難民キャンプ内で 支援対象から外れてしまった18歳の少女
ジャニスさんの脳腫瘍手術の費用をサポートしたい!

現地レポート①

JIM-NET のスタッフの方が、治療を再開したハリッド君を訪れました。

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ヨルダンもすっかり春めいた頃、ハリッド君はキングフセイン病院に入院しました。4日間は入院し、その後一日ごとに投薬を繰り返すような化学療法がはじまりました。

ハリット君一家は、家賃が安い首都アンマンから1時間近く離れたところに、10人の子どもたちとおばさんを含めた13人で一つの家を借りて住んでいます。約15000円の家賃を払うために、以前はハリッド君とヨルダン国内にいるお兄さんがスーパーマーケットなどで働いていました。しかし、現在ハリッド君は現在治療中のため、仕事はできません。そして、お兄さんもハリッド君を病院に連れてきたり、泊まり込んでお世話をしなければならない為、仕事も思うようにできないようです。

その日は、ハリッド君のお母さんとおばあちゃんが、病院でハリッド君の面倒を見ていました。ハリッド君のお父さんと20歳のお兄さんは、シリア国内にいるためヨルダンには来ることができません。ヨルダン政府がシリア難民の入国を厳しく制限しているからです。

ハリッド君の髪の毛は、薬の副作用で抜けていました。あまり元気がなかったのですが、サッカーが大好きで、ワールドカップの予選でシリアがウズベキスタンに勝利したことを喜んでいました。

 

「体制派、反体制派とか関係なく、サッカーはシリアを応援する。フィラース・ハティーブという選手は反体制派で、チームを去ったけど戻ってきたんだ。僕はシリアの選手すべてが好きなんだ!」

 

好きな選手を強いてあげれば、「バッセト選手が好きだったけど。」といいます。

バセット選手は、シリアを代表する若手ゴールキーパーでした。シリア代表U17, U20 にも選ばれ、将来を有望視されていたバセット選手は、非暴力のデモに参加。若者たちを引っ張っていましたが、やがて銃をとるように。ドキュメンタリー映画「それでも僕は帰る」にも主役として登場しています。

6月7日は、シリア代表チームが来日し、日本代表と親善試合を行うことになっています。隣にいたお母さんも、「絶対シリアが勝つわ。」と意気込んでいました。

 

2017/06/05 18:53