・生産の様子(紙パーツ製作工程)
こちらは8月~9月で実施していたパーツ生産の様子です。
厚紙加工の経験が豊富にある東京・墨田区の東北紙業社さんにお願いして加工して頂いています。
ここまで厚い紙を抜くケースは世間的には少なく、そもそも加工ができる会社さんが非常に限られるのですが、東北紙業社さんはそれができるとても貴重な会社さんでした。
現場の方と入念に打ち合わせと立会を行い、できるかぎり良い加工面が出るよう調整を行って頂きました。
加工の様子をずっと見ていたのですが、僅かな調整のずれが加工に影響を及ぼすまさに職人さんの領域でした。
型(緑の部分)と型を押し付ける機械です。これで厚紙を抜いていきます。
実際に抜いた厚紙
製品仕様について
・スペック面
仕様が確定しました。下記がお届けする製品の仕様表になります。
また、仕様表にはないのですが内蔵アンプの出力は最大10W+10Wに変更になります(当初は3W+3Wの予定でした)。
これは内蔵アンプの対応電圧に元々なかった15Vを追加したことにより、付随的に実現されたものです。 高い電圧で使った方がアンプの全体的な性能(特に歪率)が向上するため、基板のUSB電源回路部の改修・強化を行った上で15Vでの動作モードを追加しました。
能率の良い(少ない電力で大きな音が出る)スピーカーユニットを使っているため、出力としては家庭用としては3W+3Wだとしても問題ないと考えておりますが、このスペックアップにより、さらに余裕を持ってお使い頂けるのではと思います。
・外観面
プロジェクトページを作る際には、紙製品でスピーカーを作ることを確認ができただけで、外観に関する検討が正直なところ足りていない状況でした。
そこから本設計に進み、表にあるような変更を行いました。特に大きいのは化粧紙をインクジェット印刷紙からファインペーパーに変更したことです。試作品ではインクジェットで外観の色を出していましたが、貼り合わせの平坦性が出ず、なおかつ手触りも普通紙に近く、質感にまだ難がある状態でした。
そこで様々な検討を行った上で、ファインペーパーを用いるように設計の変更を行いました。ファインペーパーとは独特な模様や手触りを追求し、紙が持つ魅力を最大限に活かすように意図された紙です。装丁が凝った本などでみる凝った紙がそれです。
Koala A-1では「OKサンドカラー アクアグレー」という紙を採用しました。砂を散りばめたような模様のやや青みがかったグレーの紙です。手触りもややざらついた感じで、質素で素朴なイメージがKoala A-1と合うということが理由です。 この変更により、化粧紙として張り合わせることも行いやすく平坦がでるようになったこともあり、質感を向上させることができました。
縁部の処理もこの化粧紙の変更に合わせ、ファインペーパーの持つ良さを活かすデザインに変更しています。
・生産工程について
プロジェクトページで試作品製造でご協力頂いていたマルタ工業様ではなく、お届けのロットについてはパーツ加工を東北紙業社、基板製造・最終アッセンブリをコニー電子が担当することとさせて頂きました。
これは生産ロット数、設備、輸送の便その他を考慮しこのようにすることとさせて頂いております。
万全を期して生産致しますので何卒よろしくお願い致します。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
引き続き当プロジェクトをどうぞお願いたします。
米田オーディオ 米田