イタリアでの7日間の撮影を終え、
無事に日本へ帰ってきました。
みんなが連れてきてくれた場所は、私が想像していた何倍も素敵で、どこを見ても、まるで誰かの描いた夢の中にいるような、そんな景色ばかりでした。
旅の途中、何度も「本当に私は、この景色の中にいるんだ」と、
一歩一歩、確かめるようにその感触を噛み締めていました。
出発前、私はここに、
「何も決めず、その瞬間に動いた心を、そのまま受け取ってきたい」
そう書きました。
この7日間、その言葉通りの時間を過ごすことができたと思います。
想像していたことも、想像していなかったことも。
嬉しかったことも、苦しかったことも。
笑えた理由も、涙も、言葉が出てこなかった時間も。
あっという間のようにも、永遠のようにも感じた7日間。
その中で、数え切れないほどの感情に出会いました。
初めは、せっかく皆さんが連れてきてくれた場所だから、ちゃんと私自身が楽しまなければと思っていました。
この旅を「楽しかった」とみんなに言える自分で帰りたいと、どこかで思っていたのだと思います。
けれど、楽しもうとすればするほど、うまく楽しめなくなってしまう瞬間もありました。
幸せなはずなのに、苦しくなったり。
笑いたいのに、不安で涙がこぼれたり。
目の前にある美しい景色に、
自分の心だけが追いつかないように感じることもありました。
それでも今回は、無理にきれいな思い出だけにするのではなく、うまく笑えなかった時間も、素直に楽しめた瞬間も、その場所で生まれたものを、そのまま持ち帰りたいと思いました。
そのすべてが、
この旅で確かに動いた私の心だったと信じたくて。
知らない国で、知らない景色を見ながら、これまでの7年間を辿っていく中で、その先の自分のことも、少しだけ考えました。
出発前に、ここに残した、
「その時がきたら、
ちゃんと、八木奈々を脱いできます。」
という言葉。
ちゃんと脱げたのかどうか。
今はまだ、自分でもうまく答えられません。
答えが見つかったように思えた瞬間もあれば、
また分からなくなってしまった時間もありました。
ただ、出発する前と、まったく同じ私ではないことだけは、分かる気がします。
今も写真を見返すたび、記し続けたノートを開くたび、
あの場所で見た景色や、陽の光、そこで感じたことが、次々と戻ってきます。
みんなに見せたい景色があります。
届いてほしい言葉があります。
辿ってほしい感情があります。
伝えたい出来事が、たくさんあります。
予習のできないまま飛び込んだ、
八木奈々として生きる世界と、
何も決めずに飛び込んだ、
イタリアでの7日間。
皆さんが連れてきてくれた場所で、
本当にたくさんのものを抱えて帰ってきました。
ここから大切に、大切に、形にしていきます。
最後に、一番に伝えたかった言葉を。
みんな、ただいま。
2026年9月7日
八木奈々