書店員が「フェア」の腕を競い合い、チャンピオンに賞金とチャンピオンベルトを贈呈する「Book Fair Championship」(BFC)を創設します。初代チャンピオン決定戦と、年2回の防衛戦実施により、本の売り手である書店員の企画意欲を搔き立てることで、書店の売場がより魅力的なものになることを目指します。また、書店員が企画したユニークな「フェア」を広く発信することで、書店に足を運んでくださるお客様を増やします。エントリーされた各書店のフェアは公式HPで公開され、他書店の書店員や一般のお客様が自由に閲覧できるようにします。
当プロジェクトをご覧いただき、ありがとうございます。北田博充と申します。私は長年、本の業界で仕事をしてきました。今は大阪にある梅田 蔦屋書店で店長を務める傍ら、ひとり出版社・書肆汽水域を立ち上げ、長く読み継がれるべき文学作品を刊行しています。また、本・音楽・食が一体となった本屋フェス「二子玉川 本屋博」を企画・開催するなど、読書や本屋の魅力を広く伝えるための取り組みも行ってきました。
書店員として働く中で、お客様に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか、どうすれば書店に足を運んでいただけるか、そんなことを考えさまざまな工夫を凝らしてきました。
その中でも、書店の一等地の平台や棚で展開される「フェア」は、書店における“企画展”のようなもの。本屋の魅力のひとつです。お客様の興味関心を引き、本を購入してもらうために創意工夫を凝らし、独自の切り口でテーマ設定、選書、陳列を行います。それは、ネット書店では味わえない、企画・編集されたコーナーならではのものです。そして、そうした工夫が届いたと実感できたとき、書店員としての幸福や楽しさを感じることができます。
「売れる」と「売る」は違うと私は考えます。「売れる」のは、本そのものの魅力によるものです。一方で、「売る」のは、書店員の主体的仕事によるものです。「本を置けば売れる」という時代は終わりを迎え、今はいかに工夫を凝らし、読者の心に響くような提案をするかが求められています。私は意思を持って「売る」ことをしていきたいですし、きっと多くの書店員の皆様もそう思っているはずです。それが端的に表れているのが「フェア」ではないでしょうか。
しかし、書店員の仕事は、なかなか公に評価される機会が少ないです。また、面白いフェアを1書店のみで終わらせてしまうのではなく、もっと広げていきたいという思いも長年持ち続けてきました。それならば、書店員同士が切磋琢磨して競い合い、全国の書店がより魅力的な空間になるような、新しい仕組みがあればいいのではと考えるようになりました。
出版業界は1996年以降ずっと売上が右肩下がりの状況で、残念ながら今後もその傾向は続くことが予想されます。年々書店の数も減り続けています。それでも、書店には多くのお客様が日々足を運んでくださっており、そのお客様に「本との出会い」「新たな発見」を提供し、本を買っていただけるかどうかは書店員の創意工夫と技量にかかっていると私は考えています。
そこで、書店で実施されているフェアを広く世に発信し、フェアを目がけて書店へ来店してくれるお客様を増やすために、書店員がフェアの腕を競い合うチャンピオンベルト「Book Fair Championship」(BFC)を創設することにしました。エントリーされたフェアは公式HPに掲載され、他書店の書店員や一般のお客様が自由に閲覧できるようにします。SNSの普及により情報発信は容易になりましたが、まだまだ世の中には知られていない素晴らしい「フェア」がたくさんあるはずです。このプロジェクトを通して、これまで知られていなかった面白いフェアや、優れた企画力を持つ書店員を発掘し、全国に広めるきっかけになればと考えています。
本の売り手が競い合うことで、全国の書店の売場がより魅力的なものになることを目指していきたい。そんな思いで、今回このプロジェクトを立ち上げました。
どうか温かいご支援をよろしくお願いいたします!
