占星術、錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。工作舎では、その知のコスモスを伝える『ルネサンス・バロックのブックガイド』を出版します。50名をこえる執筆者によって、116エントリー、総数150冊あまりの書籍が紹介されます。
※ 支援募集の締め切りは2019年月2月15日(金) 23:59です。
※ お陰様で開始当日に第一目標を達成し、その後第二目標の80万円も達成しましたので、第三目標の150万円を目指して、引き続き支援を募集しています。
※ 目標が達成されなくても、本書は来年2019年2月頃に刊行します。
※ お支払い方法は、【クレジットカード】【コンビニ後払い】【銀行振込み】が可能です。(第一目標を達成したため【銀行振込み】も可能になりました。)
※ 日本で発行されたクレジットカードでしたら海外からでもご支援可能ですが、リターンの送付先が海外の場合は郵送料が国内よりも多く掛かるため別途お問い合わせ下さい。
※ ご支援方法が分からない場合は、こちらをご参照ください
ルネサンスときいて思い浮かべるのは、レオナルド・ダ・ヴィンチやボッティチェリの美しい芸術作品でしょうか。メディチ家の栄華でしょうか。暗黒の中世を終わらせ、近代へ導いたというイメージをもつ人もいるでしょう。
しかしここであつかうのは、人間を賛美する華やかなルネサンスばかりではありません。
ルネサンス時代は魔術と科学が混然とし、占星術も自然魔術も一級の学問でした。そこから近代科学・哲学へと分化していくのです。たとえば、『魔術的ルネサンス』(イエイツ、晶文社、1984年)や『ニュートンの錬金術』(ドブズ、平凡社、1995年)など、ルネサンス・バロックの魔術的な側面を描き出し、その後の歴史学に大きな影響を与えました。
日本では、とくに1980年代から90年代に数多の邦訳が刊行され、「ヨーロッパ精神史」と呼ばれて書店の一角を占めました。なかでも編集者・二宮隆洋さん(1951-2012)が手がけた書物群が中心となって、多くの読書人を魅了しました。二宮ワールドの一冊に出会ったことで研究者になろうと考えた大学人も少なくないそうです。
やがて「ヨーロッパ精神史」の基本図書は品切れとなり、人文書の片隅に追いやられていきました。そんなときに存在感を示したのが、bibliotheca hermetica(ビブリオテカ・ヘルメティカ 略称BH:ヘルメスの図書館)です。
http://www.geocities.co.jp/bhermes001/bh.html
今回刊行する『ルネサンス・バロックのブックガイド』の監修者であるヒロ・ヒライさんが主宰する学術ウェブサイトで、二宮さんや工作舎の本に影響されてルネサンス思想史に進んだというヒライさんが、1999年当時ベルギーに住みながら、日本の若手研究者をつなぐネットワークを築き、研究会を行っていました。
かつての「ヨーロッパ精神史」を継承しつつ「インテレクチュアル・ヒストリー」を掲げるBHの活動は、『ミクロコスモス』(月曜社、2010年)、『知のミクロコスモス』(中央公論新社、2014年)という二宮さんの志を継ぐ論集に結実。そして2013年からは勁草書房で「bibliotheca hermetica叢書」を刊行しつづけています。
2016年2月 渋谷HMV&BOOKS TOKYOにて『ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎』(勁草書房)刊行記念イベント
2015年8月下北沢 本屋B&Bにて『テクストの擁護者たち』(勁草書房)刊行記念イベント
2018年9月下北沢 本屋B&Bにて『錬金術の秘密』(勁草書房)刊行記念イベント
『ルネサンス・バロックのブックガイド』ではヒロ・ヒライさんの監修のもと、占星術家の鏡リュウジさんや学習院大学教授の根占献一さんなど名のとおった研究者から、気鋭の研究者、大学院生、勉強家、自称主婦まで、50名をこえる執筆者によって、116エントリー、総数150冊あまりの書籍が紹介されます。占星術、錬金術、魔術が興隆した15〜16世紀のルネサンス時代、つづいて近代科学が胎動した17世紀をバロック時代として、この時代を象徴するような名著から最新の研究成果までを網羅するブックガイドをめざしました。
テーマごとに、下記の4部にわかれ、
第1部 交錯する知の伝統と芸術
第2部 隠された叡智
第3部 爛熟する自然の鏡
第4部 テクスト・言語・信仰のひろがり
「第1部 交錯する知の伝統と芸術」でイコノロジー、イエイツ、記憶術など視覚芸術の本を中心に取りあげ、「第2部 隠された叡智」は占星術、錬金術、魔術など、「第3部 爛熟する自然の鏡」は博物学や科学革命など自然をどう把握したか、「第4部 テクスト・言語・信仰のひろがり」では印刷や普遍言語などの本を収録しました。全体の目次は工作舎HPでご覧ください。
とりわけ第4部には「キリシタンと日本」が入り、意外に思う人も多いでしょう。しかしルネサンス・バロックの時代は、大航海の時代。戦国時代にあった日本にイエズス会のフランシスコ・ザビエルが到着した1549年から約100年にわたる「キリシタンの世紀」に、日本は西洋文化を吸収します。逆に海を渡った天正遣欧少年使節団はヨーロッパで歓待を受けました。日本もルネサンス・バロックにリンクしていたのです。
紹介する本は刊行から30〜40年経った本も多く、文庫化されていれば幸いですが、品切れのまま入手困難な良書も少なくありません。品切れ本もあえて収録することについて、ヒライさんはこう語ります。
「街角からつぎつぎに書店が消えている現在では、多くの人々に読まれた不朽の名著でさえ、それを読んだことがある、あるいは知っている人々が何かを語らないかぎり、忘れ去られた状態となってしまいます。インターネットを中心に、非常に多くの情報が溢れかえっている現代社会における盲点とさえなっているのです」。
このクラウドファンディングの真の目的は、本書を多くの人に知ってもらうことにあります。
本書を刊行する意義はヒライさんの言葉をかりれば、「忘れ去られている良書群と、いま書店にある本たちを結ぶもの、未知のジャングルを抜ける道筋を見つけるコンパスとなること」です。
品切であっても、古書店をめぐったり、ネット書店で入手することもできます。出版社に復刊の要望を出して、出版社も応じて復刊となれば、このジャンルの活性化につながります。その動きを自らつくろうと考えました。工作舎刊行のイエイツ著『薔薇十字の覚醒』(1986年刊行)は長らく品切でしたが、本書の企画と連動させるために新装復刊することにしました。
そしてもうひとつ、原稿が集まり、本としてまとまるにつれ、新しい発見がありました。イコノロジーは美術、錬金術は神秘思想、科学革命は理工、キリシタンは日本史と細分化された書店の棚・図書館の配架からは隠れていた、全体としての「ルネサンス・バロック像」が見えてきたのです。
この豊饒な知のコスモスを、次の世代の読者に伝える道しるべとなるように。
< 第1目標の達成のお礼 > 2018.12.13 UP!
