今回Grisでご一緒する中で強く感じたのは、デザイナー黒川さんの仕事が、単なる“センスの良さ”だけでは語れないということです。プロジェクトの初期段階では、使う場面や持つ人の感覚、犬との暮らしの中で本当に必要なことを丁寧にヒアリングし、ひとつひとつの要素を具体的な要件へと落とし込んでいきます。その姿勢には、ブランドの思想と使い手のリアリティ、その両方に誠実であろうとする意志が感じられます。

実際のデザインにおいても、素材の選び方、パーツの見え方、ロゴのあしらい方など、細部に至るまで思考が行き届いています。どの素材がふさわしいか、どのくらいの存在感でロゴを入れるべきか、使い続けた先にどう見えていくか。そうした一つひとつの判断に、確かな美的感覚と深い検討が宿っています。
前編に引き続き、デザイナー黒川さんに、Gris「NOOKBAG(ヌークバッグ)」誕生の舞台裏についてお伺いしています。


お散歩中のとっさのシーンで「あ、これがあって良かった!」と心から感じていただけたら最高に幸せです。 私自身、愛犬と暮らす中で数え切れないほどの「困った」を経験してきました。だからこそ、このバッグには「あの時、欲しかった」という機能を妥協なく詰め込んでいます。 使うほどにその利便性が身体に馴染み、「このバッグなしではお散歩に行けない」と思っていただけるような、暮らしに欠かせない相棒のような存在になれることを願っています。
私が考える良いプロダクトデザインとは、「機能美を極めたミニマリズム」と「心に響くユーモア」が共存しているものです。 無駄を削ぎ落とした先にある使いやすさは大前提として、心に刺さる美しさがある。 研ぎ澄まされた静かな佇まいの中に、日常を彩るささやかな「楽しさ」が溶け込んでいる。そんな、理屈を超えて愛着が湧くプロダクトこそが、真に優れたデザインだと感じています。

このバッグが「最強のお散歩バッグ」として完成したのは、間違いなくチーム全員の視点が注ぎ込まれたからです。 開発メンバーそれぞれが、Grisのファンであり、一人の飼い主としてプロダクトを「自分事」として徹底的に捉えていました。何度も繰り返された熱いディスカッションを経て、全員が「これだ」と思えるまで意見を戦わせたからこそ、デザイナーである私も迷いなく、圧倒的な確信を持って形に落とし込むことができました。 あらためて実感したのは、一人のデザイナーの想像力で進めるよりも、チームの熱量と多様な視点を掛け合わせる方が、プロダクトの精度ははるかに高く、そして深く研ぎ澄まされるということです。


Grisの強みは、本格的なアウトドアの知見に裏打ちされた機能美です。それが単なる「道具」に留まらず、使う人のスタイルを問わない洗練されたデザインとして昇華されている点に、ブランドとしての大きな可能性を感じています。 ジェンダーレスで年齢も問わないこのプロダクトは、多くの飼い主様にとっての新しいスタンダードになるはずです。「機能と美しさ」という軸をぶらさず進化を続けることで、人と犬の暮らしそのものをより豊かに変えていく。 そんな未来を、Grisと共に創り上げていきたいと考えています。

⼩さな⾦属加⼯の⼯場「株式会社シンワ」から⽣まれたアウトドアブランドMURACO(ムラコ)
プロジェクトの最初から最後まで、私の根底にあったのは「愛犬家の一人として、本当に心地よい体験を届けたい」という純粋な思いでした。 私たちがチームで磨き上げたこのプロダクトが、皆さまと愛犬との絆を深めるきっかけになれば最高です。Grisが提案する新しいお散歩のスタイルを、ぜひ肌で感じてみてください。皆さまの毎日が、より豊かに輝くことを心から願っています!

Grisが目指しているのは、犬と人とが自然に心地よく過ごすための道具をつくることです。黒川さんは、その考えに寄り添いながら、機能と審美性のどちらにも偏らない、静かで美しいかたちを与えてくださっています。今回の協業は、ひとつのバッグをつくることにとどまらず、Grisというブランドの輪郭そのものを、より丁寧に形にしていく時間になりました。

ご検討中の皆さまは、ぜひこの機会に応援とご支援をよろしくお願いいたします!
株式会社シンワ