本プロジェクトは、企業の垣根を超えて、様々な書店・
書店からは、蔦屋書店、丸善ジュンク堂書店、正和堂書店など、
<BFC実行委員会>
・実行委員長: 北田博充(梅田 蔦屋書店 店長)
・実行委員: 野上由人(NICリテールズ 執行役員)、堀内理(ジュンク堂書店 三宮店 店長)、大塚啓志郎(ライツ社 代表取締役社長 編集長)、高野翔(ライツ社 代表取締役社長 営業責任者)、有佐和也(ライツ社)、小西康裕(正和堂書店)、
<実行委員・堀内理よりご挨拶>
本屋とは本当はかっこいい職業のはずである。
そんな本屋の本気が見られるのがフェアの場です。今企画は、
ジュンク堂書店 三宮店 店長 堀内理
たとえば、普段は平積みされないような本が発掘されるように紹介されたり、「フェア」のテーマによって浮かび上がる書籍の関係性にも新たな発見があるかもしれません。フェアは月替わりや2ヶ月に1回のペースで内容が変わるため、まるで美術館の企画展のように訪れるたびに私たちを楽しませてくれます。
※ムック『本屋はおもしろい! ! 』(洋泉社/2014年10月発売)参照
※ビブリオセラピー
読者の心を癒す処方本(文庫)を70点セレクトし、オリジナルデザインの薬袋に封入して販売したフェア。それぞれの商品に「どのような症状の方にどのように服用してもらうのが良いのか」等、効能書きを記したPOPを付けてフェア展開。
※滝口悠生の本棚
小説家・滝口悠生さんの本棚を再現したフェア。普段小説を読まない方にも、本との突然の出会いがあればと考え、フェア台の見た目のインパクトにもこだわって作成。
書店員の仕事は多岐にわたりますが、その中でも「フェア」は、書店員の様々な能力が総合的に試されるものだと言えます。「フェア」を企画するには、魅力的なテーマ設定、それに合った本の選定、そして視覚的に訴求力のあるディスプレイなど、多岐にわたるスキルが求められます。さらに、企画したフェアを多くの人に知ってもらうための情報発信も重要です。つまり「フェア」は、書店の総合力が試される格好の機会なのです。
1.切磋琢磨し、「継続」できる仕組み
M-1グランプリの創設によって漫才の競技人口が増え、漫才のクオリティが進化したのと同様に、書店員が競い合うベルトを創設することで、書店の魅力・面白さが多様化し、お客様により楽しんでいただける場に進化するかもしれません。
「Book Fai Championship」(BFC)は「賞」ではありません。賞は一度もらったら満足して終わり。決して書店員の企画力向上の底上げにはつながりません。通常の賞とは異なり、チャンピオンベルトには防衛戦という概念が存在します。一度獲ったら防衛しなければなりませんし、もし陥落したとしても何度でも再チャレンジできます。全国の書店員が切磋琢磨し、読者を楽しませたり、本の面白さを伝えたり、創意工夫することを「継続」できる仕組みをつくりたいと考えています。
2.書店の取り組みは「真面目」すぎる?
書店での取り組みはどこかしら「かたい」「まじめ」な印象があり、遊び心に欠けているところがあるように思います。チャンピオンベルトが持つキャッチーさやベルトの奪い合いというドラマ性のある展開は、人々の関心を惹きつけ、メディアの注目を集めやすくなる可能性があります。メディアが本プロジェクトを取り上げてくれることで、本や書店に興味がない業界外の人たちにも、「なんだか面白そうなことをやっているな」「一緒に面白い企画をやってみたい」と思ってもらえる可能性があるかもしれません。出版業界に閉じた企画ではなく、業界外の方々からも注目を集めるような企画に育て、この業界を少しでも盛り上げていければと思っています。
3.「書店員になりたい人」を増やしたい
小説家には芥川賞や直木賞があり、出版社には造本装幀コンクールなどの賞がありますが、書店員は誰かから評価される機会がほとんどありません。もちろんお客様に喜んでいただけることが何より励みになりますが、仕事をする上で何か目指せるものを創れば、さらに企画意欲が高まるのではないかと考えました。チャンピオンベルトを何度も防衛する猛者が現れれば、読者の方々はその書店員が勤めている書店に一度行ってみたい、と思うかもしれません。たとえば、地方の小さな書店で活躍する書店員が、この賞を受賞することで、多くの人に知られ、その書店の魅力が伝わるかもしれません。書店員の仕事にスポットライトが当たるようになれば、「私も書店員になりたい」と志望する若い方々が増える可能性だってあります。
私はこのチャンピオンベルトが安っぽいものではなく、「本物」であることが重要だと考えています。なぜなら、チャンピオンベルトは少なくとも半年間は保持されることになるため、書店に飾っていただくことで、その書店の名誉となるからです。チャンピオンベルトが価値あるものとして、書店のステータス向上につながればと考えています。
チャンピオンベルトはレプリカではなく、プロボクシング世界団体から公認された本物の技術を持つ熟練の職人に制作を依頼し、ベルト中央部の裏側には、アメリカの書店人、ロバート・D・ヘイルの言葉を刻みました。
