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本場のインラインアルペンの技術を日本に!

CILA CUP in チェコ

結果は26位でした。

以下詳細です。(マニアックな内容ばかりでごめんなさい)

●大会・順位について

CILA CUPとは世界大会ですが、ワールドカップ(以降WC)のように国毎や年齢による出場制限がない大会です。WCポイントのつくWC程権威のある大会ではありませんが、次の日同じコースでWCが行われるため、次の日のワールドカップに出場するほとんど全員が出場します。今回はチェコで行われました。

26位という順位がどうなのかと言うと、確か過去日本人が出した世界大会の順位においてはかなり良い順位です。しかし、世界から見ると、トップのドイツを除く競合国のトップジュニア選手といったところです。地元チェコの若手くらいでした。あまり芳しい順位とは言えません。

もう少し頑張りたかったところですが、4ヵ月前に会得したばかりの滑りであることと30時間を超える移動の直後であることと、まずはじめに流れをつかむ上ではまずまずだったと思います。なにより、自分の滑りで2本完走したことが非常に大きな自信になりました。もう、2012の全く完走できなかった時のトラウマ?は脱却できたように感じます。1つ1つ課題をクリアして、順位を上げていきたいです。

●コース

斜度は海外のコースにしては緩め(6,7%)でした。ただ、コースが長くスピードは日本の練習では体感できないものになりました。

●滑走ごとの感想

1本目:

真っ直ぐめの簡単なセットでした。日本で練習しているセットに+1mくらいのインターバルを足した感じでした。

今シーズンの練習では、1本目に必ず大会を意識した滑りをしてきたのですが、良い意味でも悪い意味でもその通りの滑りが出来ました。練習の時も(とくに最後の練習の日が酷かった)なのですが、かなり抑えた滑りになってしまっていました。とは言え、昨年の2日目まで抱えていた、練習と"違う"滑りではなくあくまで抑えた自分の滑りができたことは良かったと思います。イメージを言葉にすると「塊になって前に前に」というものなのですが、まぁまぁその通りに動けたと思います。

2本目:さらに真っ直ぐなセットとなりました。spingia!(蹴って!)というアドバイスのもと積極的に行きました。

スケーティングが空回った所があったり、バランスを崩したところもありましたが、コースアウトのような危険を感じることはありませんでした。というか、今シーズンはスケーティングターンの練習をほとんどしていないので、単純に下手でした。

タイムは抜いた選手も抜かれた選手もいて結果1つ順位を落としたので、やはり下手だったのだと思います。慣れないことはするもんじゃありませんが、安定したターンの上で行ったので、リスクもありませんでした。両方出来ることが重要ですね。ただ、斜度が急なことが多いWCにおいて、両足プッシュのターンが出来るのにスケーティングターンが必要になるシーンはほとんどないので来シーズンの課題とします。

●イタリア人からの意見:

(1)テクニックはかなり良い。

(2)ストックのスウィングが上手い。

(3)(脚の曲げ伸ばしを)コンパクトにプッシュすると良い。

(4)プッシュが弱い。

(5)ポールから遠い。

(6)110mmに変えたほうが良い。

●今シーズン取り組んでいる滑りの感想:

斜度が前より緩かったこともありますが、圧倒的に安定感が変わりました。タイム的に見ると前シーズンのワールドカップファイナルの1本目(28位)より少し速いくらいなのですが、当時はいっぱいいっぱいで何とか完走した感覚だったものの、今回は「もっと行けたのに。。。」という感覚しか残りませんでした。

イタリア人からの意見については、"日本では多少出来ていたこともあります。(5)等は、日本においてはそれを意識して狙えば常に10cm以内で滑ることはできますが、やはりスピードが違うからだと感じます。もっと早いタイミングに踏み始める必要がありそうです。だからこそのコンパクトなプッシュなのでしょう。ちなみにイタリアの選手は指3本の近さを狙えるそうです。

テクニックで滑るタイプの自分は110mmを使ってもっと道具でスピードを出したほうが良いとのことです。確かに、前に比べて安定感が変わった今なら110mmでも良い気もしています。近い順位だったチェコの選手にも自分もかなりタイムが上がったと奨められました。イタリアでテストさせてもらえるらしいので、挑戦してみます。

●メンタルの感想:

先シーズン、コーチをしていて理解した「自分の滑り」が出来るようになったと思います。

コーチをしていて、選手に1日に何本か、現在練習している技術を完璧でなくていいので全体の流れに組み込んで滑ってもらうことをしていました。そして、本番のワールドカップの時に、その滑りを意識して滑ってもらうようアドバイスしました。選手が自力でプレッシャーに打ち勝ったのだとも思えますが、多少なりとも意味があったと思っています。

重要なのは、「自分の滑り」をする準備なのだと理解しました。それが、自身で実現できたことは非常に大きな成長だと感じています。

●海外の選手:

どんどんレベルが上がっています。どんどん洗練されていって、その上でマルコ・ウォルツ選手のようなはみだした選手がいることは競技のレベルの高さを感じます。競技レベルが一定以上になると正規分布から外れたところにトップ選手が来ると言われていますが、その現象のようにも思えます。

また、イタリアの選手やチェコの選手に動画を渡して、どういう分析をするのか見たのですが、いずれもかなり熱心に何度も繰り返し繰り返し確認し、優勝した選手の滑りも確認していました。やはり、練習量はもちろん必要ですが、それだけではないことを確認できました。イタリアの選手はテクニックにおいても一貫したものを持っており、自分の滑りに対しても私にしたアドバイスと同じ筋の駄目だしをしているところも見られました。どんどん吸収していきたいと思います。

2014/06/24 23:03