西武・そごうでは、オールステンレスで精巧に作られたミニ仏壇を企画しました。現代のインテリア空間に合うように、モダンでスタイリッシュなデザインを採用。玄関でも台所でもわずかなスペースに置ける、祈りの場をご提供したいと考えています。
西武・そごうの趣味雑貨部を担当している末永です。
個人的な話になりますが、最近、立て続けに父と義父と長年飼っていた愛猫を亡くし、それぞれ別の実家に行かないと親しい家族を偲ぶ場所がないということに気づきました。
そこで仏壇について調べてみると、現代の住宅事情に合わせた比較的小さな「ミニ仏壇」がいろいろと商品化されていることがわかりました。ただ、サイズは小さくてもデザインも今の住空間となかなか合わないものが多く、リビングに置くには違和感がありました。
そこで考えたのがステンレスの円柱型で他人が見ても一見何だか判らない形の仏壇です。これなら、モダンなインテリアとして現在の住宅に溶け込めるはず。オールステンレスだから火災にも強く、ろうそくを使っても安心です。
「ブツダニーノ」という名称は、イタリア語で「小さいもの」を表す「ニーノ」と、仏壇を合わせた言葉です。位牌のある本家の仏壇とは別に、核家族や単身住まいの方が気軽にどこにでも置ける仏壇として作りました。もちろんペット用仏壇としてお使いいただけます。
オールステンレスということで、「ブツダニーノ」を開発するにあたって板金工場に製造を依頼することになりました。国内の会社をいくつか当たり、そこで出会ったのが、今年で創業100年という大橋製作所でした。
多くの町工場が軒を連ねる東京都・大田区にある会社ですが、同社にお願いしようと思った一番の理由は、「数楽アート」という製品を開発・販売していることです。数楽アートは、数学の2変数関数が描く軌跡をステンレスを使って立体的に表現したオブジェで、かなり精密な加工で作られています。これだけのものを作る技術力がある会社なら、私がイメージするミニ仏壇も作っていただけるだろうと感じたのです。
日本古来の伝統工芸ではなく、父たちが生きた近代日本の工業社会を象徴する金属加工工場。それも丁寧なものづくりをする日本のメーカーが作る、純日本製の仏壇ということにもこだわりがありました。大橋製作所にもそういったこちらの意向に賛同していただき、意欲的に取り組んでもらえた結果、美しいヘアライン仕上げで作っていただくことができました。
※数楽アート参考HP
http://sugakuart.com/index.html
存在感の強い仏壇がある部屋は、家族以外の人にとってはあまり心地よいものではないはず。「モダンミニ仏壇 ブツダニーノ」は、扉を閉めておけば、外からは仏壇とはわかりません。
高さは32cm、直径は17cm。さほど大きくないので、一人暮らしの部屋の小さなスペースにも置くことができます。
扉はスライド式で、扉を開くと、中は上段と下段に分かれています。
上段には通常の写真立てが置けますが、付属のスマホスタンドを使えば写真立てではなくスマホやデジタルフォトフレームを置くことができます。これにより画像を変えれば、同じ仏壇で様々な相手に手を合わせることが可能です。もちろん電源コードは仏壇内につながります。下段は引き出し式になっており、ろうそく立て、水入れ、仏飯器、線香立て、おりんのセットが組み込まれています。このブツダニーノで故人や親しいペットとの日々をいつでも偲んでほしいですね。