キャンプって何故楽しいんでしょう。
「みんなと非日常空間を共有できるから」という人もいるでしょうし、逆に「一人の時間を満喫できるから」という人もいるでしょう。
いろいろな楽しみ方があるのがキャンプの良いところなのですが、僕はこの楽しさをずっと掘り下げていくと、1つの共通の感覚にいきあたると思っています。
それが、「冒険心を満たす」ということ。
人間は「家」という巣を作りますが、実は巣をつくりそこを生活拠点にする哺乳類は珍しいほうに分類されます。
ネズミ、ウサギ、リスなどは、捕食者から身を守る目的で巣を作るのですが、人間は基本的にはその心配はありません。
なのに人間は家を作り、仕事場というそれもまた巣に類するものを作り、大半の時間をそういった「拠点」で活動しています。
そしてそれらの間を移動するのも、インフラが整備され、ガッツリ守られた「社会」とよばれる空間内。普段意識はしないですが、これは超巨大な巣の中に暮らしていると言ってもよく、他の動物からみたら、めちゃくちゃ「引きこもり」です。
面白いことに人間は、その拠点を増やし、生息地域を広げることで発展してきました。社会の中でおとなしく暮らしていれば良いものを、外へ外へとその領域を広げて来た結果が、現在の世界です。
人間は社会をつくり、家をつくり、その中で便利に過ごしたい。つまりインドア派であることが基本ではあるが、その外に出ていきたい、アウトドア派な欲求も結構強めに持っている。だからこそ社会は広がっていくわけですし、そこの根っこにあるのが「冒険心」だと思うのです。
人間は動物と比べれば、毛もない、ツメも牙もない、か弱い存在です。おそらく家を作り出したのは、ネズミやウサギと同じように「身を守る」ためだったのでしょう。
ですが人間はそこから「攻め」に転じました。弱さを補強するための「道具」を作りだし、言語によって「情報網」を作りだし、世界に向かって広がっていくことを選んだ。
壮大な話になってきてしまいましたが、僕の言いたいのはこういうことです。 人間にとって、インフラを外れた場所に行くということは、それだけで冒険なのです。ましてやそこで夜を明かすだなんて!
でもそこには、とてつもない喜びがあり、それは遺伝子レベルで人間に刻み込まれていると言って良い。 そしてそれを、安全なかたちで楽しめるようにしたもの。それがキャンプなのです。
冒険心、満たしていますか?