2016年4月、惜しまれながら逝去された漫画家・望月三起也(もちづき みきや)先生。
望月先生は、“悪をもって悪を裁く”という型破りのヒーロー像を描いた代表作『ワイルド7』をはじめ、国際スパイアクション『秘密探偵JA』『ケネディ騎士団』、硬派なミリタリー作品『最前線』、そして痛快時代劇『俺の新選組』など、ジャンルを超えた数々の傑作を世に送り出しました。
大胆な構図と緻密な描写、スピード感あふれる演出で読者を魅了し続け、“アクション漫画の巨匠”として、その名を不動のものとしています。
早いもので、2026年は望月先生の没後10年という節目の年を迎えます。
長年にわたり、数々の魅力的な作品を世に送り出してきた先生ですが、その作品リストには、残念ながら現在まで単行本化されていないものがいくつか存在します。
様々な事情があったのでしょうが、ご自宅の倉庫に眠る未単行本化作品の中でも、特に珍しい“幻の原稿”が存在します。
--それは、タイトルも名付けられていない、女子サッカー漫画です。
驚くべきことにこの原稿は、全ページが完成しており、吹き出しには写植(セリフ文字)まで貼られている完璧な状態で、望月先生のご自宅の倉庫に大切に保管されていました。
しかし、どの雑誌にも発表された形跡がないのです。
この作品を、ぜひ多くの方にご覧いただきたい--。
そんな想いから、復刊ドットコムでは本原稿を出版するプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングを通じて、皆様のご支援を募ることとなりました。
漫画ファンの皆様、望月作品を愛する皆様のお力を、どうかお貸しください。
幻の原稿に命を吹き込み、望月先生の新たな一面を未来へとつなぐ、この貴重な試みに、ぜひご参加をお願いいたします。
望月先生が、大のサッカー好きだったことは有名な話です。
まだJリーグが発足するずっと前、1970年代からプライベートでサッカーチーム「ザ・ミイラ」を率いて、自ら監督兼エースFWとして活躍しました。
「ミイラ」には有名芸能人(明石家さんま、木梨憲武他)も参加し、あの香港の大スター、ジャッキー・チェンのチームとチャリティーマッチで対戦するなど、サッカーファンから一目置かれる存在でした。
ご自身は三菱(自動車・重工業)のファンで、プロ化してからは浦和レッズのサポーターでした。三菱出身の菊川凱夫氏との縁で、藤枝ブルックス(のちのアビスパ福岡)のイメージマスコットを描くなど、サッカーとの絆は、終生途切れることはありませんでした。
先生のサッカーへの愛情は、もちろん漫画にも生かされ、「ザ・キッカー」(1972)、「騒世記」(1978-79)、「Superサブ」(1984-85)、「極道イレブン」(1990-91)、「蹴球七日」(1992-93)などのサッカーを題材にした漫画を発表。さらに「週刊サッカーマガジン」にはエッセイ「絵故ヒィ!!記」を長期連載しました。
この中で「騒世記」は「週刊明星」に連載・単行本化された作品で、中高一貫の女子校を舞台に繰り広げられる、アクション多めの女子サッカー漫画。
まだプロリーグもなく、ワールドカップも遠い存在で、もちろん女性がサッカーをすること自体が珍しかった時代に描かれた、先見性に富んだ作品と言えるでしょう。
実は、望月先生は早くから女子サッカー界に協力的で、「ワイルド・イレブン・レディース」という女子チームの設立にも関わっていたのです。
今回、クラウドファンディングを企画した作品も、その系譜に連なるものでしょう。
日本女子サッカーのなでしこ旋風が起こる前に描かれたもので、本編中にアジア系外国人の派遣労働や不法就労問題が取り上げられているところから、1990年代頃に執筆されたものと推察されます。
原稿は全ページ完成していて、写植(フキダシ中のセリフを印字したもの)も貼られている状態ですが、なぜか、どの雑誌にも発表されていません。
恐らく、「単行本描きおろし」で出版する予定だったと思われます。
しかし、望月先生のご家族も、熱狂的な望月ファンの集まり「月刊望月三起也」事務局も、先生の死後、原稿整理の際に原稿が見つかるまで、この作品の存在を知りませんでした。
--まさに、幻の作品!!
