リコーの米田優です。初投稿させていただきます。
チームではエレキ・光学系の技術担当をしています。
皆さまご存知かもしれませんが、今回はプロジェクタの明るさについて解説致します。 RICOH Image Pointerのスペックに明るさという項目があります。
その値をどのように読んだらよいかについてです。
さて、皆さんはLED電球を買う際にルーメン(lm)という表記を見たことはないでしょうか? 白熱電球では明るさの目安としてワット(消費電力の単位)で表示されていましたが、 LED電球ではルーメンが用いられています。
LED電球のスペックにあるルーメンというのは、その電球から出る光の量(光束)を表しています。ルーメンの値が大きいほど光の量は大きいことを示します。
プロジェクタの明るさもLED電球と同じく光の量としてルーメンで表現します。スクリーンに投影される光の量を表します。
ここで注意しないといけないのは同じルーメン値のプロジェクタでも投影画面サイズによって人間の目が感じる明るさが異なることです。
光の量としては同じでも、それが小さい画面に集められるのか、大きい画面に集められるのかで感じる明るさは異なります。
下図のように投影画像が小さいと明るく見え、大きいと暗く見えます。
プロジェクタにおいては基本的には明るさは大きいほど性能が良いものとみなされます。
明るいほど、投影画像が見やすいものとなるからです。
しかし一方で、明るいものを作ると大型化したり、消費電力が大きくなってしまうという問題があります。 また、投影画面サイズが小さい場合には明るいプロジェクタを使わずとも明るく感じられ十分にはっきり見えるということもあり、明るいプロジェクタが無条件で良いという訳ではありません。
RICOH Image Pointerでは手持ち投影スタイルでの使用を想定しており、会議等のような場所でのスクリーン投影よりは小さい投影画面での使用が多いと考えています。
そのため会議室用のプロジェクタよりは明るいものでなくてよくて、その代わりに手で持てるサイズとバッテリー駆動可能な消費電力を実現するために小型な光学系を採用するということを行っています。 サイズ・消費電力と明るさを使用シーンを想定してバランスをとってスペックを決めるということを私たち開発側で行っています。
では、どういったシーンでは光量が足りていて、どういうシーンでは苦しいのか・・・・ これらは具体的なシーンを今後の活動報告にてご紹介したいと考えております。 よろしくお願い致します。
米田優