ビルの空に、心を耕す大地を。
都会の屋上農園プロジェクト。
自然×医療×デイケアがつくる、新しいリカバリーの場所。

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■ はじめに

屋上に出ると、街の雑音がわずかに退き、風と光がその隙間を満たします。
ただそれだけのことなのに、内側の緊張が少しずつほどけていく──
そんな経験のある方は少なくないと思います。

(セブンメンタルクリニックビルの屋上です)

この“ほんの小さな変化”には科学的根拠があります。
自然光は自律神経の乱れを整え、風や緑はストレスホルモンを低下させ、注意力の回復さえ促します。

私たちは2026年、セブンメンタルクリニックの新設デイケア屋上に「都市で生きる人が、もう一度回復できる場所」としての庭園と畑をつくる、ガーデンプロジェクトを始動しました。

精神疾患は特別ではありません。
むしろ、都市部で働く多くの人が、いつ心身のバランスを崩しても不思議ではない時代です。

だからこそ、
“もしものときに戻ってこられる場所”
“そこから再スタートできる環境”
が都市には必要です。

 

■ 現在の屋上と、未来の屋上

今は、まだ、何もない屋上です。

 

 

私たちは、このような設計図を描いています。

誰もが穏やかで共にいられる屋上農園へ作り替えたいのです。

 

■ 私たちについて

私たちセブンメンタルクリニックは、大阪市北区、駅で言うと谷町線「天神橋筋六丁目」駅、徒歩3分のところへ、新しいクリニックビルを建てました。

クリニックビルのオープンは2026年1月6日。

日本一長い商店街があり、夏は天神祭で賑わいます。

下町らしい活気のある場所で、梅田も近く、働く方も多いです。

そんな中、精神科医療の中心に「リカバリー」を据え、専門性に基づいた治療と、人とのつながりを大切にする医療を提供しています。

回復とは、症状の改善だけでなく、その人が安心して自分らしさを取り戻し、主体的に人生を歩み直せるようになるプロセスだと考えています。

そのために、医療・心理・リハビリテーションの専門職が連携し、利用者とともに“回復の環境”そのものをつくっていくことを大切にしています。

ホームページは

https://7mental.com/

になります。ご興味いただいた方はぜひ覗いてみてください。

(私たちのシンボルであるこのマークは、「7」と「7」と「七」をモチーフに、「回復への道を一緒に歩んでいきたい。」というキャッチコピーを表したものです)

 

今回の屋上農園プロジェクトでは、緑と人をつなぐ専門家である一般社団法人アウトドアコミュニケーション「Green Hospital Project」のみなさんと協働して取り組みます。

彼らは、病院や福祉施設など、緑から遠い暮らしを余儀なくされる場所に、“緑の力”を届ける活動を続けてきたチームです。

ホームページは

https://www.greenhospital.jp/

です。詳しくはぜひご参照ください。

現在販売中「園芸作業療法ガイドブック」の一部も執筆されています。

野菜や草花を育てる穏やかな時間、風・光・土・水に触れる感覚、小さな会話や自然な助け合い──

そうした庭の力が、人の心に静かに働いていく場面を、私たちも多くの現場で見てきました。

Green Hospital Project は、植物が健やかに育つ環境を整え、人と植物がよい関係を結べるよう支援する専門家として、この屋上が「回復の場」となるよう伴走してくれます。

私たちとGreen Hospital Project がともに目指すのは、利用者とスタッフが並んで土に触れ、育て、収穫し、その時間を共有しながら回復へ進んでいく都会の“ガーデン”です。

医療と自然が出会い、こころの回復を育てていくための新しい環境づくりに、どうか力を貸していただければ幸いです。

 

■ 精神疾患と回復は、都市で生きる誰にとっても身近なテーマ

精神疾患は心の弱さではなく、脳機能、自律神経、ストレス、育った環境、トラウマなど複数の因子が絡む医学的な疾患です。

しかも症状は “波” のように揺れます。
・昨日は動けたのに今日は動けない
・人と会える日もあれば、会えない日もある

こうした変化は珍しいものではありません。

精神疾患の回復には、薬物療法だけでは不十分で、生活の再構築・社会的役割の回復・自己効力感の向上など多面的なアプローチが求められます。

その中心にあるのが、精神科リハビリテーションです。

 

■ こころのリハビリテーション=精神科デイケアで行われる“生活を立て直す治療”

心のリハビリテーションは、病気によって崩れた生活機能を治療的に回復させるプロセスです。

そしてこのリハビリテーションの中心的な場が 精神科デイケア です。

デイケアでは、専門スタッフとともに、「生活を再び動かす訓練」を日常的に積み重ねます。

研究では、デイケア参加によって次の改善が確認されています。

・生活リズムの安定(通うだけで日中活動が増える)
・不安・緊張の低減
・認知機能の改善
・体力・活動量の増加
・対人関係の耐性回復
・再発予防効果

治療だけでは戻せない “生活そのもの” を扱うのがデイケアの役割です。

ある利用者はこう語りました。
「薬で症状は少し落ち着いた。でも、生活が戻ったと感じたのはデイケアに通ってからだった。」

生活が立ち上がることは、回復にとって決定的な意味を持ちます。

 

