若手クリエイターと俳優の異色のコラボ!
光と音と映像が作り上げる
サイバーパンク朗読劇「Rayz Of Light」制作プロジェクト!

プロダクションノート:脚本担当・春日康徳

「春日さん、朗読劇の脚本を書いてみませんか?」
そんなお誘いをいただいたのが今年の8月のことでした。
このときはサスペンスタッチの朗読劇企画として動き出しました。

実は僕の脚本家としてのキャリアスタートとなったのは、『東のエデン』というアニメーションの特典CDドラマの脚本作業でした。

今回、久し振りの朗読劇(オーディオドラマ)ということで、企画書の改稿を繰り返しながら、「どうやったら朗読劇ならではの楽しさを表現できるだろうか?」ということを自問しながら執筆を進めていきました。

プロダクションノート的なこぼれ話をさせていただくと、当初の構想段階では靴磨き職人を主人公にした愛憎劇でした。『探偵スルース』という俳優二人のどんでん返しものサスペンス劇が想定としてありました。

ですがある日、「ROUさんのフォトアルバム『Rayz of Light』というタイトルってサイバーパンクっぽくないですか?」ということになり、企画案は『サイバーパンク朗読劇』というコンセプトで固まったのです。

サイバーパンクとは、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』に代表されるSF小説で、映画では『ブレードランナー』や『マトリックス』、アニメでは『攻殻機動隊』や『AKIRA』などの作品を指します。

実は20年前まで、サイバーパンクものは一部の熱狂的なファン向けという側面が少なからずありました。

理由は世界観の「難しさ」です。

ネットのプログラム云々……は20年前には大衆向けな題材ではありませんでした。

ところが、現代ならばその「難しさ」をたった3文字で表現できるのです。

「アプリ」の3文字で。
それこそ、小学生にだって理解できるほどです。

スマホやSNSの普及で、それらの「難しい」用語が身近なものになったいまだからこそ描ける新しい時代の「サイバーパンク」があるのではないか——。

10月のプレ公演を踏まえ、「難しすぎず」エンタテイメントとしてお楽しみいただけるよう、締切の許す限り改稿作業をつづけております。

来年の公演にご期待くだされば幸いです。

2016年12月21日 春日康徳
 

2016/12/21 16:08