生酛仕込を行うにはもってこいの寒さが続いております。
先週末、皆様にご支援いただいた酛摺り桶を使用して、
純米大吟醸の山田錦(35%精米)の酒母の仕込を行いました。
通常の酒母の仕込み(普通速醸)に於いては、
蒸米と麹米と仕込水を一度に混ぜ合わせて、
添加した酵母がすぐに増殖を開始しますが、
生酛の場合は、蒸米を一旦布にくるんで数時間晒し(埋け飯と言います)
その後、酛摺り桶に麹米と仕込水とともに仕込みます。
仕込んだ酒母は一定時間置いた後、まずは手で混ぜ合わせ(手櫂)、
さらに一定時間置いた後、いよいよ酛摺りを行います。
櫂棒を使用して、
二人一組でリズムよく酒母を摺り潰します。
これにより、麹の持つ酵素がじわじわと浸透して、
蒸米の溶解(糖化)が徐々に進んでいくのです。
数回酛摺りが行われた後は、
1本のタンクにまとめられて(酛寄せ)、
ここから長い時間を掛けて
硝酸還元菌や乳酸菌が自然に呼び込まれ、
それぞれの仕事をして、自然に淘汰されていきます。
酒母の状態が整ったところで、純粋な酵母を添加します。
それにより、普通酒母よりも強靭な酵母を育て上げることができるのです!
と、ちょっと専門的で難しい説明を並べてしまいましたが、
とにかく生酛仕込は手間がかかりますが、
素晴らしい伝統製法であり、ある意味最新の製法でもあるのです。
ここから先は、次の工程をご紹介する時にまた書きたいと思います!!