みなさん、はじめまして。権堂〇〇(まるまる)フェスタ実行委員長の 亀垣 嘉明(かめがき よしあき) と申します。私は農業を営む傍ら、NPO法人Happy Spot Clubで副代表理事をしています。
2011年に設立したHappy Spot Club は、当初は任意ボランティア団体として設立しましたが2016年にNPO法人化しました。来場者数2,000人規模の福祉イベント「ハピスポひろば」の開催をはじめ、コミュニケーションスペース「ごちゃまぜカフェ」の運営など、障がいの有無、年齢、生まれ育った環境の違いに関わらず誰もがお互いを認め、はぐくみあうコミュニティーづくりに取り組んでいます。
このたびHappy Spot Clubも加盟する、NPO・企業・個人事業主などから構成されるネットワーク組織「ながの協働ねっと」へ、とある事業提案を行ないました。そして無事採択を受けたものが、7月30日に長野市権堂で開催される これまでにないイベント「権堂〇〇(まるまる)フェスタ」です。
日時:2017年7月30日(日)10:00〜15:00
場所:長野市権堂アーケード周辺(アーケード内、市民交流センター、北野文芸座)
開催イベント:
・アーティスト × 街 スペシャル企画
・青空権堂手づくり市
・HUMAN LIBRARY ヒューマンライブラリー
・デフ・パペット・シアターひとみ 結成30周年記念作品公演「森と夜と世界の果てへの旅」
(各イベントについては後述)
長野駅から善光寺を結ぶ長野市中央通り、その中ほどにある権堂商店街周辺が舞台。少し変わった名前のイベントですが、この〇〇(まるまる)には次のような意味が込められています。
Happy Spot Clubが開催してきたイベントと同様の趣旨のものを、イベント会場ではなく人々が実際に暮らす街の中で開催することで、多様なかかわりを生み出したいと思っています。
今回舞台となる権堂は長野県随一の歓楽街。今は昔ほどの賑わいも無くなったとも言われていますが、今回のイベントが新たな賑わいを広げるきっかけにもしていきたいです。
▲権堂のアーケードを中心にさまざまな企画を実施。当日は七夕まつりの開催期間中。
今回の権堂〇〇フェスタでは、アーケード商店街を中心に、東の市民交流センター、西の北野文芸座といった、主立った施設を全て活用。まさに権堂丸々です。
▲ アーケード東にある市民交流センター。広場では飲食コーナーなどが並ぶ。
▲ アーケード西にある北野文芸座では聴覚障がい者による演劇などが開催。
今回のイベントでは、権堂に拠点を置くアーティストにご協力いただき、アーティストと街をかけ合わせた2つのスペシャル企画を開催します。
▲ 金属工芸作家 角居康宏 さん
「Gallery&Factory 原風舎(げんぷうしゃ)」を運営する角居康宏さんは、全国各地で企画展を開催する金属工芸作家。彼の企画を通して、アートの視点で権堂周辺を探索します。見慣れた街にも新たな発見があるかも?
▲ 画家 TOMOYAARTS さん
オープンアトリエ「風の公園」を運営するTOMOYAARTSさんの作品展を松竹相生座前広場にて屋外開催。やわらかいタッチで温かみのある絵を青空の下で楽しめます。
プロのアーティストのお二人だけでなく、誰もが表現することができるアート企画が権堂一体で開かれます。
例えば、赤ちゃんの寝相アートの撮影コーナー。
▲ 赤ちゃんの寝相アート(提供:ながの子育てネット)
さらには、TOMOYAARTSさんによる立体お面づくり。
▲ 自由な発想でお面をつくるワークショップ
ほかにも、市民の方が歌や踊りのステージや手作り雑貨販売、地元ボランティア団体による映像を使った体験・交流コーナーなど、参加型で多様な人たちが交流できる機会をつくっていきます。
アーケードの西に位置する北野文芸座では、人権尊重を訴えるイベント「ヒューマンライブラリー」を実施します。
「ヒューマンライブラリー」で貸し出すのは、本ではなく”人”。社会的少数派と呼ばれる、特別な個性や背景を持ち生きている人が、それぞれ一冊の本となり自身の人生を語ります。
人が本を読んで新たな知識や価値観を知るように、その本の役の人と対話を行う事でその人の人生観や価値観、考え方を知り人権尊重を考えるきっかけにしてもらうものです。本の役の人を3,4人程度の少人数で囲んでじっくりと対話を進めていくのが特徴です。
▲ タイトル「車イスのミュージシャン」
子どもの時、物心つく前にかかった病気が原因で手足が自由に動かなくなってしまいましたが現在はギタリストとして第一線で活躍中。一児のパパ。
▲ タイトル「音のない世界で生きることとは」
