カテゴライズから自由になって人が繋がれる場所
誰もが入りやすい「足湯カフェ」を新宿二丁目に

現在のどん浴の様子&トークイベント「LGBT、それでもこどもを望む人々」レポ

こんにちは!足湯カフェどん浴です。

今日もどん浴メンバーは施工会社様と打ち合わせをしておりました。
現在のどん浴の様子ですが、このような感じになっております。

写真右の少し上がっているところが足湯のある小上がりで、左側にある壁は造作中のカウンターです。

まだオフィス感を残していますが、ここからどんどんお店っぽくなっていきます!

 

さて、今回は9月15日のトークイベント「LGBT、それでもこどもを望む人々」のレポをお届けします!

 

藤めぐみさん

1974年豪州・シドニー生まれ。大阪府育ち。大阪大学文学部卒業、関西大学法科大学院修了。衆議院議員公設秘書、自治体職員、中間支援組織スタッフなどを経験。2013年、LGBTと社会的養護の問題について考える団体「レインボーフォスターケア」を設立。自治体における「同性カップルの里親」の運用改善に取り組み、大阪市での同性カップル里親認定への道を開いた。

 

こどまっぷ

これから子どもを持ちたいと考えている、子どもがすでにいるLGBTQの方たちに、交流や情報交換の場を作ろうと当事者有志数人で活動をしています。都内中心で活動し、全国にも情報発信しに行きます。こちらは主にイベント情報などつぶやきます。私達は全てのLGBTQに子供のいる未来の希望がもち、安全な繋がりを作ることを望んでます。

------------------------

トークイベント「LGBT、それでもこどもを望む人々」レポ

 

子供を持ちたいLGBTの支援活動をしている一般社団法人こどまっぷと、子供のための家庭を増やす活動をしていらっしゃる藤めぐみさんとのコラボトークとのことで、会場はおひとりで来られた方、お子様連れやカップルの方など超満員!
テーマの深刻性や注目度を物語っていました。

会場には多くの方がお越しくださいました

 

ー活動をはじめたきっかけ


藤さんは元々DV被害者のための勉強会に通っていたそうですが、その中で里親を望む声を多く耳にされます。
アメリカではLGBTが里親となるケースが多く、日本でも里親制度がLGBTと繋がれば…との想いで現在の活動をスタート。

当初は法整備は「同性婚」が先、LGBTの里親制度なんて数十年後!と言われましたが、世間にはシングルマザー、ファーザーでも立派に子供を育てている方がたくさんいる。
行き場の無い子供を救う方が先だと力強く語られました。

 

ー日本と外国の違い
 


日本では身寄りのない子供、または実親が何らかの理由で育児放棄した子供は児童養護施設に預けられるケースがほとんど。
一方海外では里親が迎えるケースの方が多い。施設の代わりに家庭で育てるという考え方が主流なんだそうです。

ではLGBTと里親制度の関係は?すでにアメリカではLGBTを里親の有力候補として狙っているとのこと!


男性から性虐待を受けた女の子は女性カップルしか受け付けなかったり、父親によるDV家庭で女性への暴力を当然のことのように学んでしまい、女性に暴力的になってしまう男の子が、男性カップルのもとでその考えを正していったり…
LGBTならではの配慮ができそうですね。これは子供、里親双方にとって素晴らしい手段だと感じました。
(もっとも、藤さんとしては「同性の組み合わせを生かせることもあるけれど、必ずしもその特徴ばかりに着目する必要もなく、その人の個性を見て養育の適性や子どもとの相性を判断することが大切」と仰っていました)

 

ーLGBTが日本で子供を持つためには


今回のトークライブの中でも特に参加された方の興味を引いたのは「じゃあ子供を持つためにはどうすればいいの?」ということ。ゲストの皆さんから具体的に紹介していただきました。


血縁のない子供を持つために…ひとつは養子縁組。法律的な親子関係を結びます。
もうひとつが里親制度。里親制度は法律的な親子関係を結ばないので、養子縁組よりハードルが低いように思われますが、実際には実親が認めないケースや自治体がNGを出す(法律はOKなのに!)ケースなど問題はたくさんあります。


では自分と血の繋がった子供が欲しい場合は…男性は代理母に産んでもらうという手段しかありませんが、現在の日本では代理母制度は認められていないので、海外を利用するしかありません。
女性は自分で実際に出産できますが、精子提供者を自分で選ぶことはできません。


このように制約はあるものの手段はいくつか増えてきましたが、まだまだ世間一般の理解度は低く、カミングアウトしていなかったり、自分たちで子供を育てることをすでに諦めているLGBT当事者からの批判もあるようです。


しかし「そういうのもアリという声も増えてきて、昔に比べタブー視されていない印象を受けている」と藤さんは言います。
「子供を持つだけではなくその先の法律、子供を迎えた後も考えなくてはいけないですね」

 大阪では男性カップルが里親として認められました。これを受け東京都でも制度緩和の動きが見られています。
ただ残念ながら多くの自治体が、未だLGBTが里親となることに対して前向きではありません。

県が動かなきゃ動けない、前例が無いから世論の目が怖い、何かあった時に責任が取れないなど理由はあるようですが、ゲストの皆さんのお話を聞いたかぎり「どうしていいかわからない」のが一番なのではと感じました。
トークでは藤さんが自治体から受けた“トンデモ”なエピソードも披露され、会場の参加者からも「うそー!?」と笑いが起こったほどです。

 

ー子供にとっての幸せとは…


 子供を持ちたいと願うことは、LGBTだろうと誰だろうと変わりません。


大切なのは子供にとっての幸せを願うことです。
アメリカでは里親に引き取られた子供たちは、他の子供たちと変わらず普通に暮らしています。
日本でも実際に里親を引き取り幸せに暮らしている家庭もたくさんありますが、プライバシーの問題もあり紹介できないため認知がなかなか広まらないそうです。


日本では里親に対して手当が出ています。子供とのマッチングも慎重に行われています。
すべての子供の幸せを願うことは世界共通です。
どんな家族の形があっても安心できる場所があることが子供にとっての幸せに繋がるので、どうすることがベストなのか個人としても国全体としても理解を深めていく必要性を強く感じた1時間でした。

 

written by タエス
photos by ダイスケ

 

貴重なトークありがとうございました!

2018/10/13 17:40