アーティストの鮫島慧と申します。
わたしは武蔵野美術大学で建築を学び、作品制作を行なっております。
作品制作においてわたしが大事にしていることは、
「自分の心中に関わりのある工作物や所有している既製品の配置によって、
その場所を占有し空間の攻略を試みる」ことです。
今回、人生初のクラウドファンディングにチャレンジをして、
11月3日から、夜の無人島・猿島を舞台にして開催される
アートイベント「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」に作品出展して、
アートの面白さを多くの方に体験していただきたく思っております!
私の作品は自分自身の心中にフォーカスを当てたものであるため、
展覧会で発表することは、個人的にはデリケイトな問題です。
それゆえ、大学卒業後は、あまり周囲に知られないように制作・発表することを心がけていました。
大学卒業後に参加した展覧会は、友人や家族にはほとんど知らせず、SNSでの宣伝もしませんでした...。
地方での展覧会参加が多いのも、知っている人に見られることをなるべく避けたいからです。
「見られたくないのに発表する」という行為が矛盾しているのは分かっているのですが、
作品の制作と発表を通じて「自分」というものを認識したい、
だからやるんだ!と思うことにして、自分自身を誤魔化しています。
このあたりは少々曖昧です。
しかし、「自分」のことをゆっくりと考えていられるこの平和な国にいるにも関わらず、
溢れかえる情報の中で、かえって「自分」というものが見えづらくなっている現実世界にいて、
このような制作テーマは重要だと信じています。
そんな中、年に1、2度、何かしらのアートイベントでインスタレーションを制作させてもらっていたのですが、
先月突然、猿島という無人島で行われるアートイベントで作品展示の話があがりました。
▲イベントの会場となる「猿島」
▲「猿島」の視察時の一枚
きっかけは昨年春に参加した展覧会です。
その展示を見てくれた実業家でアートコレクターの方から、
当時の運営スタッフを通して私に連絡がありました。
その展覧会に出展した作品は例の如く、あくまで私個人の自己満足に近い、
内面的なものだったので他人から見ればどうでもいいようなものだと思っていたのですが、
「感動した」と言って下さり、嬉しかったです。
▲声をかけてくれた遠山正道氏との打ち合わせの様子
私が敬愛する作家が以前、インタビュー記事で「僕は無人島にたった一人でいたとしたら、
芸術家にはなってはいないと思う。
しかし、もしもそこに一人の美女でも流れ着いたとしたら、きっとその時から何かを表現し始めるでしょう。」
と答えていました。
この芸術祭は無人島での展覧会ということで、この話を聞いたときに最初に浮かんだのがこの言葉でした。
私は自分のことを芸術家だと思ったことは一度もありませんが、
この展覧会で制作する作品が、猿島という特異な場所の力を借りて、
お客さんにとっての何かのきっかけになればいいなと思っています。
自分の人生と交差するなんて有り得ない思っていた人物からの突然の申し出には歓喜したものの、制作費がありません。
最初に書いたとおり、私は自分や自分の作品が目立つことは、恥ずかしいのであまり好きではないのですが、
この度の作品制作のためクラウドファンディングをさせて頂きます。
ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
▲「猿島」を視察中の様子
今までわたしが制作してきた作品を一部、ご紹介します。
主にインスタレーション作品を発表してきました。
▲制作年:2017年
素 材:フェンス、土、廃棄された公園遊具
サイズ:400×600×225(cm)
▲制作年:2018年
素 材:フェンス、廃棄された公園遊具
サイズ:400×400×225(cm)
▲制作年:2017年
素 材:ミクストメディア
サイズ:サイズ可変
▲制作年:2016年
素 材:鶏、垂木、ワイヤーネット
サイズ:150×150×150(cm)
冒頭でお伝えしましたが、
猿島での新作も多くの方に体験して頂けたら嬉しいです!
