はじめまして。
私は、映画『ハルをさがして』を監督しました尾関玄と言います。
この作品は、震災後の2012年の夏の福島を舞台にしています。
震災後、東京に家族で自主避難してきた中学生のヒロインが、故郷である福島に置いてきてしまった愛犬「ハル」を東京に住む中学生男子3人と探す旅に出るロードムービーになります。
2015年「第2回こども国際映画祭in沖縄」など、数々の映画祭でも上映して頂きました。
この作品に少しでも興味をお持ちになったり、共感を抱かれる方がいらっしゃいましたら、何卒ご支援の程よろしくお願い致します。
この作品は「ISHIO」というチームで作成しています。
自主制作、自主宣伝、自主配給のとても小さな映画です。
チームと言っても、私とプロデューサーの内藤諭の二人だけです。
左・・・プロデューサー 内藤論 右・・・監督 尾関玄
「ISHIO」というチーム名は、私と内藤が通っていた、石尾台中学校の名前から取りました。
石尾台中学校の"石尾"を取って、「ISHIO」。
私たちは愛知県の片田舎で青春時代を過ごしました。
自宅から自転車で30分程のビデオレンタル屋で映画を借りては、2人で、あーでもないこーでもないと、夜の自動販売機の前で毎日のように話していたのを覚えています。
そのときに、高校を卒業して東京に出たら一緒に映画を撮ろうと約束しました。
東京に出て10数年、お互い映像の仕事をしている中、再び「ISHIO」として映画を撮ろうと制作したのが、本作品「ハルをさがして」になります。
私たち「ISHIO」が制作するのであれば、同じ思春期を同じ中学時代を共有した二人でしか作れない映画を目指したいと思い、中学生を主人公としたプロットを書き始めました。
そんな矢先、3月11日がやってきました。
雪崩の様な情報が押し寄せる中、こんなスローガンを見かけました。
「福島のこどもたちを守ろう」そのスローガンをじっと見ていて、ふと作品のイメージが頭によぎりました。
もし私が友人たちと通っていたいつもの通学路が、危険だと報道されていたら?
中学の友人たちは故郷に残って暮らしているのに、私だけが東京に避難していたら?
もし自分が福島の子供であったら、どうしただろう。
「ISHIO」として、中学生の視点で、福島を舞台にした映画を撮ろうと決めました。
今から3年ほど前の話です。
実際に福島で撮影する際には、地元の方々のご協力なしにはいきません。
もちろん、「福島」と言っても、そこには、一人一人の生き方や考え方があります。
私が福島に準備に入ったときは、放射能の影響など今よりも増して混乱のある時期でした。
現地の方の中には、「こんな作品には協力できない」「表現の仕方を変えてくれ」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
私が書いた脚本で、誰かを不快にしたり、傷つけたりしてしまったのだと、落ち込み、制作を続けていいのか悩んだこともありました。
それでも、それ以上に『ハルをさがして』という作品に共感し、応援して下さった、福島のたくさんの方々がいました。
中学生4人組が、「ハル」を探しに訪れるペットシェルターは、福島県で実際に活動されているLYSTAさんで撮影を行いました。
LYSTAさんは、原発事故により立ち入り禁止となった区域に取り残された犬や猫を保護している施設です。
何頭もの保護された犬達の中から、必死で「ハル」を探すヒロインの場面は、実際に活動されているリアルな場所で撮影を行ったからこそ実現致しました
ヒロインの故郷として撮影を行ったのは、福島県田村郡小野町。
のどかな田園風景、昔ながらの店が連なる商店街、その側を流れる小川。
日本の原風景を感じさせるロケーションが、台本のイメージそのもので、本作品の重要な場面を数多く撮影致しました。
この作品のもう一人の主人公と言ってもいい、ヒロインの愛犬「ハル」は小野町に住む方の飼い犬「リュウ」君に出演をお願いしました。
とても愛らしい柴犬のリュウ君は、もちろん映画初出演。
撮影に飽きて、脱走したりというハプニングもありましたが、映画のクライマックスでは、とても素晴らしい表情をしてくれました。
そして福島県いわき市。
出演してくださった地元の劇団、高校の演劇部の方々。東京の俳優に方言を指導する為につきっきりで現場に同行してくださった方。撮影場所の許可を取るために、難しい調整をしてくださった方。
民間の数多くの方々が、この作品の為にボランティアで動いて下さいました。
いわきの方々、小野町の方々に支えられ、この作品はあります。
福島県の皆様のご協力のお陰もあり、作品を完成する事ができました。
福島は安全なのか?危険なのか?
それは私に判断できる事ではありません。
「安全・危険」「賛成・反対」などという二項対立ではなく、その狭間で、揺れて、葛藤して、それでもひたむきに何かを探す中学生達の感情を表現できていたらと思います。
完成したものの、映画は観客に観てもらわなければ始まりません。
福島県の方々にご協力いただき、いわき市と小野町で福島先行上映会を開く事ができました。
私たちと共に駅前でビラを配って下さったり、各世帯に折り込みのチラシを入れて下さったり、家族や知人友人に口コミで広めて下さったり。
そのお陰で、福島ではのべ約1000人の方に観ていただいた事になります。
また、小野町では、震災における道徳の授業の一環として、中学生に向けての上映も行う事ができました。
そしていよいよ東京でのロードショーです。
8/6〜3週間、下北沢トリウッドという映画館で公開致します。
繰り返しになってしまいますが、この作品を自主制作、自主宣伝、自主配給のとても小さな映画です。
宣伝も私と中学の同級生の内藤と2人で手探りで進めております。
この作品を一人でも多くの方々に届けたい。
また、東京以外の地域での上映を目指し、もっと多くの人に見て頂きたい!
そう思い、この度クラウドファンディングを行う事を決めました。
映画「ハルをさがして」公開情報
8/6〜8/26 1日3回上映(火曜定休)
詳しくは、ホームページをご確認下さい。
▼「ハルをさがして」公式ホームページ
http://www.lookingforharu.com
▼予告編
https://www.youtube.com/watch?v=oDWUEsPbmXw
尾関玄 脚本•監督
1984年1月生まれ。愛知県春日井市出身。
2006年日本映画学校(現:日本映画大学)卒業。
在学中より中学の同級生、内藤諭と「ISHIO」を立ち上げ自主制作映画を制作し始める。
以降、数々の商業映画、TVドラマ(『麦子さんと』『ナイトヒーローNAOTO』など)の制作に携わる。
本作『ハルをさがして』は初めての監督長編作品となる。
内藤諭 プロデューサー
1983年11月生まれ。愛知県春日井市出身。
拓殖大学外国語学部中国語学科卒業。
以降、フリーの制作部、プロデューサーとして映画、テレビドラマの制作に携わる。
プロデューサーとして携わった主な作品として『見えないほどの遠くの空を』(10/榎本憲男監督)台湾ドキュメンタリー映画『湾生回家』(15/黄銘正監督)などがある。