「あらゆる旅はその速さに比例してつまらなくなる」

イギリスの美術評論家ジョン・ラスキンの言葉の通りなら、徒歩の旅は最も楽しい旅と言えます。

東京から柏、市原を経由して鹿島への移動は、電車や自動車を使えば一日で完結します。一方で、僕が行った歩く旅では10日間もかかりました。

10日間もあれば、ブラジルまで4往復できます。つまり地球を4周することができるわけです。そんな時間をかけて歩いたのが東京から千葉経由で茨城です。

効率化された現代においては非常識な旅の仕方といえますが、電車や自動車が一般化する大正、昭和初期くらいまでは、歩いて旅をするのが当たり前だし、唯一の方法でもありました。馬にも乗れたとは思いますが、一般人は歩くしかなかったはずです。

歩くことによって、繊細に移ろいゆく、土地の空気が感じられます。小さな橋を渡ったり、大きな幹線道路を渡ったりすると、まったく別の世界に移行したことが感じられます。

現代では人間の本能が弱っていると言われています。本来、人間という生物は、土地のもつ空気を鋭敏に感じ取り、危険なのか安全なのかを判断していたはずです。

10kgの荷物を背負って10km、20kmと歩いていると本能が呼び覚まされるのが、本当に色々なことに気づくようになります。

今は、その1つ1つを丁寧に綴る作業をしています。

最初の見所は柏レイソルの本拠地、日立台にある三協フロンテア柏スタジアムです。初日から30km以上の移動を伴う過酷な移動でしたが、何とか試合時間に間に合い、生ビールとレイソルカレーを……。

そして試合は……。

柏レイソルは不調で苦しんでいたのですが、同じく苦しんでいた鹿島アントラーズ相手にまさかの勝利を飾りました。

世間にはまったく注目されないＪリーグの試合です。ただの1試合なのですが、そこには一冊の本を費やしても語りきれないほどのドラマがあります。

柏レイソルにＪ２優勝をもたらした名将ネルシーニョ。翌年には何と昇格してすぐにＪ１優勝を決めました。翌年には天皇杯を制し、その翌年にはナビスコカップ（現ルヴァンカップ）を制しました。

Ｊ１の年間優勝を勝ち取ったのはたったの10クラブです。10のクラブが栄誉を独占していると言っていいです。そのうち3冠すべてをもっているのは、9クラブです。

そのうちＪ2優勝を経験しているのは4クラブ（川崎、磐田、ガンバ大阪、柏レイソル）、世界三大カップ戦の一角であるちばぎんカップのタイトルまでもっているのは、柏レイソルだけです。

その栄光を勝ち取ってきた老将ネルシーニョの落日。信じたいけど、もう信じられなくなってきているサポーターは、葛藤しながらも日立台に集います。柏から世界へと羽ばたくクラブを支えるために。

対戦する鹿島アントラーズは、言うまでもなくＪリーグの栄誉をもっとも多く集める絶対王者。しかし王者も近年は苦しんでいます。4月9日の試合では、攻撃が噛み合わず、1−0で敗退となります。獅子奮迅の活躍をしながらも得点をもたらせなかったエース鈴木優磨選手の悔しそうな表情が印象的です。

苦しみの続く鹿島アントラーズは、クラブのレジェンドでもある岩政監督との対話を望み……、そして……！！。

柏から歩いて鹿嶋市にあるカシマサッカースタジアムに到着するまでに、王者鹿島アントラーズはかつての勢いを取り戻すでしょうか。

それはまた別の物語、本の後半でご紹介します。

Ｊリーグには主人公がいません。逆にいうと全クラブが主人公です。こういう状況が訪れたのは、そうならないように話題を分散させ、富も分散させてきたＪリーグの成果であるといえます。

その結果、我々ファン・サポーターは毎年毎年とても楽しいです。どこが勝つかわからないし、どこが勝てないかもわからない、競争的なパルプンテリーグです。

だからこそ、外から見ていても評価がしづらく、盛り上がっていないように見えます。知らないクラブが多いし、知らない選手ばかりで何なんだということになります。

この傾向は今後も続いてしまうことでしょう。我々にとってＪリーグが面白いということは、主人公が定まらず、全員が主人公として楽しめるからだといえます。

この魅力をどう伝えていくか。
色々な方法があると思います。Ｊリーグや各クラブも、認知を広げるために一生懸命活動しています。

そんな中、ぼくに出来るのは文章にすることだけです。Ｊリーグのホームタウンを徒歩で回って繋いでいきます。

その旅の過程を含めて本にしていきます。

Youtubeなどの動画が非常に流行っている昨今ですが、Youtubeと書籍には大きな違いがあります。書籍の出版は明瞭に文化活動であることです。

それによって何が得られるかというと、新聞の書評欄に掲載されたり、書店に並んだりすることで、Youtubeとはまた違った経路で認知されていくことになります。

Youtubeは自分の好きなジャンルの動画ばかりが表示され、興味のないものはあまり出てきません。一方で書店や新聞などは、知らない分野に興味をもつ切っ掛けになります。

そこで、「歩いて日本を一周」というインパクトがある企画を打ち出すことで、Ｊリーグの本でありながらも読んでみようという気持ちになってもらえれば……　というのが企画の趣旨です。

歩くのも、書くのも、作るのも大変ですが、既に31名の方にご理解とご協力をいただいており、非常に心強く思っています。

今の時代、本を売るのは簡単ではありません。出せば売れるの真逆で、どれだけいい本でも出しただけでは売れません。だから、必死で本を売るために努力をします。あがきます。

偶然のゴールなんてものはありません。すべてのゴールは、チーム全体が一生懸命に走り続けたから生まれます。正直、勝ち筋の大きな戦いではありません。しかし、キックオフの笛は吹かれました。

