image

韓国で美しい単行本になり、台湾・フランスでも翻訳された、
ボーイ(ズ)ラブコミック『キミのセナカ』を日本語で書籍化したい!

ソウルの独立出版社 6699pressのご紹介!

 「セクシュアルマイノリティを応援する本を作りたいので、カミングアウトをテーマに新作短編を描いていただけませんか?」日本の漫画家、野原くろさんのもとに、ソウルから届いた一通のメールから誕生した『キミのセナカ』。
送り主は、ソウルで独立出版社6699pressを運営するイ・ジェヨンさんでした。

 ジェヨンさんの本業はグラフィックデザイナー。コマーシャルワークとしてエディトリアルやグラフィックデザインの仕事をしながら、大学でも教鞭をとり、そして、独立出版社6699pressを運営して、本の制作、編集、デザイン、出版、販売、発送、イベントの出店まで、ひとりでこなすスーパーマンのような人です。

 最初は、カミングアウトをテーマに制作した『六』(6699press)という本の中に、短編コミックとして収録されていた『キミのセナカ』。その後、「物語の続きを制作して単行本として本にしませんか?」というジェヨンさんから野原さんへの提案で、4年の歳月を経て、2019年に美しい装丁の1冊の単行本として韓国で出版され、台湾、フランスでの出版も決まっていきました。

 そんなイ・ジェヨンさんが、7/3(金)に開催する『キミのセナカ』オンライン座談会に、ソウルから参加してくださいます。『キミのセナカ』制作の経緯や、魅力、さらに6699pressについてもお話を伺えたらと思っています。座談会ですので、参加いただいた皆さんもどんどん会話していただけたら幸いです。

【7/3(金)『キミのセナカ』オンライン座談会

 


 独立出版社6699pressの「6699」は引用符の“”を表しているそう。社会に必要な言葉、大切な言葉に引用符“”をつけて可視化するという意味が込められていて、世の中に届いていないマイノリティの声を伝える本をたくさん制作しています。

 というわけで座談会に向けて、6699pressが出版してきた本を数回にわけて、何冊か紹介していきます。



『私たちはソウルに住んでいる 우리는 서울에 산다』
 2012年に立ち上げられた6699pressが最初に作った本が、脱北してソウルに暮らす青少年たちをテーマにしたこの本。脱北しソウルに暮らす彼らが、自分たちの身のまわりの出来事や、身近なソウルの街を写真で撮影したり、絵に描いたり、感じていることを綴ったものが、一冊のアルバムになった構成。メディアなどで、ステレオタイプに描かれがちな脱北者のイメージを、個人個人のストーリーに着目することで解きほぐし、南北に横たわる壁をなくしていきたい。そんな想いが込められた、眼差しがとても温かい本です。

 




『会いたい友だち 보고 싶은 친구에게』

 『私たちはソウルに住んでいる(우리는 서울에 산다)』の続編。そこに収録されていた一編の話を、ユン・セジョンさんとヤン・ソヨンさんが物語として再構成した絵本。脱北しソウルで暮らすスリョンと、ピョンヤンで暮らす旧友のスク、それぞれの1日がパラレルに描かれています。メールも手紙も届かない、それぞれが暮らす環境も随分違う。時がたてばだんだん忘れてしまうかもしれない…けれど二人は、ピョンヤンとソウルから互いに夜空を見上げて星に願う。物語はもちろん、イラストがとっても素敵な絵本です。

 


 6699pressの素晴らしい本の数々を、これから先、日本語に翻訳して読みたい、出版していきたい。その第一歩がこの『キミのセナカ』出版プロジェクトです。

ぜひ、このプロジェクトを達成して、次の本に繋げていきたい、そんな夢を思い描いていますので、、引き続きの応援を、何卒よろしくお願いいたします!

loneliness books
潟見陽

 

2020/06/30 11:38