今回、動画の制作を担当している福西と申します。
このプロジェクトは、仏像などの文化財の保存・修復などの課題と、視覚障がいの人たちの見えにくさの課題という二つの世界に関わっていると言えるでしょう。
直接関係のないように思われる2つの世界ですが、多くの方にインタビューを重ねていくうちに、文化財一つ一つの、視覚障がいを持つ方たち一人一人の、置かれている状況の多様さや複雑さ、地域でサポートしていくことの重要性など、共通する点が浮かんでくるように思われました。そして、どちらの世界の課題も、我々にとって、豊かさとは何か、という根源的な問いを投げかけているようにも思えます。2つの世界が三輪さんという一人の彫刻家を通して繋がり始めているかのようです。
そういえば、三輪さんの彫刻の出発点の重源上人像を見ていて、重源上人もまた、東大寺の復興という大事業の中で、仏教という心の世界と、建築や土木という技術の世界を結びつけることをした人なのではないかと思えてきました。なんとなく、2人の存在のあり方が重なっているような気がしてなりません。2人とも資金集めに苦労しているし・・・(ぜひクラウドファンディングよろしくお願いします!)
先日、「企画展 三輪洸旗・途道展-富岡から世界を紡ぐー」が現在開催されている富岡市の美術館で、三輪さんのトークを収録する機会がありました。重源上人と並んで立つ三輪さんもなんだか神々しく、思わず2人のツーショット写真を撮ってしまいました。