試合がはじまったからには走る以外の選択肢は存在しないのです。


【コメントありがとうございます！】

ｙさん
「歩いて日本一周！ロマンしかないです！ お身体に気をつけて頑張ってください！応援してます。」

ありがとうございます！まだ始めたばかりですが、いずれ大きなうねりになっていくよう、必死に継続していきたいと思います。無事達成したときには「俺が育てた！」と言って下さい！！

ｎさん
「カシマスタジアムでお会いできてとても嬉しかったです！微力ながら素晴らしい活動のご支援をさせていただければと思います。」

クラブを支えるため、何より自分が楽しむために、一生懸命に動きながら、それを発信し続けるnahoさんは表現者だと思います！！ｎさんの活動にみんな励まされています。ぼくもこの活動をやり通す勇気を頂きました。頑張ります！頑張りましょう！

ｍさん
「がんばるんば！」

やるっきゃないですね！ありがとうございます！
 

hoshiさん
「頑張って👍」

ありがとうございます！記事プランなので、渾身の記事を書かないとですね！！次以降にも買って頂けるようにスペシャルVIP対応の記事を書きます！（笑
 

ｔさん
「がんばって歩き続けてくださいね」

ありがとうございます！歩いて歩いて歩きます！！

yoshipy51さん
「期待して待ってます♪」

ありがとうございます。ご期待を超えられるよう、日々ネタを紡いでおります！

ｈさん
「頑張ってください」

ありがとうございます！頑張ります！

ｗさん
「ダイエットお互いに頑張りましょう！」

ふふふ……。
歩き始めた4月9日には86.5kg。こちらを書いている2ヶ月後には、83.0kgです！まぁ歩いているときだけじゃなくて日常が大事ってのもあります！
 

ｄさん
「日本全国の色んなクラブの良いところ、その土地の魅力をもっと知りたい！ 書籍の完成を楽しみにしております！」

ありがとうございます！今のサッカーメディアには足りていない発想なのかなと思いますし、これがサッカーの発展に一番寄与できる方法なのかなと感じています。流石に時間がかかりますが、やり通します！

かっちゃさん
「興味と応援との意味で。笑」

ありがとうございます！静岡横断から見てくれていますもんね！いい本作ります！

ｆさん
「理一です！頑張ってください！海外サッカーしかわからない僕がJリーグ好きになれるのを楽しみにしてます！」

りいち！ありがとう！
海外サッカーと国内サッカーは一緒だってことに、プレミア以外に目をやると気づく……。と思ったんだけど、ちゃんとストックポートを見つけてきて、流石だなと思ったよ！

ｆさん
「ささやかながら！！ 強い気持ちで！ 応援してます！」

ありがとうございます。
ロードオブザリングくらいの壮大な企画だと思っていますが、意志の力だけは失わないようにしたいと思います！

ykokuboさん
「お久しぶりです。大分お越しの際はぜひご飯でも。レゾナックドームへの急坂を楽しんで頂けると幸いです。」

こっくん！ありがとうございます！
大分のスタジアムはバスでならいったことがありますが、それでも結構な距離あったので徒歩はしんどそうですね。でも大分はおいしいものたくさんなので楽しそうです！何年先になるかわかりませんが、そのときは飲みましょう！

ｐさん
「信州ダービーのときにたまたまYouTubeでお見かけして以来、いつも楽しく拝見させて頂きます。 Twitterでも時より絡んで頂いてありがとう御座います。神戸と長野のサポをしている者です。 楽しみにしております」

ありがとうございます！！
神戸と長野の両掛けは、今シーズンは一番楽しめるかもしれませんね。W優勝の可能性もありますからね。これからもよろしくお願いします！

kobatonkainushi
「壮大な旅のスタートを後押ししたいと思います。いってらっしゃーい！」

ありがとうございます！鳩のように飛び回りますよ！

ｎさん
「自分は競技そのものもだけど、Jリーグで楽しんでる町やサポが好きなので期待してます。私の町まで旅が続くといいなあ」

ご住所拝見しました。
長い旅ですが、必ずそこまで辿り着きます！！
ただ、中国地方のルートがですね。岡山→鳥取→島根→広島→山口になりそうなので、かなりハードなことになりそうです（笑

ｋさん
「書くダイエット、これから暑くなるので、水分摂って歩いてください。」

ありがとうございます！新ジャンルですね！
ただまぁ書いてないで歩き続けるほうが痩せる気はします（笑　ただ、体重を公表しているので、そういう意味では普段の生活にも気合いが入りますね。
暑い中あるくときは危険性もあるので、暑熱対策、水分補給しっかりします！

sol123vvさん
「何も無い所に夢がある！」

素敵な言葉ですね。
「この町には何もない」というのは嘘だと思っています。もっとも地元の人がそういうのは無理もないんですけどね。色んなものを発見して綴っていこうと思います！
 

ｍさん
「楽しみにしています！」

ありがとうございます！
早くお届けできるように頑張ります！
 

ｋさん
「デジタル全盛の時代に体をはった企画に感動しました！ 応援しております！！」

ありがとうございます。

こういう時代だからこそ身体をはらないといかんなと思った次第です。こたつ記事ばっかりですからね。がんばります！

ｔさん
「凄く良い企画で楽しみにしております。 微力ながら応援させていただきます。」

ありがとうございます！この企画には絶対の自信があります！ただ、やるのはとっても大変です。応援していただけることで大変励まされます！

eさん
「楽しみにしています！」

ありがとうございます！早くお届けしたいです！

ｋさん
「僅かですが、応援してますよ～」

ありがとうございます！ｋさんの応援がとても力になります。
人生は有限ですが、サッカーのためにできることを少しずつやっていこうと思います！