子どもの時より段々と耳が聞こえなくなり、現在では補聴器を使ってもほとんど聞こえない状態。働きながら聴覚障がい者への理解促進や手話の普及を目的とした市民活動に参画。
このお二人をはじめ、当日は30名程度の本の役の方に集まってもらう予定です。障がいがある方、外国籍の方、人生の中で大変な経験や苦労をされた方、難病の方、どんな方がいらっしゃるかは当日のお楽しみ。
会場:北野文芸座
参加費:無料
受付:10:00〜15:00 当日会場予約
貸し出し時間:
①11:00〜 ②11:15〜 ③11:45〜 ④12:00〜 ⑤14:30〜 ⑥14:45〜 ⑦15:15〜
(一人の本に対し3名まで、30分ずつ区切らせていただきます)
更に北野文芸座の劇場では、ろう者(耳が聞こえない方)と聞こえる方が協力して公演活動を行っている人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」による人形劇が上演されます。30年以上の歴史がある人形劇団で、聴覚障がいがある方でも十分に楽しめる台詞に頼りすぎない視覚や楽器の振動を用いた構成、演出となっている事が大きな特色です。
▲ デフ・パペットシアター・ひとみによる人形劇
今回上演するのは、30周年記念作品「森と夜と世界の果てへの旅」。アフリカが舞台の魔術的で自由奔放な世界観の冒険人形劇です。手話や音声・映像も織り交ぜ、ろう者と聴者それぞれの感性を活かしています。
▲ 演者に文字を投影。聞こえない人も楽しめる工夫が散りばめられている。
人形劇のあとには劇団員によるミニ講演会があります。耳が聞こえる方と聞こえない方がどうやって1つの作品を作り上げているのか、その生のお話しを聞く事ができます。
「森と夜と世界の果てへの旅」は、ナイジェリアの作家 エイモス・チュツオーラの「やし酒飲み」を原作に、魔術的で自由奔放な世界観の冒険人形劇です。人形・カラダ・生演奏・手話・音声・字幕・映像 それらを全て駆使した人形劇の新しい表現の可能性を追求した作品です。
「権堂〇〇フェスタ」は実際の街を舞台に、しかも障がいに関係ない他分野の方(商店街や地元アーティスト、子育て団体など)を巻き込んでの類を見ない一大イベントになりました。これまで開催してきた福祉イベントは屋内を中心としてきましたが、今回舞台をまちなかに選んだのには、ある思いがあります。
▲ 毎年開催している「ハピスポひろば」。昨年は2000人が来場。
Happy Spot Clubでは、障がいのある人もそうでない人も同じ物を見て、同じ体験をして共感し合い、感覚としてお互いを尊重しあうイベント「ハピスポひろば」を毎年開催してきました。このイベントには、毎回2000~3000名の方が来場して下さったり、出展したり、出演したり、ボランティアとして何らかの形でかかわって下さるようになりました。
2011年から毎年開催してきて、皆さんのおかげで大きなイベントには成長しましたが私たちには不安な点がいつもつきまとっていました。それは「本当に趣旨を伝えたい人にいらして頂けてるのか?」という点です。
イベント会場を借りて生活空間とは離れた場所で行われるこのイベントには、開催趣旨を理解して下さっている方だけの集まりになっているのではなかろうか…。私たちが目指すのは「多様な人がごちゃまぜに生きる社会」です。そのためには福祉に関心の低い方にこそ、社会的マイノリティーの声を届けていく必要があるのです。
普段、障がいがある人と関わる機会は少ないかもしれません。私たちはHappy Spot Club での活動を通して、彼らと「ごちゃまぜ」に過ごしてきました。そのなかで私たちが障がいがある彼ら、彼女らの真の心の内を知ることができたかどうかはまだわかりません。しかし、ごちゃまぜ過ごした時間は決して無駄ではありませんでした。この時間が彼らにも、私たちにも様々な変化を与えてくれたのです。
2013年講演会の講師にお招きした、信州プロレスリングのグレート無茶さんに身体障がい者の二人が「プロレスをやりたい」と直に訴えました。それをきっかけに同年のハピスポひろばでその二人がプロレスデビュー。現在活動中の障がい者プロレス団体 Skyroadの設立につながりました。
▲ リングに上がった身体障がい者の二人
この2人の希望を聞いた時、正直、私たちも大変戸惑いました。身体障がい者がプロレスなんて無理だと思うのが普通でしょう。しかしHappy Spot Clubらしさとは何か、本当に彼らに必要な事は何かと考えた結果、最終的には彼らの希望の実現に向けて動く事にしました。プロレスという未知の世界に踏み込む、1つの大きなチャレンジでした。結果、グレート無茶さんの協力もあってデビュー戦は大成功。当日、リングは何百人もの人と大声援に取り囲まれました。更にはこの障がい者プロレス団体を取り仕切って下さる方も現われて正式に団体として存続していく目途もつきました。