ロバート・D・ヘイル
24年11月01日 クラウドファンディング開始
24年11月01日 初代チャンピオン決定戦 エントリー開始
24年11月01日 PRイベント開催
24年12月22日 初代チャンピオン決定戦 エントリー〆切
25年01月中旬 ベスト10発表
25年03月03日 初代チャンピオン発表および贈呈式
25年03月下旬 リターン発送年に2回
以後、年に2回チャンピオンベルトの防衛戦を実施します。
・お礼のメールコース(1,000円)
BFC実行委員長の北田よりお礼のメールをお送りします。
※お好きな金額で上乗せ支援が可能です。
数量:無制限
・一次選考参加コース(3,000円)
BFCにエントリーされたフェアの中から、ベスト10にふさわしいフェアを選び、貴重な一票を投票いただけます。
数量:無制限
・ZINEコース A(8,000円)
初代チャンピオン決定戦にエントリーされた各書店のフェアを収録したスペシャルZINE(非売品)を郵送にてお送りします。また、一次選考にも参加いただけます。
数量:無制限
・ZINEコース B(10,000円)
初代チャンピオン決定戦にエントリーされた各書店のフェアを収録したスペシャルZINE(非売品)を郵送にてお送りします。ZINEの最終ページにニックネームor企業様名を掲載(15文字以内)。また、一次選考にも参加いただけます。
※ご支援時には、必ず備考欄にご希望のお名前・ニックネーム・企業名等をご記入ください。
数量:無制限
・贈呈式招待コース(30,000円)
2025年3月上旬に東京都内で開催される「BFC初代チャンピオン発表および贈呈式」にご招待します。当日は、チャンピオンベルト贈呈、初代チャンピオン挨拶、受賞記念トークイベントなどを予定しています。また、一次選考にも参加いただけます。さらに、初代チャンピオン決定戦にエントリーされた各書店のフェアを収録したスペシャルZINE(非売品)を郵送にてお送りします。
数量:30
・公式HPへの企業ロゴ掲載コース(80,000円)
BFC公式ホームページに企業ロゴを掲載いただけます。
1200px×1000px(6:5)サイズの企業ロゴ(jpg
(掲載には審査があります、予めご了承下さい)
数量:10
ご支援いただいた支援金は、スペシャルZINE(非売品)の製作費、イベントの運営費など、継続開催のための資金として大切に使わせていただきます。
<募集方式について>
本プロジェクトは<All-or-Nothing方式>で実施します。
僭越ながら、今回このようなプロジェクトを立ち上げさせていただきました。
11月1日(金)より、初代チャンピオン決定戦へのエントリーを開始しております。
◎公式HP: https://book-fair-championship.com/
◎公式X: https://x.com/BookFairCP
全国の書店員の皆様が企画・実施されたフェアを、ぜひ本チャンピオンシップにエントリーいただけると嬉しいです。ご賛同いただける書店員の皆様、ぜひ一緒に書店業界を盛り上げていきましょう!
競う日、本が常になく輝くだろう。
そしてそれが人の目を奪う。
本を見直す、いい機会ではないか。
思わぬ効果も、出てくるかもしれない。
根底にある、本に対する愛情。
それがすべてで、私は愛おしいと感じる。
北方謙三
書店の棚にどんな本がどんな順に並んでいたか、それで誰かの人生や生活がたしかに変わることがあります。
本はいつでも読者にとって未知のもので、だから町の書店は、その町で暮らすひとの可能性そのものです。
本をよく読むひとも、読まないひとも、私たちの人生や生活は目に見えないところで、ひそかに、たしかに、書店の棚をつくる書店員の手とつながっている。
その知られざる職能に注目を! そして資金援助を!
滝口悠生
書店員さんに育てられ、書店員さんに助けてもらい、書店員さんに応援していただいて、今の自分がいると言っても過言ではない三宅です。作家の賞はたくさんあれど、書店員の賞はあんまりないと聞いて「たしかに」と思い、(おこがましいことですが)審査員参加を決めました。
チャンピオンを決める戦いとのことですが、なによりも全国の書店員さんが、うれしく楽しく参加できるような企画になることを願ってます!!
三宅香帆
たとえ平積みひとつでも「誰かに届け!」と念じて売り場に出した本が狙い通り売れると、嬉しいものですよね。フェアならなおさら。選書した棚の中から3冊なんて買ってくれようものなら、飛び上がるほど喜んじゃいます。
そんな思いのこもったフェア棚をぜひシェアしてください。小さくても、大して売れなかったとしても、いいんです。たとえ自店の片隅で小さく始めて終わったフェアでも、そのアイディアのきらめきは、このBFCを通して全国の書店員(だけじゃなく本に関わる幅広い人々)をこれからワクワクさせるはずです。ぜひ見せてください。
久禮亮太