4月25日から5月8日までの2週間、ドキュメンタリー映画『一献の系譜』の金沢劇場上映を致しました。奥能登でのお披露目上映とは異なる、事実上の一般公開、「興業」と呼ばれる、非常にシビアな世界の上映なので、始まる前までは、どうなることか…と思っておりましたが、結果は、大大大盛況の内に終えることができました!
補助席対応の超満席となる日もたびたびでした。リピーターの方もたくさんいらして下さいました。劇場支配人も驚きを隠せない御様子でした。
一年の内200日以上石川県に滞在しながらも、能登がベースだったので実は右も左も知らない「金沢」。しかし、能登上映の様子を察して下さった有志ある方々が文化発信力のあるキーマンと出会わせて下さり、短期間にも関わらず口コミパワーで広めていただくことができました。
更に、特別協力にもなっていただいている北國新聞社様初めとする、他、MRO様、北陸朝日放送様、読売新聞社様、毎日新聞社様、朝日新聞社様、ラジオななお様など各マスメディア関係者様の応援下さるご厚意により、作品認知が一気に高まりました。
宣伝費が潤沢にかけられない弱小製作部ではありますが、与えられた環境を如何に生き抜くか、というまさに、本作の大きなテーマを石川県の方々やその気持ちに共鳴いただいた方々により、乗り越えることができたと思います。心の一番深いところから深謝申し上げます。ありがとうございました。
私が映画『一献の系譜』を作ったのは、日本酒の地位向上、強いては、日本文化の継承につながるきっかけを作りたかったからです。
モノづくりの現場は、日本全体として日々変わりつつあり、何が正しいかは、恐らくかなり時間が経ってからでないと誰も判らないのだと思います。しかし、明らかに変わっていくこのタイミングで時代を生きた職人さんたちの技、姿勢、生の声を聴き、立ち会えたこと、更に映像に遺せたこと、これは本当に貴重なことだと思います。
それを受け選んでいくのは、映画の中に映される後輩の杜氏さん方だけでなく、映画をご覧になった方、お一人お一人なのかなと考えています。
どうかこの先も日本の豊かな自然とそれに伴うモノづくりの技術と心が育まれていきますように。
石川県上映大成功の熱が日本全体へ浸透していけますように。
ありがとうございました。
石井かほり 拝