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【不完全燃焼の連載『祈りのかたち』を書籍化】視覚障がい者にも読める本「LOW VISION BOOK」を広めたい

三輪途道×寺澤徹(寺澤事務所)「祈りのかたち」展雑感

書籍『祈りのかたち』のデザインを担当した寺澤徹です。 三輪途道×寺澤徹(寺澤事務所)「祈りのかたち」展についての雑感を書きます。 今回の展示は、三輪さんの毎度の思いやりある強引さ(?)から生まれた展示かもしれません。 そもそも2020年の最初の計画では、富岡製糸場の東繭倉庫を使っての展示を計画していました。 その時はどんな展示になるのか手探りでした。コロナ禍で展覧会が延期になったことで、二人の展示は美術館内の市民ギャラリーへと移りました。 上州風の連載時から、その後の書籍つくりの取材同行で三輪さんの魅力的で不思議なパワーに触れ、どんどん引き込まれて、時に同じ様なことを思い描くことがあって驚き、迷い、納得して、彷徨い、寄り道してみたり・・・。 さて、今回の展示は書籍『祈りのかたち』を編集デザインをするなかで感じ、彫刻家三輪途道の作品やキャラクタからインスパイアされたイメージをグラフィック表現をしました。 テーマは「手と眼のかたち」です。 書籍「祈りのかたち」の中で三輪さんは仏像制作の技量が一番現れるところは、顔です、さらに言えば、眼です。と言っています。また、手首から先と足先も作家の力量が試される箇所とも言っています。 さらに、コラムつぶやき「手は眼だ!」では、視覚が衰えてきている自分の病の境遇を物ともせず 眼がよく見えたころには気付かなかった世界にたどり着き、新たな表現を切り開こうとしています。 ふと思うことがあります。もし視力が衰えたり、手に障がいがおきたら私はどうなるのか?その時は、グラフィックデザインの仕事を成立させることができるのだろうか? この展示は、三輪さんが私に投げたボール(思いやりある強引さ)の私なりの答えと言えます。 感謝です。
2021/09/10 22:18