■ リカバリー=“人生そのものを再構築する回復”

症状が軽くなるだけでは、人は前へ進めません。
大切なのは、「自分の人生を生きている」という感覚が戻ること。

国際的研究では、リカバリーをこう定義しています。

“症状の有無にかかわらず、希望・主体性・人生の意味を再獲得する心理社会的なプロセス(Anthony, 1993)”

CHIMEモデル(Leamy et al., 2011)が示す“リカバリーの5要素”は、

・つながり(Connectedness)

・希望(Hope)

・自分らしさ(Identity)

・人生の意味や目的(Meaning)

・主体性・自己決定(Empowerment)

です。

これは努力だけでは得られず、適切な環境・支援・経験が必要です。

その土台として最適なのが、自然 × 安全な対人関係 × 日常の積み重ねを揃えられる園芸療法です。

 

■ 自然と園芸療法には、確立されたエビデンスがある

自然や園芸活動の効果は「癒し」のイメージで語られがちですが、精神医学・心理学の領域ではすでに多くの研究でその有効性が示されています。

● 自然環境に関する代表的なエビデンス(実証研究)

① 自然を見るだけでストレスホルモンが減少する
Ulrich, R. S. (1984). Science, 224(4647), 420–421.
入院患者は「自然の木々の景色」を見るだけで、コルチゾール低下・術後回復の促進がみられた。

② 自然光・風・緑は自律神経を整える
Park, B. J. et al. (2010). Environmental Health and Preventive Medicine, 15(1), 18–26.
森林環境に触れると副交感神経が優位になり、心拍数・血圧・ストレス指標の低下が確認された(森林療法研究)。

③ 注意力を回復させる「注意回復理論(ART)」
Kaplan, S. (1995). Journal of Environmental Psychology, 15(3), 169–182.
揺れる葉・水・風などの“自然のソフトな刺激”は、疲労した注意機能を回復させ、集中力を改善する。

④ 自然接触は抑うつ症状を下げる(メタ分析)
Soga, M., Gaston, K. J., & Yamaura, Y. (2017). Scientific Reports, 7, 1–7.
自然環境へのアクセスは、うつ・不安・孤立の低下と強く関連することがメタ分析で示されている。

● 園芸療法(Horticultural Therapy)のエビデンス(確立されたレビュー・RCT)

① 園芸療法は抑うつ・不安を有意に軽減する(メタ分析)
Soga, M., Cox, D. T. C., & Yamaura, Y. (2017). PREVIOUS: People–nature interactions and mental health. Scientific Reports.
園芸・自然活動全般は、抑うつ・不安・ストレス指標の明確な低下を示した。

② 園芸プログラムは自己効力感を高める(系統的レビュー)
Kamioka, H. et al. (2014). Complementary Therapies in Medicine, 22(5), 930–943.
園芸療法は、自己効力感の向上・情緒安定・生活の質の改善に寄与することが多数の研究で確認された。

③ うつ病患者に対する園芸療法の有効性(RCT)
Gonzalez, M. T., Hartig, T., et al. (2010). Issues in Mental Health Nursing, 31(8), 538–547.
うつ病患者を対象としたランダム化比較試験で、園芸活動グループは抑うつ・疲労・不安が有意に減少。

④ PTSD・不安障害に対する緊張低下の効果(臨床研究)
Poulsen, D. V., et al. (2016). Scandinavian Journal of Public Health, 44(4), 360–366.
自然環境での園芸療法が、PTSD症状の緊張・回避行動・過覚醒の減少に効果を示した。

自然・緑・園芸療法の治療効果は、脳神経系・自律神経系・心理社会的指標において、実験研究・RCT・メタ分析レベルで効果が確認されている“エビデンスに基づく治療” です。

園芸療法は“神経系の落ち着き・身体活動・役割・達成感・つながり”を一度に生み出す、精神科デイケアに極めて相性の良い専門的アプローチです。

 

■ そしてこの庭は“デイケアのメンバーが一緒に作る”

このプロジェクトの核心はここです。

私たちは外部業者に「完成した庭」を発注するのではありません。

デイケアに通うメンバー自身が、庭をつくるプロセスに参加します。

苗を選び、土を耕し、植え、育て、収穫し、味わう。

この一連の流れには、回復に必要な要素がすべて詰まっています。

・役割の獲得
・主体性の回復
・仲間との協働
・達成体験
・生活リズムの再獲得
・自分の手で未来をつくるという実感

庭そのものだけでなく、庭ができていく過程そのものが治療になるのです。

 

