今、前橋の中心市街地(まちなか)がどんどん変化しているのはご存じでしょうか?
白井屋ホテルをはじめ有名建築家の作品が次々と姿を見せています。
その中でも、通り全体をリ・デザインする大きな取組みがMDCの「馬場川通りアーバンデザイン・プロジェクト(以下、馬場川PJ)」です。
市内を流れる馬場川沿いの200メートルの通りを新しい風景に生まれ変わらせるプロジェクトで、この春、工事が終わりを迎えます。
このプロジェクトにはジャスパー・モリソンをはじめとして国内外の一流デザイナーが参画し腕をふるっています。
こうしてまちなかの空間デザインが進化するのは魅力的なことですが、一方で市民の「等身大」の空間づくりも進めています。
それが、今回のクラウドファンディングの対象となる「紺屋町広場」です。
以前は駐車場だった場所を、まちづくりに協力的な地主さんからお借りして、社会実験イベントを行う広場として活用しています。
▲馬場川通りに面する「紺屋町広場」の場所はこちらです!
馬場川通りの工事の間、平日は工事車両を置くなどしてきましたが、週末になると人工芝を敷き、テントを張るなどしてボードゲーム大会やBBQ、2年続けてストリート・クリスマスパーティーも開催しました。
▲クリスマスパーティの様子。通りすがりの方も集まり、1日を通して70名ほどご参加いただきました!
小さな取り組みの積み重ねで、少しずつ関わってくれる仲間も増えてきました。
そして通りの工事が終わるこのタイミングで、いよいよ本格的に「みんなの広場」づくりに着手することになりました。紺屋町広場では広場づくりに関わる「みんな」の力で実現させたいと考えています!
馬場川通りPJにおいて、全体の景観を描くのが日本を代表するランドスケープ・デザイナーの平賀達也さん。
前橋のレンガを活かして新しい「水と緑と詩のまち」を生み出しています。
▲平賀さんデザインの馬場川通り(完成イメージパース)。
さらに通りの公衆トイレが世界的プロダクト・デザイナーであるジャスパー・モリソンさんによって生まれ変わります。
そして、パートナーとして公衆トイレを建築的にまとめ上げるのが中央通り商店街の「つじ半」をはじめとして多彩な作品で活躍する建築家・高濱史子さん。
▲馬場川プロジェクトを象徴するような公衆トイレ。
さらに通りには、藤本壮介さんや谷尻誠さんといった日本代表する建築家の作品が並んでいます。
こうしたトップ・クリエイター作品のなかで、「みんなの紺屋町広場」では前橋で活動しているクリエイターたちによる「Designed in MAEBASHI」な空間を生み出したいと思っています。
2021年と2022年には馬場川通りを「ホコテン」にしたイベント、「馬場川PARK」を開催。
たくさんのボランティアやまちの方の参加により、馬場川通りの素敵な未来を共有する数日間になりました。
▲馬場川PARKの様子:馬場川通りの商店やまちの方がマルシェを開催しました。
▲馬場川PARKの様子:通りをステージにたくさんの地元アーティストが集結。日常的に音楽を楽しめる空間も欲しい!
改修工事が終わった後のまちびらきイベントとして、4月13日(土)と14日(日)にも「馬場川PARK」の開催を企画しています。
(4月13日にこのクラウドファンディングの「返礼品お渡し会」、新しくなった紺屋町広場のテープカットも実施予定です!)
この「馬場川PARK(2021年、2022年)」で、千代田通り交差点の手前に大きな路上チョークアートが出現したのをご存知でしょうか?