編集Yは、原稿に目を通しましたが、サッカー、アクション、サスペンスと、望月先生のテイストが全編にあふれた内容でした。決して内容がつまらないとか、問題があってお蔵入りしたわけではない、とハッキリ断言させていただきます。
どういう事情で出版に至らなかったのか、今とはなっては誰にもわかりませんが、このまま眠らせておくのは大変惜しまれます。
望月先生のご家族も、ここまで仕上がっている作品をファンに読んでいただきたい、と強く願っておられます。
裏社会の組織「黒まむし」事務所の金庫破りをして、逃亡しているチンピラ・早見優太郎と、相棒でアフガニスタン出身の少年・ムハンマド・ソージャ。
二人は女装し、社会人の「K&KK女子サッカー部」に身を隠すことになる。
K&KK株式会社は人材派遣や不動産業が本業だが、中東、東南アジアの出稼ぎ外国人を不法就労させていた。その斡旋役が「黒まむし」だったのだ。
女子サッカー部はA、Bチームの2部制だが、優太郎らが属するBチームは、外国人が中心で、全国大会優勝候補のAチームの選手からいじめられている。
Bチームの正GKはモデル級の美女・沙絵。優太郎(女装中)は一目ぼれするが、いけすかないイケメンコーチ・紅花が、沙絵を狙って口説いていた。
※※※
そんな中、社内でクーデターが起こりBチームはリストラの危機に陥る。これを回避するには、女子サッカー全国選手権の県代表に選ばれるしかない。
県予選1回戦で、なんとAチームと対戦するBチーム。会場には優太郎を探す「黒まむし」の追手の姿もある。
優太郎とソージャ、沙絵は圧倒的な実力差を跳ね返し、勝利することができるのか?
このネームコピーの中から厳選した10種類を複製し、ランダムに3枚セットでお届けいたします。
※ランダム封入となります。種類はお選びいただけませんのでご了承ください。
※希望の商品が出なかった場合の返品・交換はお受けいたしかねます。
※複数ご支援いただいた場合、同じ絵柄が重複する可能性がございます。
※絵柄は変更になる可能性がございます。
※仮名、ハンドルネームなど、ご本名でなくても可能です。なお、辞退される場合はその旨を記載ください。
※第三者を特定する名称や公序良俗に反するお名前等、機種依存文字等をご記入の場合、記載をお断りさせて頂く場合がございます。
※リターン品は現在、すべて開発途中の内容・画像です。
この作品は、企画途中だったためか、まだ正式なタイトルが決まっていません。
そこで、クラウドファンディングでご支援いただいた皆さまから、タイトルを公募することにいたしました!
ストーリーの内容、キャラクターの名前、そしてサッカー用語などから自由に発想し、ぜひ素敵なタイトルをご提案ください。
望月作品のタイトルには、ビシッと決まったカッコいいものもあれば、「蹴球七日(しゅうきゅうなのか)」(蹴球=サッカーと週休)や「へい、お町!!」(ヒロインの名前「お町」と「お待ち」)のように、ダジャレを交えた軽妙なものもあります。
そんな独特のネーミングセンスもヒントにしながら、「先生なら、どんなタイトルをつけたかな…?」と想像を巡らせてみてください。
たとえば、編集Yが考えたタイトル案ですが、
などなど、一例として挙げてみました。
「娘」「ガール」「クイーン」など、女性をイメージするワード。
「シュート」「キック」「フットボール」「ストライカー」など、サッカーに関連する用語。
こうしたいろいろな要素を自由に組み合わせて、オリジナリティあふれるタイトルをお待ちしています!
※こちらの投票は支援者様以外も参加可能です。お一人様1票まで。
申込締切:2025年8月17日 23時59分まで
※予定は変更になる場合もございます。ご了承ください。
※詳細は随時更新いたします。
※一部のリターン品はクラウドファンディング終了後、復刊ドットコムサイト等にて通常販売を行う可能性がございます。
復刊ドットコムは、どうしても読みたい「思い出の本」をもう一度、世に送り出す、国内随一のサービスです。
1999年の設立以降、ユーザーからのリクエストに応えて、絶版・入手困難となっている書籍を復刊することを目的にした出版社です。多くの会員、出版社のご支援により、96万票以上の復刊リクエストを受け、これまで文芸書・コミック・絵本・写真集・イラスト集など様々なジャンルから、6千点以上の書籍の復刊が実現しました。今後も様々な復刊リクエストに応え、皆さまにご満足いただけるサービスを提供していきます。
プロジェクトで得た支援金は、「グッズ制作費」「著者権料」「デザイン費」「宣伝費」「クラウドファンディング手数料」「配送・流通費」など、制作全般からお届けにかかる費用に使用させていただきます。
望月三起也先生の幻の原稿を、ぜひ皆さまのお力で出版させてください。
タイトル決定のプロセスも含め、今までにないファン参加型の企画として進めてまいります。
お祭りムードで盛り上げながら、ぜひこの企画を実現させましょう。
どうぞよろしくお願いいたします!
編集部では、今回の女子サッカー漫画に続き、先生の未単行本化作品を出版するプロジェクト「望月三起也トレジャー・コミック・シリーズ」を検討しています。
未単行本化作品には、
……など、現在、内容を詰めています。詳しくは、準備が整い次第お知らせいたしますので、続報にご期待下さい!
(編集Y)