「となりのとらんす少女ちゃん」出版クラウドファンディング
ご支援くださった皆さま
大変ご無沙汰をしております。
合同会社在野社の浅野です。
皆さまのご支援の結晶である『となりのとらんす少女ちゃん』(とら少・著/ISBN978-49913920-0-9)が刊行され、早くも半年ほどの時間が経ちました。
爆発的な売れ行きではありませんが、少しずつ読者のもとに届いていることを嬉しく思っております。
来秋に公開予定の、本書収録「未来から来たとらんすちゃん」を原作とする映画(東海林毅監督作品)についても、主演を務める中川未悠さんが出演する「映画ブルーボーイ事件」が現在劇場で大変好評を呼んでおり、とても期待がかかるところです。
皆さまとのお約束であったご支援の返礼品に関しましてもほとんどのものに関しまして履行を完了し(一部の高額プランにおける返礼品を除く)、改めてこの本を出版できてよかった、このクラウドファンディングを実施してよかったと、しみじみと思い返すところです。
そのような折、在野社はあらたな試みに舵を切ります。
来年2026年2月に「in-Sight インサイト」というWebマガジンをオープンします。
キャッチコピーは「もっと、自由に、なれる。」
目指すものはいかなる抑圧もうけないジャンルレス/クロスメディアな言論表現空間、そして自由を尊ぶ文化をつくり社会に伝えることです。
それに向け、12月1日より2026年3月25日までクラウドファンディングを開始しました!
https://motion-gallery.net/projects/in-Sight_zaiyasha
「in-Sight インサイト」コンセプトアート
イラスト:せきやよい
このWebマガジンの詳細やコンセプトなどは、上記のクラウドファンディング実施ページにも書かせていただきましたが、どのようにしてこの企画が立ち上がったのか、この場を借りて皆さまにもお知らせしたく存じます。
「in-Sight インサイト」を発足するに至った動機の源泉には、『となりのとらんす少女ちゃん』の刊行後の半年の時間のなかで、弊社が 出版社としてどのように戦い抜くかを模索するなかで生まれたふたつの命題があります。
ひとつは、 現代社会を取り巻く差別的な言論のなかで、どのようにふるまうかということ。
『となりのとらんす少女ちゃん』はご存じのとおりトランスジェンダー当事者が作者であり、これまでにない当事者のリアルに触れる描写が好評を得ていますが、当クラウドファンディング実施中には、SNSを中心にトランスフォビック(トランスジェンダーに対する嫌悪的)なことばをかけられることもすくなくありませんでした。
しかしながら社会の流れは海外の状況を鑑みても、マイノリティへの逆風はいっそう強く、冷たいものになっています。
出版社もまたそうした社会の流れを読みながら経営に当たっているため、いわゆる「ヘイト本」が主力商品となっている会社があることも事実です。
こうした急速に進む不寛容な社会の動きに対して一石を投じる活動ができないかと考えたことが、「in-Sight インサイト」の源泉にあります。
ただ、「差別反対!」と強く叫ぶことがこのメディアの主な目的ではありません。
「差別がなにを殺すのか」がここでは重要だと考えています。
本年7月の参議院議員選挙では「日本人ファースト」という理念を掲げた政党が大躍進を遂げました。日本にルーツを持たないひとびとに対するとてもちいさな誤解を声高に叫ぶことが、漠然と不満と不安を抱えていたひとびとに火をつけ、大きなうねりになった瞬間だと感じました。
筆者(在野社・浅野)自身は日本で生まれた日本人のため、「ファースト」とされる側に入っています。
しかしこのようなことを許し続ければ、いずれ自らの権利自体も制限されるのではないかという焦りを感じてもいます。
「自由であること」の大切さ。
特定の属性をもつひとや集団への権利に制限をかけて自らの権利を(相対的に)拡張するというやりかたは、いずれ自らの権利を制限させることに「お墨つき」を与えてしまう。
いかなる抑圧もうけず、なににも捕われない、縛られない、「自由」を尊ぶ雰囲気を社会に伝えたい。それこそが社会に変化を恐れない姿勢を生み、混迷極める現代においてあらたな道を見出す可能性を開くのではないか。
――そのように考えたことが「in-Sight インサイト」発案のひとつのきっかけです。
キャッチコピー「もっと、自由に、なれる。」には
「『自由』を尊ぶ雰囲気を社会に伝える」とともに
「変化を恐れず、未知なる境地を開く」という思いを込めた。
もうひとつは、 出版社は「本を出す」ことしかできないのか、という自問。
ヘイト本の多い今日の出版市場ですが、一方で「ヘイト本は出さない」「差別的な言論に抗う」というポリシーを貫く出版社もすくなくありません。
しかしながら本を一冊出版するには、非常にすくなくない時間とお金がかかります。
とくに弊社のような代表者のみで経営している小出版社(いわゆる「ひとり出版社」)では、一冊一冊が社運をかけた勝負になるという傾向は否めません。
では果たして、出版社が社会に対してアクションを取りたいと考えたとき、本を出す以外の方法はないのだろうか。
もう少しちいさく、コツコツと始められる活動はないだろうか。
その自問に対する答えが 「Webメディアをつくる」ということです。
Web媒体は比較的費用と時間を抑えつつ、かつ書籍との違いとしてテキストやグラフィックだけではなく音声・映像等も扱えるという独自の強みがあります。
映像業界の出身である弊社・浅野の経験も活かしつつ、上でも触れた、いかなる差別的な言論にもおもねらない、「自由」ということに重きを置いたメディアをつくり、育てていきたいと考えています。
どうかご支援、応援をいただけますと嬉しいです。
合同会社在野社
浅野葛
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