このチャレンジの中で、私たちは無理と固定観念で決めつけてはいけない事や、誰にでも自分の役割や自分の力が発揮できる場が必要な事を学びました。そして、その場をきちんと作っていくことがHappy Spot Clubの最も大事な役割でもあると気付かされました。行政や公的支援制度ではカバーできない部分、そこをしっかり受け止めていこうと、今思えば、このときにメンバーの心がしっかり固まったのだと思います。
今回、Happy Spot Clubの加盟組織である ながの協働ねっと への応募に先立って、私たちは同様の趣旨のイベントを、イベント会場ではなく人々が実際に暮らす街の中で開催しようと考えました。そうすれば、福祉のイベントには興味が無いといってお越しにならない方にもアクセスできるのではないかと思ったのです。
この提案は、ながの協働ねっとの中で更に枠を広げられ障がいの有無という限定的な考え方だけではなく、価値観、国籍、それぞれの生き方等々、それぞれの人が他人との間にある「違い」を全部包括して、だれもがお互いを認め尊重しあうという社会という人権を意識したものにスケールアップしていきました。そして、更に、単に人権とか福祉的な意味合いのみを持つだけでなく、多様な価値観を許容する事で、それぞれの人がそれぞれに力を発揮できるしなやかで活力ある地域作りへとつながる可能性がある事にも気付かされたのです。
単に人権や福祉だけでもない、単に街の賑やかしでもない、相互理解や尊重が最終的にしなやかで芯の強い街作りにつながる事を実際の街で訴えていく、新たなスタイルのイベントに仕上がりました。街に住む人、街を利用する人の意識を変え、そして、それらの変化から街の変化を引っ張りだそうというのがこの取組みの最終目的なのです。
こうして生まれた福祉でも街の活性化イベントでもない権堂〇〇フェスタ。新しい事を始めるには様々な方が関わる「協働」が大切と考え、協働がもたらす力を信じて多様なメンバーを募り、内容を組み立ててきました。結果、福祉のNPOやボランティア団体、地元商店街組合、地元に住むアーティスト、子育てネットワーク、学生、地元住民自治協議会、社会福祉法人、行政など実に多様な方に関わって頂ける類の無い実施体制となりました。
▲ 権堂〇〇フェスタ 打ち合わせ風景
今回、このように単に福祉でも街の活性化でもない、多様な要素を持つこのイベント開催に際し、やはり資金調達も特定の分野の人や団体に頼るのではなく、多様な方からご支援頂くのが一番ふさわしいのではないかと考え、それに最も適している手段としてクラウドファンディングという手法を選びました。更に言うと、このクラウドファンディングサイト「Show Boat」の運営主体があるCREEKSも会場となる権堂にほど近い場所にあります。
▲ Show Boat を運営する「CREEKS COWORKING NAGANO」
権堂の方が大勢関わって下さり、チラシ等のデザインも権堂のデザインオフィス、資金調達も権堂にほど近い場所でと、会場から人から、資金調達までオール権堂です。またその他の資金調達手段として、人形劇のチケット売上げはもちろんの事、街頭募金やチャリティーイベントの実施も計画しております。皆さまからお寄せ頂いたご支援は、会場費や上演費、会場の演出や装飾に関する費用に充てさせて頂きます。
街を舞台に行われる、人権、福祉、街の活性化を融合させた新たなスタイルのイベントに大勢の皆さまからのご支援をお待ちしております。
権堂〇〇フェスタ 担当者一同
3,000円以上ご支援いただいた方には、今回のイベントにご協力いただくTOMOYAARTSさんのイラスト入りサンクスレターをプレゼント。
5,000円以上ご支援いただいた方には、サンクスレターに加え、ながの協働ねっとに参画しているNinja Projectの缶バッジをプレゼント。
10,000円以上ご支援いただいた方には、上記に加え、Ninja Project によるマグカップをプレゼント。
※色はランダムになります。予めご了承ください。
30,000円ご支援いただいた方には、サンクスレターと缶バッジに加え、忍者Tシャツをプレゼント。
※支援時にサイズをご指定いただけます(130、XS(150)、S、M、L、XL)
※色はランダムになります。予めご了承ください。
▲ 忍者Tシャツ 表
▲ 忍者Tシャツ 裏