日本最大手補聴器メーカー「リオン」が本気で開発
実は聞こえてないをなくしたい
世界初*の指向性機能が聞きたい声をキャッチする
集音機能搭載のワイヤレスイヤホン『ASMOLA』

ビームフォーミング機能のご紹介

こんにちは!リオンです。
ASMOLAへのご支援ありがとうございます。

今回は、MVDR-IC型バイノーラルビームフォーミングの特徴について、ご説明します。
この機能の役割は、騒がしい場所でも聞きたい方向の音を聞きやすくすることです。

もう少し詳しく説明すると、聞きたい音声とそれ以外の周囲の音の空間的印象を保ちながら、指定した方向の音声をひずみなく抽出し、SN比を向上させる技術です。
(SN比とは、かみ砕いていうと、聞きたい音(Signal)と雑音(Noise)の比率のことです。SN比の数字が高いと聞きたい音が聞きやすくなります。)
SN比を向上させるための一般的な技術には「指向性」という技術がありますが、MVDR-IC型バイノーラルビームフォーミングは“音の空間的印象“をそのまま使うので、従来の指向性と大きく異なります。
従来の指向性の仕組みでは、前方向のSN比は向上するものの、音の距離感などがわかりにくくなってしまいます。

それでは、“音の空間的印象”ってどういうことでしょうか?
人は、右の耳と、左の耳に入ってくる音の違いから音源までの距離や今いる場所の広さなどに関する情報も知覚しています。例えば、右から声を掛けられたとき、(仮に視覚情報が無い場合でも)私たちは「右から呼ばれたな」と方向を推測できます。
これは、左耳より、右耳の音が大きく、早く音が届くので、左右の耳に届いた音の大きさやタイミングの”差”などを元に方向を推測できるためです。
自然な聴こえを再現するには、両耳で聞いた時の空間情報(空間的印象)がとても重要だという事ですね。
ASMOLAは独自の信号処理技術で、左右それぞれのマイクに入った音を交互にやり取りし、同時に処理を行います。なんだか、人が両耳で聞いた音を脳で認識するのに似ていますね。

バイノーラル(”両耳の”という意味)信号処理技術と、“MVDR-IC”という新開発の信号処理技術の組み合わせ。そして、これらの処理を低遅延で行うこと。
ASMOLAがより自然な音声を再現する秘密はここにあります。

*MVDR-ICとは、“最小分散無歪応答”と“両耳相関係数の保持”を組み合わせた技術です。
さらに詳しく知りたい方はコチラもご覧ください。

ASMOLAの仕組み簡略図


 
今回は難しい用語が並んでしまいすみません。
でも、ASMOLAは簡単に使用できるのでご安心ください。
この機能を早く試してみたいですね。
引き続きご支援の程よろしくお願いいたします!


参照
・リオンテクニカルジャーナルVol.5 (2022年),リオン株式会社
https://www.rion.co.jp/technicaljournal/202208_ebook/html5.html#page=1

関連特許
・中島 栄俊, 藤坂 洋一, 昼間 信彦, “音信号処理装置、及び、それを用いた補聴器,” 特許第5663112号, 2014.
・昼間 信彦, 藤坂 洋一, “ビームフォーミング方法、ビームフォーミングシステム,” 特願2022-0766676 May 2022. (出願中)
 

2023/11/13 17:21