▼ライゾマティクス アーキテクチャー
齋藤 精一さん推薦文
今回のイベント Sense Islandは東京近郊の無人島ならではのアートイベントになると思います。
鮫島さんの異空間を作り出す作品を是非お呼びしたいので、皆さんのご支援お待ちしております。
今回の「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は発表された作品を触媒に、私たち一人一人が現代社会を生きる中でおそらく忘れかけているであろう感覚を取り戻そうとするアートプロジェクトです。その全体のコンセプトに共感いただいた鮫島さんが「溢れかえる情報の中で、かえって『自分』というものが見えづらくなっている現実世界」から物理的にも精神的にも少し離れた夜の猿島という独特な空間でどのような作品を発表するのかとても楽しみにしています。
個人的には普段、街中で目にしたとしても素通りしてしまうようなものがこの猿島に現れると途端に違和感を覚えるような作品を期待しています。きっとそこで感じる違和感こそ、言葉や情報が溢れる現代社会で私は何をみているのだろうかと自分自身に問いを投げかける機会になると思っています。みんなで作品の実現を応援して、猿島まで見に行きましょう!
▼株式会社スマイルズ 代表取締役社長
遠山 正道さん推薦文
昨年の熱海アートウィークで、
もう取り壊されようとしているビルの4階まで階段を上がり、
部屋に入るやいなや不意にこの作品と出会った。
大きな開口の窓からの西日を映した
この屋外看板のような作品は部屋の中に打ち捨てられているようであり、
しかしスケールが明らかに異常であった。
廃墟に打ち捨てられたような不意に出会った異常なサイズの屋外看板はしかし、
細やかに呟いていた。
そしてそれは、明らかに私に向けられた呟きであり同時に私自身の呟きとなった。
突然の出来事に、うっすら目に涙が滲んだような気がした。
無人島の猿島を歩いていて、この作品を思い出した。
この廃墟で、またこの作品に不意に出会いたくなった。
皆さんのご支援によって、実現しますように。
猿島が夜間開放されるのは、今回が初めてです。
主に光を使った作品が並ぶ猿島は「暗闇の美術島」に変化し、
鑑賞者は作品を通して島の気配を体感することができる他では決して味わえないアートイベントです。
会期:2019年11月3日~12月1日
会場:猿島公園
住所:神奈川県横須賀市猿島1
開館時間:17:00〜21:00(日没以降)
人は昔から自然と共生してきた。
そこから文明は生まれ、文化となり発展し続けています。
しかし、ときに人は人自身の進化の速度が遅いがゆえに、
自分たちの環境を強制的に変化させ、その行為によって、ときに自然を滅ぼし、 沢山の過 ちを引き起こしてしまいました。
今の時代は「人間中心」を再定義する時だとも言われています。
Sense Island - 感覚の島- では、唯一無二の存在である自然島”猿島”だからこそ、
知らずのうちに人工的に作ってしまった感覚を取り払い、
テクノロ ジーや時間を取り払い、
猿島やそこに有る自然の文脈を、
そしてその文脈を感じるために自分自身と向き合うような作品や体験を置くことで、
我々が 失ってしまった”感覚”をもう一度取り戻す試みを行います。
https://www.tryangle-web.com/sarushima/
Kei Sameshima
【略歴】
1993年生まれ
2017年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業
2017年-現在 同大学 建築学科研究室スタッフ
https://sameshimakei.tumblr.com/
・鮫島さんからのお礼メッセージ
A)作品にお名前掲載 + 猿島での暗闇チケットでの参加チケット 12名限定
*チケットに日程と時間帯は支援者の方がお選びいただけます
B)作品にお名前掲載 +東京でのアフタートークイベント 50名限定
* トークイベントのゲストは、遠山正道さん×鮫島慧さんを予定しております
お名前掲載 +猿島でのメディア発表会(11月2日) 特別参加権 6名限定
* メディア発表会当日は、鮫島慧さんも出席します
* 猿島への船代も含まれております
*メディア発表会の特別チケットのため、通常のPeatixでは販売しておりません
*いち早くイベントを体験できるのでお得なチケットです
・11月29日金曜日(限定)遠山さん鮫島さんと一緒に島をまわってアートを楽しむ 3名限定
*作品の解説付きなのでより作品を楽しみながら猿島を巡ることができます