初日で第1目標の30万円を達成いたしました。どうもありがとうございます。
みなさまのご支援とあたたかいコメントのおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。リターンでは『薔薇十字の覚醒』新装復刊セットへのご応募が多く、関心の高さに改めて喜んでいます。この支援金は、『ルネサンス・バロックのブックガイド』を広めるための販促費として使用させていただきます。まだまだ多くの人に本書を広めたい、そして復刊費用にも一部を充当できたらと思い、第2の目標として80万円を設定いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。
・占星術、錬金術、魔術が興隆したルネサンスの魔術的世界観に興味をもつ人
・歴史学の新潮流「インテレクチュアル・ヒストリー」に興味をもつ人
・2018年9月に上野の森美術館で開催された「世界を変えた書物展」に興味をもった人
ヒロ・ヒライ監修
予価 本体2800円+税
A5判ソフトカバー
約280頁
ヒロ・ヒライ
ルネサンス思想史。学術ウェブサイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。フランス・リール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。博士論文にて2001年、国際科学史アカデミー新人賞受賞。その後、欧米各国の重要な研究機関における研究員を歴任。2012年に第9回日本学術振興会賞受賞。
勁草書房「bibliotheca hermetica叢書」では監修者として辣腕をふるい、榎本恵美子著『天才カルダーノの肖像』、菊地原洋平著『パラケルススと魔術的ルネサンス』、アンソニー・グラフトン著『テクストの擁護者たち』、山田俊弘著『ジオコスモスの変容』、自ら訳したプリンチーペ著『錬金術の秘密』を刊行。現在アメリカ在住。
・お礼のカード(工作舎オリジナルデザイン)
・本書1冊
・お礼のカード
・トートバッグは厚手のキャンパス地で2種類、どちらか1種をお選びください。
A ケプラー宇宙模型
B 薔薇十字の見えない学院
・お礼のカード
・本書1冊
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
・お礼のカード
・本書1冊
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
・『薔薇十字の覚醒 新装版』1冊
長らく品切だったフランセス・イエイツ『薔薇十字の覚醒』(工作舎、1986年)を新装復刊します。旧版同様、別丁色刷の図版と附録の仕様も踏襲する予定。それに伴い旧版本体価格3800円より値上げが予想されます。
※こちらの画像は『薔薇十字の覚醒』(工作舎、1986年)の装丁ですが、リターンでお届けするのは新装復刊したものになります
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
2割引となるお得な5冊セット。グループでのまとめ買いなどにどうぞ。一般発売より先にお届けします。
・本書5冊
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・本体1万円までのお好きな工作舎本(複数の組み合わせ可)
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・書店トークイベントと打ち上げにご招待(2019年春、都内で開催予定、1名様分のお席)
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
*印刷スケジュールの関係上、お申し込みは2019年1月15日23:59まで。
・お礼のカード
・A、Bどちらかのトートバッグ2種2点
・本書のシリアル番号入り豪華特装版1冊(お名前専用ページを設け、1名様のお名前を記します)
工作舎デザイナー陣がとっておきの造本を考案中。活動報告で随時お知らせします。
開始当日に第一目標を達成し、こちらが想像もしなかったほどの皆さまからの圧倒的なご支持をえました。リクエストにお応えし、上位リターンとして特別に3万円台のものを4種類ほど加えました。これ以降の変更はありません。
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・『宇宙の調和』(本体10,000円)1冊
・『新天文学』(本体10,000円)1冊
・『宇宙の神秘』(本体4,800円)1冊
ラテン語から原典翻訳した不朽の名著。
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・『ライプニッツ著作集 2期』全3巻 各1冊
バロックの哲人の普遍的精神の全容を精選・翻訳した『ライプニッツ著作集』。2018年6月に完結したばかりの第2期全3巻(本体計25,000円)をセットで。
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・本体3万円までのお好きな工作舎本(複数の組み合わせ可)
・A、Bどちらかのトートバッグ1種1点
*印刷スケジュールの関係上、巻末にお名前を明記できるのは2019年1月15日23:59までにお申込みいただいた方に限ります。
・お礼のカード
・巻末にお名前をクレジット
・本書1冊
・秘密の空間でのヒライさんと少人数の懇親会
・A、Bのトートバッグ2種2点