皆様、こんにちは。ケルビムの堀内です。 連載第3回は、静かな森の中で繰り広げられる、命を運ぶための**「格闘」**についてお話しします。
皆様は、野生のニホンジカの実物を見たことがありますか? 成長した雄ジカともなれば、その体重は100kgを超えることもあります。これは成人男性よりも重く、強靭な筋肉の塊です。
この巨体を山の中で捕獲し、人里まで下ろして肉や皮へと加工するプロセスは、想像を絶する重労働です。
昨日の連載でお話しした通り、シカは険しい山の急斜面に生息しています。 軽トラックが入れるような道などありません。捕獲後、プロのハンターは足場の悪い斜面を、100kg近い個体を確保しながら下りてこなければなりません。
「ただ撃つだけ」なら誰でもできるかもしれません。しかし、それを「資源(肉や皮)」として活かすためには、鮮度を保ったまま迅速に、かつ丁寧に運び出す卓越した技術と体力が必要なのです。
里へ運び出されたシカは、すぐに職人の手によって解体されます。 肉を傷つけず、かつ皮を破らずに美しく剥ぐ。この工程もまた、熟練の職人技を要する真剣勝負です。
「殺しっぱなし」にせず、命を余すことなく市場へ出すこと。 この過酷な現場を支えているのは、**「いただいた命を無駄にはしない」**というハンターと職人たちの執念に他なりません。
このプロジェクトは、こうした現場のプロたちの「誇り」と「生活」を守るための挑戦でもあります。
彼らが命がけで繋いでくれたバトンを、私たちは最高の製品として皆様へ届けたい。 明日の第4回は、「『肉』は救われた。では『皮』はどうなる?」です。
ジビエとして注目される裏側で、取り残されてきた「皮」の行方についてお伝えします。
引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。