本の中にも出てきますが、私の仕事を手伝ってもらっている、木彫刻職人の水口健さん。
静岡県沼津市在住、私よりも少し年下、小学生の男児2人のパパです。
その彼に、文を寄せてもらいました。
最近耳慣れない言葉に、出職、居職と言うものがある。
出職とは、よそに出掛けて仕事をする職業。左官、庭師など。
居職とは、自宅で仕事をする職業。床屋、畳やなど。私や、途道さんなども居職。
これとは別に、出仕事というものがある。まぁいわば出張である。
社寺彫刻では、扱う木が大きくて運べない物は、宮大工さんの仕事場に出向いてそこで仕事をする事がある。
仕事の規模にもよるが、1人で行く事もあれば、10人近くの彫刻職人が集まって作業する事もある。
また、忙しい職人さんの仕事場に行って作業する事もある。
独身のころなど、兄弟子の所に1年近く出仕事してた事もある。
この出仕事を、あまりしたがらない方もいるが、私は性に合っているのか、好きなのである。
声が掛かれば、ハイハイと車に道具を積んで出て行くのである。
そんな中、三輪途道さんという群馬の作家さんが、出仕事に来てくれる職人を探しているけど、どうだい?
という話が回ってきて、ご縁があったのだろう、早や、15年以上経ちました。
お世話になってます。
で、今も下仁田出仕事中。
途道さんに、何か書いてくれないかい。と言われ、
夜、酒を呑みながらツラツラと書いた物である。
もうすぐ満月。雨もあがり、今宵の上州の月はキレイである。