非常にたくさん方からあたたかいご支援をいただくことができました。
誠に御礼申し上げます。
WOWがオープンできた暁には、ぜひ水上のまちへ遊びにいらしてください。
このブックカフェが皆さんにとっての大切な“止まり木”となれるよう
これからもいい汗をかいていきますので、引き続きのご支援どうぞよろしくお願いします。
GENRYU
はじめまして。
群馬県最北のまち、みなかみ町を拠点とするローカルメディアGENRYUです。利根川源流のまちであることにちなみ「起こり」をテーマにWEB上で記事を書いたり、ZINEを編集したり、無人駅での朝市や水上駅前でのマルシェを企画運営したり、地元の特色を活かした製品をプロデュースしたりといった活動をしています。
昨年は、光栄にも上毛新聞社主催「ローカルメディアナイト」に登壇させていただきました。
私たちの住むみなかみは、自然を愛する人にとって申し分なく恵まれたまちです。自然との距離が近く、四季のコントラストが明瞭で、日常的に目にする風景ははっとするほど美しい。屏風のようにまちを囲いながらそびえ立つ谷川岳をはじめとする雄大な山々は、毎日眺めても見飽きることはありません。時折山から吹き下ろす風はさわやかで、夏でもクーラー要らず(個人差あり...特に昨今の暑さは...汗)。暑い日は川に飛び込んだり、足を浸したりして涼むのがみなかみスタイルです。
まさに、自然の恵みを享受しながら、人と自然が共生するまち。
自然の豊かさに日々触れていると物質的な豊かさ(≒物欲)が乏しくなりそうなものですが、このまちで唯一不足しているもの、常々欲しいと思っているものがあります。
メディアに記事を書くために調べごとをしたり、何かの企画やアイデアを考えたりする際のセレンディピティを得られる場として「ほんや」は最適です。
ECサイトにはない場の存在価値が「ほんや」にはあります。これが地元にないことで、暮らしの中で不便さを感じることが多々あるのです。
全国全自治体のおよそ25%にあたる420以上の市町村で本屋や書店と呼ばれるお店がない(昔はあったがなくなった)そうです。みなかみのような観光のまちに限らず、人口減少が進む全国のあらゆるまちからいわゆる「ほんや」はその姿を消しつつあります。
その理由は言わずもがなネット書店の台頭で、わざわざお店へ行かずとも本を買えるようになったばかりか、大手ECサイトでは本を買おうと思う前から、買おうと思うであろう本をお勧めしてくれます。さすがにそこまではお節介だよと感じないこともないですが、便利といえば便利です。ただ、アルゴリズムによって書き出されたレコメンドにはどこか無味乾燥な印象を感じ、個人的にはあまり好きではありません。
いつか読んだある本の中で、ある本好きの方がこう語っていました。
本はどこで買っても同じとよく言われるが、実はどこで買っても同じではない。『○○で買った』という場の価値が本の価値を引き立てることとなり、その本はその場所とともに永く記憶に残る一冊となる。
旅先でふらっと入った「ほんや」で、ふと手に取った本を旅途中の列車の中で読んだら、えらく感動したといった経験が私にもあります。この時の列車の車窓風景や車内のにおい、それと本の内容は学生時代のことであったにも関わらず今でも鮮明に覚えています。
そのような経験、皆さんもありませんか?
脱線しましたが、なにが言いたいかというと、
としての「ほんや」が、みなかみに在ってほしい。
旅先でふらっと立ち寄って、旅の記憶の一部となるような「ほんや」。
「ほんや」をみなかみにつくりたいと考えた時、その立地を水上駅前に限定して物件を探し始めました。谷川岳や水上温泉・谷川温泉を近くに有し、国内でも有数の観光のまちの玄関駅であるにも関わらず、駅前の商店街はシャッターが降りているお店が多く、一部は廃墟化し、かつて栄華を極めた水上温泉の面影はもはやわずかしか残っていません。(駅近くの廃墟・廃屋へ、廃墟ツアーと称して遊びに来る観光客の方が増えていますが、住民とすると複雑な気持ちです…)
水上駅前の様子
旅行者が駅を降りてはじめに抱く印象が、まち全体の印象になることがあります。その旅の記憶は視覚的にも廃れたものであってはならず、みなかみ旅の記憶と旅そのものがより素晴らしいものとなるよう、地元住民として旅の彩りのひと添えをまちの玄関口から加えさせていただきたいと考えました。
それが「駅前」にこだわった理由です。
新緑に映える水上駅・水上温泉へ誘うロードサイン
「ほんや」計画を進めるにあたり、水上駅前の空き物件をいくつか見させていただきましたが、なかなか条件が折り合わず駅前出店を半ばあきらめかけていた頃、昨年まで地元地区の役員を共に務めていた方が仲介してくれたある物件に出合いました。
築50年を越えるビブリオテーク感のあるコンクリート造の建物。しかも20年ほど前まで、まさに「ほんや」を営んでいたというではないですか!
