてきました。ティーチャーズトレーニングと呼ばれるものを受けたりしたものの、自分は練習をするのが好きなだけで、教えるのはあまり得意じゃない、というのがわかっただけでした。「ただ練習を続けてはいけないのかな?」そんな気になるくらい、同じ時期に練習を始めた人たちは、ほとんどがヨガの先生になっていきました。(これは別に先生になることを批判している訳ではないので、どうか誤解しないでください)

一方で、長い間練習を続けてきたのに、怪我や継続することの難しさ、それぞれに個人的な理由があるのでしょうが、アシュタンガヨガの練習をやめる人たちもたくさん見てきました。もちろん、何をして、何をしないかという選択は人それぞれ自由です。ただ、アシュタンガヨガをやめた時に「私はやめたんです」と宣言しなければならないような風潮というか、空気のようなものを感じて、それに対しても何か違和感がありました。

そんな時に読んだ「Guruji」の中のブラッド・ラムジーの言葉が、私の心にどっかりと乗って、今でも心の重しになるくらい響きました。

 

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■グルジと練習から学んだことで一番大切なことは何だと思いますか?

粘り強く続けること。ただ練習を続けること。以前と同じような情熱がなくなっても、ただ練習をすること。自分が練習したいと思っている限り、朝起きて、また練習をするだけです。

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当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれないけど、「自分が練習したいと思っている限り」というのが一番大事なことなのだと確信できたのです。

アシュタンガヨガは決まりごとの多いヨガです。それが効果的にはたらいて、継続して練習をしたり、モチベーションを保つことに役立っていると思います。練習を習慣化したり、自立した練習をするには、そういうものが必要なので、客観的にも本当によく練られた良いメソッドだと思います。

ただ、ずっとそのような決まりに従ってやっていると、決まりごとに縛られて、好きだから、気持ちいいから、楽しいからやっている、という気持ちを忘れそうになることもあります。頭の奥の方から「やらなきゃ」という声が聞こえてきて、それに息苦しくなって、続けられないならやめようと決意したりするのだろう思ったのです。

でも、このブラッド・ラムジーの言葉を読んだ時に、「自分が練習したいと思っている」なら続ければいいし、そうじゃなければやめればいいんだとシンプルに考えられるようになって、とても気が楽になりました。

だから、私はアーサナがすごくできる訳ではないけど、途中で怪我したり、モチベーションが下がったりしても、ゆるゆると自分のペースでここまで練習が続けられたのだと思います。

それから、デヴィッド・スウェンソンのこんな懐の広い言葉にも感激しました。

 

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■毎日毎日、20年も30年も続けている日々の練習の価値とはどのようなものですか? それによって生まれる内面的な資質のようなものは何でしょう?

(中略)

定期的な練習から得られるメリットは強さでしょう。しかし、健康上の理由や失意など、何かしらの理由で練習から離れたとしてもいいのです。後ろめたく思う必要はありません。また戻ってきて始めてもいいのです。20分の練習を週2回だけやる人がいたら、それも素晴らしいことです。続けてください。これからもずっと90分の練習を週6日できる人はごくわずかです。しかし「15~20分の時間はあります。月、水、金は練習ができます」と言う人は多いでしょう。素晴らしいです。そうしてください。

グルジも、毎日の最低限の練習は、スーリヤナマスカーラA、スーリヤナマスカーラB、それとフィニッシングの最後の3つのポーズだと言っていました。つまり、これだけでも恩恵が受けられるということです。車椅子の生活になったとしても、体のどこかの部分を動かすことができれば、そこを動かしながら呼吸をすることはできます。

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アシュタンガヨガの決まりごとを知っていると、この言葉は誤解を生むかもしれないと思います。それでも今回あえて紹介したのは、好きなら練習すればいいし、それが1日20分でも週3回でもいいじゃない、それで練習を続けられる人がいるならそうして欲しい、と心から思ったからです。

私も「10年以上練習を続けた」と言っていますが、それは「90分の練習を週6日、10年以上続けた」という意味ではありません。腰が痛くてほとんど練習ができない時期もあったし、やる気が全然出なくてサボりがちな時期もありました。(今でも冬は毎朝のように葛藤が…)でも、やっぱり練習した方が心身共に調子が良いとわかっているので、結局今でも練習を続けています。

そして、こんな風にアシュタンガヨガをマイペースで続ける人が少しでも増えたらいいな、この本がその助けになる人もいるはずだと思ったからこそ、日本語で出版したいと思ったのです。長くなりましたが、これが私が「Guruji」を出版したい一番の理由です。

 

日本語で出版するためには、5月30日までに目標金額を達成しなければなりません。それまでに目標を達成しなければ、日本語翻訳権を手に入れることができません。

読みたいという気持ちがある人は、どうかそれまでに少しでも多く支援をしてください。どうしても読みたい人は、自分の周りの人にもその気持を伝えて、1人でも多くの人が支援してくれるように力を貸してください。

よろしくお願いします。

2017/04/28 11:33