image

【不完全燃焼の連載『祈りのかたち』を書籍化】視覚障がい者にも読める本「LOW VISION BOOK」を広めたい

次のプロジェクトにむけて

動画担当の福西です。

前回、三輪さんが仏像彫刻などの文化財の保護の問題と視覚障がいの人の社会との関わりの問題を彫刻家として結びつけているのではないか、という話を書きました。
どちらもマイナーな問題と思われるかもしれませんが、日本全国にある仏像・神像彫刻の数は数えられないくらいありますし、視覚障がいの人たちも国内だけで数十万人の人たちがいます。実は身近にある大きな問題なのです。 直接関わりのない人にとってはあまりピンとこないかもしれませんが、皆さんのすぐそばに困った状況や困っている人たちがいて、ほんのちょっとのサポートをしていただくだけで、問題は大きく改善に向かう可能性があるのです。
三輪さんは、彫刻家として今までも素晴らしい作品を作ってきましたが、視力を徐々に失う中で、視覚障害者の世界に出会い、よりパワフルに2つの世界に関わり、おそらくその体験の中から、今後ますます重要な作品を生み出すのではないかという予感を感じさせます。 そして彫刻家としての、形というものへの深い思索から、2つの世界にもまた新しい視点をもたらそうとしているのではないでしょうか。
今回のクラウドファンディングが終わった後も、三輪さんとわれわれのプロジェクトは続いていきます。ご協力いただいた方には、引き続き、われわれの次のプロジェクトも関心を持っていただければと思います。そして、ぜひ、周囲の方にもこのクラウドファディングのことを教えていただければと思います。単にわれわれに寄付していただきたいというだけではなくて、身近にあるこの2つの世界について知っていただくことは、世界の見え方を少しずつ変えていくことにつながり、それはとても豊かなことで、アートや美術の根っこにつながることでもあると思うのです。

2021/10/16 11:09