はじめて内覧をさせてもらった時、ここだけまるで時が止まったかのような昔のままの雰囲気をまとっていて、一瞬で気に入りました。
当時を知る地元の方にこれらの画像を見せると、口をそろえて「なつかしい〜、昔のままだね」といいます。新しいことを始めるからと、新しく場所をつくらなくても、昔からそこに在った(半世紀にわたり、まちの風景の一部となってきた)ということが掛け替えのない価値になります。建物をリノベーションするにあたっては、この点をしっかりと踏まえていこうと考えています。また、かつて栄華を極めた温泉街の駅前で事業を営む上では「再生」は特に重要なテーマとなるはずです。
「ほんや」をはじめるといっても、書籍の流通形態や小売りの状況などを調べてみると商材が書籍のみであると事業を持続させることはなかなか難しいことがわかりました。そこで、近年様々なまちで見かけるようになった「ブックカフェ(本を読んだり買うことのできる飲食店)」という業態で計画を進めていくことにしました。
この計画の趣旨に賛同してくれた地元の飲食店が2店。
「この土地の恵みを結ぶおにぎり」をコンセプトに、みなかみ町内産コシヒカリの最高峰「水月夜」を谷川岳の湧水で炊いたおにぎりは一粒一粒が立っていてモチモチで冷めてもおいしい。
▶Instagram https://www.instagram.com/futamimi_minakami/
世界数十ヵ国を歩いた旅好きな店主が、旅先で感動した各地の料理に独自のアレンジを加え再現。みなかみに居ながらにして東南アジアから中東、ヨーロッパまで世界各国の名物料理が食べられると話題のお店。
▶Instagram https://www.instagram.com/the_travelingkitchen/
フードとドリンクはこの2店が日替わりで運営します。
この2店はみなかみの最奥「土合(どあい)」という無人駅でこれまで計6回実施してきた『土合朝市』に皆勤賞で出店してもらっていますが、完売必至の人気店です。
そして、「futamimi」と「旅する台所」それぞれ初の常設店舗となります。
土合朝市で一際多くの列をなす「旅する台所」ブース
「ほんや」の本丸である商材は、「山・旅・郷土」に関する本をメインに子供向けの図鑑や絵本を取り揃えていきたいと考えています。はじめて招かれた友人宅の本棚を見ると、その友人の人となりや個性が垣間見えるように、登山や温泉・アウトドア、鉄道とともに栄えたこのまちの個性を映し出せるような棚を作りたいです。
お店の名称は
に決まりました。
水の上を歩く=できないであろうことを行う という英語圏で使われる比喩表現と、「水上」という地名、そして水が豊かなまち「水上」を歩いてほしいというトリプルミーニングです。ロゴには谷川岳や尾瀬にしか存在しない絶滅危惧種の高山植物「ホソバヒナウスユキソウ」をモチーフとしました。ここにしかない唯一無二の価値や文化を大切に守っていこうという願いを込めて。
「ほんや」を観光のまちで営むことに、本質的な意味と意義があると考えています。遠方からもわざわざ来てもらえるよう、旅行者の旅を彩ることができるよう、ここにしか存在しない価値のあるモノやコト、それぞれの物語を大切に守り伝え広める「知と地をつなぐほんや」という存在に育てていきたいです。できれば多くの方にみなかみへ来てもらいたいので、当面は本のインターネット販売は行わない方針とします。
旅先で知と地に出会う場所、このまちのモノコトや人と交流できる場所、そしていずれはここから出版などを行えるよう我々ローカルメディアの文化発信拠点としての「ほんや」を水上駅前につくりたいです。
2022年10月オープンを目指してこの7月よりリノベーション工事を開始しました。
皆さんからのご支援は開業に向けたリノベーション工事の一部、備品や什器の購入などに充当させていただく所存です。
水のまち みなかみへ
これからもより多くの方がお越しくださいますように。
ご支援のほど謹んで宜しくお願い申し上げます。
みなかみ発ローカルメディアGENRYU
代表 澁澤健剛
「Walk On Water」のリノベーション状況をInstagramで随時公開しています
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https://www.instagram.com/wow_minakami/
◎ご支援のリターンにつきましては該当部分をご参照ください