この度は本プロジェクトにご支援いただきまして、誠にありがとうございます。
本書の出版を担う出版社となる蓮華舎が、昨日正式に登記・発足いたしました!
皆様のお手元に確実に届けられるよう、関係者一同さらに尽力していく所存です。
応援の程、よろしくお願いいたします。
publishing Himalayan Master プロジェクトチーム一同
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蓮華舎代表による設立の経緯をご紹介します!
蓮華舎設立にあたる経緯をお話したいと思います。
私自身は、生粋の出版人とはかけはなれた者です。生活を成り立たせるために幾つもの仕事を経験してきましたが、興味関心関与がお金を稼ぐ以外の所にあったためか、実にそのどれにも熱心に取り組むことが出来ず、長続きもしませんでした。ただひとつだけ、もともと本が好きで、言葉が好きで、あるときまでは本によって生かされて来た、というだけの理由から本に関わる仕事をするようになり、結果としてそれが私の口を糊するのにいちばん貢献してくれていました。
そんな心もとない生活を送っていた2019年4月。南インドの比較的長い旅から帰国してすぐに、私の手元にひとつの翻訳書の原稿が舞い込みました。訳者の方が持ち込まれたその原稿は、南インドで生まれたあるヨーギーの自叙伝でした。私はすぐにこの本の中に深く入り込み、著者と共に旅をはじめました。
しかし、編集を任され、関わり始めたのも束の間、唐突に委託を受けていた出版社から、経営者交代に伴いその本の出版の頓挫を通告されました。それでもなぜか、私はこの本は自分が最後まで関わるのだ心のどこかで思っていました。私の手元から離れないとすら思っていました。しかし、関係者に迷惑をかけるわけにもいかず、「ここまでの全ては白紙に戻し、すぐに別の出版社を探した方が良い」と思い、関係者にそのように相談した瞬間に全身から力が抜けてしまったのをよく覚えています。
しかしながら、その後の展開は、筆舌に尽くしがたいものでした。急速に、様々な方の助力、支援、応援が有形無形に集まって参りました。そして、その声に背中を押される形で、ついには会社を興し、その本の出版に向けての小さな舟の出航の手はずが、あれよあれよという間に整っていました。そのプロセスの間中、まるで自分以外の何らかの力が働いているとしか思えないほどの大きな後押しを感じていました。
こんな事態になるとは思ってもみなかったときに決定されていた本の著者・翻訳者との面会のためのインド渡航は、その目的を変え、版権取得のための契約書と契約金を胸に大事に抱えた、新しい会社のための社運を賭けた第一歩としての渡印に姿を変えていました。
不思議なことに、インドに着いたら、共に旅をする仲間と、乗り物と、現地で待ってくれている方がいて、流れるように現地まで運ばれていきました。結果としてこの渡航はすばらしいものになったのですが、まだ、登記も済んでいない会社の社運を背負っていることをひしひしと感じていた私は、著者との面会に非常にナーバスになり、誤って契約書にチャイをこぼしてしまうような有様でした。
そんな私の心配をよそに、その著者は、私の来歴について殆ど質問すらすることなく、契約書にサインをしてくださいました。そして、支援の言葉と共に「いろんな本を出すといいですね。そして、この本は焦ることなく出版し、若い人に適切に届けてほしい」と言われました。私は反射的に「約束します」と答えてしまいました。
まだ、会社の名前すらも決まっていなかったので「どんな社名がよいと思われますか?」と伺うと、すこし考えたのち「わからないけれど、ロータスに関係するものがよいのかなと思います」と言ってくださいました。日本に帰り、信頼する人々と一緒に名を考え続けてしばらく経ったとき、ある方の「シンプルに、蓮華舎でいいんじゃない?」という言葉を聞いた途端に「それはいい!」と感じられました。すぐに皆に知らせると、関わる全ての方が賛同してくれました。こうして、蓮華舎は生まれました。
不思議な話をしているように聞こえるかもしれませんが全て本当の話です。そして、この一連の出来事に関わり、道筋を照らしてくださった方が、「蓮華」についてあるところにこのように書いてくださいました。
「我々が所有する物の中で、最も高貴なものであるが、光明がなければ蕾のままである」
わたしたちの中にはまだ蕾の蓮華が眠っている、とするならば、そこへと届く光に携わる仕事をしていかなければなりません。それがこの社名が運んできた役割であるように思われました。本に限定することなく、しかし本から離れることなく。泥の中から蓮の花が咲くように、現代に根を下ろしつつ。
新しい時代への移行期間であるように思われる今、あまりにもまだ小さな蓮華の蕾である弊社もまた、みなさんと共に空に向かって華開いていけるように、必要なものを地道に培っていくことができればと願っています。その一歩として、まずは『ヒマラヤの師』の刊行を着実に成し遂げてみなさんにお届けしたいと思います。そして、その後も一歩ずつ歩みを進めていく所存です。
どうぞ、ご支援の程、よろしくお願い致します。
蓮華舎 代表 大津明子
【大津 明子】
略歴:学生時代よりヨーガを始める。一橋大社会学部卒業後、NHK出版にて営業、編集、総務業務を担当。2009〜2018年舞踏ダンスカンパニー霧笛舎にてダンサーとして活動。ハンディキャップのある方たちへのダンス指導、国内公演、師の海外公演のアシスタント等を行う。2016年以降渡印しながらヨーガを深める。幾つもの職を経験したのち蓮華舎代表となる。