こんにちは。石川和人です。
前回では僕の作品の軸になる
「混ぜる」
ことについてお話させてもらいました。
その行為には、様々な情報という写真が混ざり合っていることや実際に混ぜる方法をお伝えすることで、
よりその色を楽しんでもらえるようになると良いなと思っています。
混ぜることは、結果的に僕の写真となって色を表現してくれているのですが、
作業中は、その仕上がりが直接みえないこと、そして黙々と自分を高める瞑想のような流れ、仕上がった時の瞬間的な高ぶりを感じれる行為です。
これは僕の中で、
暗室作業と似たような感覚だと思っています。
暗室作業を経験していることは、
写真を続けている僕にとってとても良いことでした。
真っ暗で、酢酸臭い、謎の部屋が僕の最初の印象でしたが、
はじめてプリントを現像した際に、
あのふわっと、でもいきなり浮き出る写真に感動したのを今でも鮮明に覚えています。
それには技術や経験または勘をもとにプリントをしていくのですが、
現像液につけて初めて、自分の撮影した写真をみることができます。
暗室作業では自身の身体を使った行為が必ず必要になります。
もちろん毎度完璧に同じ動作をするのは不可能なので、
そのプリントに誤差は生じるのですが、
その良い意味での無駄と偶然性にこそよりダイレクトな感覚が現れてくると思っています。
デジタルでは素直すぎてそのムラが無く、ほぼ同じまたはミスと成功に分かれ、ハプニングのような面白さは生まれません。ここにも質感が遠のく理由があるのかもしれません。
見えないもを見たいと思うような心情がこういった細部に生まれることで、作品として完成することに繋がると信じています。
写真はまだまだ進むことができる芸術だと、いつも感じています。
そして、
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