■ 屋上農園は、都市に必要な“回復インフラ”

これまでになかったこの屋上農園は、都市型の医療における新しい基盤となるでしょう。

・自然へのアクセスによっての回復
・トラウマに配慮した安全な環境
・生活リズムの再建
・社会参加のための中間領域
・コミュニティ形成
・再発予防の強化

治療の枠を超えて、“都市に生きる人がもう一度立ち上がるためのインフラ”になります。

(このように、少しずつ、皆で力を合わせて、環境を作っていきます)

 

■ なぜ支援が必要なのか

医療基準の屋上農園には、防水、耐荷重、柵、灌水設備、植栽など、多くの工程が必要です。

この場所は、ただの屋上ではありません。

デイケアメンバーが自分の手で未来を作り、人生を再構築するための「治療の場」となるのです。

皆様のご支援によって、私たちの活動が広がり、回復につながる方が増えていきます。

100万円でコンクリート枠や根っこを防ぐシートを敷き土を入れるための準備が整います 
300万円で屋上庭園に適した土を入れることができます
400万円で花壇を作り畑を整え草花や野菜、季節の彩りを届けてくれる樹木を植えることができます
500万円でベンチ・テーブル・倉庫などを作るための材料が手に入ります
550万円の支援でさらにクラフトや創作活動につながる材料や道具の調達へと広がっていきます

もちろん土や苗などもかかりますが、まずは専門的な工事が必要となり、そのための100万円をゴールにさせていただきます。

これまでも、数多くの庭づくりの実績はあります。

素晴らしいガーデンを作る自信はあります。何年かかっても、やり遂げます。

 

■ リターンについて

本プロジェクトでは、屋上農園を「利用者とスタッフが共につくる回復の場」として育てていくため、支援者の皆さまにも無理なく関わっていただけるよう、以下のリターンをご用意しています。

物品の提供ではなく、“この場をともに育てた証” を中心とした内容としています。

 

【1,000円】屋上農園 応援メンバー

・感謝メッセージ

気軽に参加していただけるサポート枠です。

 

【3,000円】屋上農園 サポーター

・感謝メッセージ

・オンラインサポーター一覧にお名前掲載(任意・ニックネーム可)

支援した証を残したい方に向けたベーシックなリターンです。

 

【5,000円】ネームボード掲載

・感謝メッセージ

・屋上農園のサポーターボードにお名前掲載(任意)

農園に“かたちとして残る”リターンで、最も選ばれやすい枠です。

 

【10,000円】屋上農園 ストーリーブック(PDF)

・感謝メッセージ

・サポーターボード掲載(任意)

・これまでの記録をまとめたPDF冊子

プロジェクトの軌跡を記録として受け取れるリターンです。

 

【30,000円】プレート刻印

・感謝メッセージ

・サポーターボード掲載(任意)

・これまでの記録をまとめたPDF冊子

・屋上農園内の小さなプレートにお名前を刻印(任意)

場所づくりへの深い関与を示す特別なリターンです。

 

【100,000円】スペシャルパートナー

・感謝メッセージ

・これまでの記録をまとめたPDF冊子

・プレート刻印(大サイズ・特別欄)

・公式HPに「屋上農園プロジェクト パートナー」として掲載(任意)

個人・法人ともに選べる最上位リターンで、「回復の場づくり」に深く関わりたい方のための枠です。

 

▪️スケジュール

本プロジェクトは、クラウドファンディング終了後すぐに準備を開始します。

 

2026年1月23日 クラウドファンディング終了

支援内容の確認・調整を行います。

 

2026年2〜3月 屋上農園の施工開始

防水・排水・安全柵・資材搬入など、医療機関基準での屋上整備工事を進めます。

 

2026年4月 屋上農園プログラムのスタート

利用者とスタッフが主体となり、土づくり・苗の定植・畑づくりを開始します。

 

2026年4〜5月 名入れボード・ネームプレート設置予定

屋上の本格稼働に合わせて設置を行います。

 

2025年6月 PDFリターン(Storybook)納品予定

写真で振り返りながらこれまでのストーリーブックをお渡しいたします。

 

2026〜2029年 屋上農園の成長期間(3年計画)

植物の生育・土の成熟・利用者が担う役割の増加など、

「屋上農園がデイケアの中心として機能するまで」の育成期間として運営していきます。

 

本プロジェクトは「完成したら終わり」ではなく、屋上農園が3年をかけて育ち、デイケアの中核になるプロセスそのものを支援いただく計画です。

 

■ 最後に

風の中で呼吸し、土に触れ、植物の成長を見守る。
その横には、同じ時間を歩もうとする誰かがいる。

この積み重ねは、症状の改善以上のもの──
「人生をもう一度動かす力」を生み出します。

(明るい日差しが、植物も私たちも育てます)

どうか、この屋上庭園を一緒につくってください。
あなたの支援が、誰かの未来を確実に変えていきます。