世界の中の日本文学、そして日本語に光を当てる――
文芸誌『jem』言葉の未来を切り拓く第3号を刊行したい!

異ジャンルの書き手たちによる創作も!表記特集の寄稿者がふたり増えることになりました

発起人の木村夏彦です。

このたび、特集「表記の森へようこそ!」の寄稿者がふたり増える運びとなりました。

ひとり目ですが、詩人の時里二郎さんに書き下ろしの詩を寄せていただきます。高橋睦郎さんは読売文学賞の選評で『名井島』を、このように呼び交わしました。「平成三十年の締めくくりに誕生した現代詩の、そして現代詩の域を超えた文学全体の貴重な収穫であることは、間違いない」。この本をSFとして読むことには議論があるかもしれませんが、2024年、「SFマガジン」がオールタイム・ベストSFを募集したアンケート(集計結果は2025年2月号発表)で、私は『名井島』を国内SF長編のベスト1として投票してしまいました。

異ジャンルの書き手による表記創作を実現できる運びとなったこと、うれしく思います。表記という観点を意識した創作から、だれも見たことのないものが出現するかもしれません。なお、すでに目次に記載のある小原奈実さんには「漢字をひと文字だけ使用し、残りの文字はひらがな」というコンセプトで短歌を創作いただきます。

ふたり目ですが、「表記と抵抗文学」というテーマで比較文学者の西成彦さんへのメールインタビューを掲載します。先日刊行された『世界文学重層』(みすず書房)において、「「国語または標準語」と「異言語もしくは方言」のあいだの二重言語使用(…)が成立しているような植民地空間に光をあてようとする文学が、日本語文学であるかぎりにおいて「ルビ」の多用という裏技に深く依存している」という文章を発見することができます。抵抗のために、文学はどのような言語実験を掲げ、駆使することができるのか。暴力が席巻し、言葉の力がきびしく試されている今だからこそ読みたい記事となることでしょう。

「日本語は手と眼で考える」とはジュディス・メリルの言葉ですが、小説や詩歌を自身で創作される方、翻訳家の方、書物愛にあふれる読書家、多くの方の五官を刺激する特集となりそうです。

 

2026/08/07 18:33