宮崎駿のアニメ「風の谷のナウシカ」では、主人公のナウシカは、人々が忌み嫌っている腐海の樹木が、実は汚染された大地を長い年月をかけて浄化していたこと発見をしました。
植物による空気の浄化効果については、過去にあのTED Talkでも紹介されています。
カマル・ミアトルは、グリーン建築の原則とサステナブルな仕組み(大量の空調機器ではなく、おびただしい数の観葉植物による空気清浄システム)を用いて、インドの商業ビルのあり方を変えるというビジョンを持っています。1990年にニューデリーで、テック系企業にコワーキングスペースを提供するPaharpur Business Centre and Software Technology Incubator Park (PBC-STIP)を立ち上げました。PBC-STIPのサイト上には、空気の品質に関する指標を毎日公開し、企業市民活動である国連グローバル・コンパクトの10原則への準拠をモニタリングしている。
ミアトルは長年、インドの環境アクティビストとして活動してきました。1980年代には、インドのリンゴ産業が廃棄物の少ないパッケージを開発し、何エーカーもの樹木を節約できるよう支援しました。 また、インドの数百万人ものスクータードライバーのガソリン使用量を減らすためのキャンペーンを行いました。
PBC-STIPをさらに大きくして、ニューデリーでより多くの企業が利用できるグリーンオフィスを実現し、低コスト・低エネルギーのオフィスライフの見本となることを目指しています。
画像元:Kamal Meattle、TED Talkより
スピーカーのカマルさんは、当時住んでいたインドのニューデリーの汚染された空気によるアレルギー反応に苦しんでいました。肺活量は本来の7割にまで落ちてしまい、医者からは寿命が早まるとの警告を受けるまでになっていました。
その後、彼は事態を改善しようと必死に調べる中で、たった三種類の植物を屋内に置いておくだけで、外からの新鮮な空気に頼ることなく新鮮な空気を文字通り『育てる』ことができることを知ります。
その三種類の植物とは、アレカヤシ、サンセベリア、ポトス。いずれも聞いたことがあるような植物ばかり。
画像元:Kamal Meattle、TED Talkより
彼はこれを、ニューデリーにある築20年の1,400坪の広さのビルで実際に15年もの年月をかけてある実験を行ったそうです。その実験とは、300人の入居者の数に対して、先ほどの三種類の植物をバランスさせ、合計1,200本もの植物を設置したそうです。
驚くことに、10時間建物にいた場合に血中酸素濃度が1%上昇する確率が42%にも上ったとか。他にも
出典:インド政府中央汚染管理委員会、チッタランジャン国立がん研究所(インド、コルカタ)による2008年9月8日出版報告書
この研究は、これらの植物を置くだけで、人々の生産性が20%以上向上し、またエネルギー消費量も15%以上抑えることができたと締めくくっているそうです。
このプレゼン自体は2009年当時のものですが、そこに載っている、この実験が行われたビルのウェブサイトに行ってみると、何と今も同じことを行っているようで、街中の空気と比べて、このビル内の空気の品質がはるかに優れていることが今でもレポートされていました。
「観葉植物を用いて、室内の空気から毒素や有害ガスを除去しています。本日の空気の品質に関する統計は以下をご覧ください」
ちなみにですが、Natedeのテスト報告書をみると、気になる図がありました。
空気中をMEK(メチルエチルケトン。有機溶媒の一種)で充満させた室内にNatedeを置いた場合、48時間後には10%未満にまで濃度が落ちたとのこと(青線)。観葉植物一鉢(赤線)と比べると差は一目瞭然です。
さすがに室内が植物園状態になってしまうくらいの量の観葉植物を置くのには抵抗がありますが、もしNatede1台分が観葉植物7鉢に相当するのであれば、とても良さそうです。
なお、メーカーに確認したところ、Natedeにはアレカヤシではなく、NASAレポートで同等の効果が認められるとされる「シンノウヤシ」をおすすめしているとのこと。また、このプレゼンに登場する3つの植物のうち、圧倒的にお勧めなのは「サンセベリア」とのことでした。
Vitesy事務局