たくさんの子どもたちと一緒にその下地となる絵を描いたのが地元出身のイラストレーターのサイトウアケミさん(前女高卒、前橋在住)です。
サイトウアケミさんの独特のタッチは「見たことがある!」と思い出す方も多いかもしれません。
県内を中心にポスターやショップのイメージ・イラストで広く活躍しています。
▲馬場川PJをイメージした、サイトウアケミさんのイラスト。
▲ホコテンで子どもたちが楽しんだチョークアート。
以前の路上チョークアートではすぐに消さなくてはいけない切なさがありましたが、今度の紺屋町広場ではチョークがかすれるまでみんなの作品を楽しめますし、かすれ見えなくなったらまたみんなで集まって絵を描くイベントを繰り返し開催できます。
まさに、子どもたちが描く「みんなの紺屋町広場」となるわけです。
馬場川通りでは3年ほど前から、様々な手作りストリート・ファニチャーやプランターが活躍しています。
古い木製パレットを再利用し、市民参加のワークショップでみんなで製作してきたものです。
▲手作りの出店ブース(奥)や、「馬」と呼んでいる木製チェア(手前右)。
クリスマス・シーズンにはプランターの上に木製クリスマス・ツリーが組み立てられて通りに並び、プランターで育ったハーブは食イベントではいつも活用されています。
通りに根付いたストリート・ファニチャーやプランターを今回またブラッシュアップして、紺屋町広場のくつろぎ感と魅力を高めたいと考えています。
そのデザインを担うのが、プロダクト・デザイナーの手島彰さん(前高卒、前橋在住)です。
手島さんは、スバルで初代インプレッサのデザインを手がけ、独立してからは専門機械から企業ロゴと幅広く活躍。
この分野ではもっとも権威あるグッドデザイン賞を2回受賞という、日本を代表するプロダクト・デザイナーです。
最近では「ぐんまちゃんナンバー」を総合的にまとめ上げるなど常にその作品が身近にあります。
その手島さんが、これまでの馬場川通りで市民のみなさんでつくりあげてきたストリート・ファニチャーの文化をデザインとして再構成し、
実用的でありながら紺屋町らしいデザインの木製ファニチャー「Street CUBE」シリーズを考案。
収納もできるテーブル「TableBox」や、椅子やプランターなど様々な使い方ができるスツール「MiniBox」が広場に設置されます。
私たちはすでに現在の紺屋町広場で、ボードゲーム大会や規格外の前橋産バラの販売イベントなど、小さな社会実験イベントを繰り返し、定番化した活動を行っています。
▲ボードゲーム大会の様子。北欧発祥のゲーム「モルック」が人気です!
▲バラ販売イベント「Popping Rose Market」の様子。たくさんの方に喜んで頂いています。
月に1、2回イベントを必ず開催することで少しずつ活動の認知度が上がってきていますが、単なるアスファルトの駐車場というこれまでの風景のままでは、広場を知ってくれた人が日常からくつろげたり、楽しめる場所にはなっていません。
このプロジェクトが実現されれば、前橋のまちなかに今までにはなかった自由な広場が誕生します。
広場には日常的に使えるファニチャーとチョークアートに加えて、人目を引くような大きなプランターも設置予定です。
(プランターには、5年〜100年に一度開花し、「幻の花」と言われるアオノリュウゼツランを植える予定です!)
▲紺屋町広場の完成デザイン。アオノリュウゼツランが植栽されたプランターが目を引きます。
大人から子どもまで日常的にくつろいだり遊んだりできる広場としての機能を持ちながら、希望者が店舗を出店するなど、「公共の公園」とは一味違った形で様々な使い方が可能な「みんなの紺屋町広場」になります。
「公共の公園」ではちょっと難しいBBQのような火を使った楽しみ方も可能なんです。
今回のクラウドファンディングでは、広場の整備資金の調達だけでなく、馬場川通りのまちづくりに関わる仲間づくりの想いも込めています。
プロジェクトに同じ想いを持った馬場川通りのお店のみなさんも魅力的なリターンをいくつも用意してくださっています!
他にもこの春から新しくなる馬場川通りのロゴでデザインした、初めてのオリジナルグッズも制作しました。
前橋中心街、そして馬場川通りの新たなチャレンジに多くのご支援をよろしくお願いいたします‼
前橋中央通りアーケードにオフィスを構える私たちMDCは、前橋市のビジョン「めぶく。」に基づく中心市街地のまちづくり指針「前橋市アーバンデザイン」を推進する組織として2019年に発足しました。
民間企業や個人の会費のみで運営しており、市民の力を集めて官民連携の民間サイドのまちづくりの推進を担っています。
大きな事業としては財界寄付による馬場川PJが目立ってしまいますが、まちづくりに関わる人材の発掘や育成、支援のほかモデル事業の推進などさまざまな取り組みがあります。
こうした取り組みが認められて、「先進的まちづくり大賞・国土交通大臣賞(2020)」や「全国エリアマネジメントネットワーク・エリアマネジメントアワード(2023)」、「地域再生大賞・優秀賞(2024)」などを受賞しました。
なんだかカタイ自己紹介になってしまいましたが、「前橋をもっとおもしろいまちにする」MDCにご注目、ご協力ください!
▲MDCメンバー:個性豊かな面々が揃っています!
▲「馬場川通りをよくする会」メンバーら。商店街の関係者や学生など約40人が関わっています。ぜひ皆さんも馬場川通りのまちづくりにご参加ください!