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ボローニャ国際児童図書展ラガッツィ賞を受賞。
世界14ヶ国語に翻訳されている、
メキシコ生まれの真っ黒な美しい絵本を翻訳出版したい!

『色についての黒い本・仮』(原題:El libro negro de los colores)制作状況

こんにちは、サウザンブックスです。
『色についての黒い本・仮』は、予定どおり、今年の夏頃には本をお届けできるよう制作を進めております。
先日、翻訳作業が一通り終わりましたので、翻訳者の宇野和美さんからいただいたコメントをご紹介させていただきます。
 



読者は、翻訳者の訳文を通してこの本と出会うわけなので、大勢の方が支援してくださったプロジェクトであるこの本の翻訳は、いつにも増して責任を感じて緊張する作業でした。絵本を訳すときは、いつもとても悩みます。詩にも近い、短いテキストにこめられた思いをきちんと汲みとれているだろうか、声に出して読んだとき、心地よいリズムがあるだろうか、そして何よりも、作者が描こうとした世界がそこに立ち上がっているだろうかと、行きつ戻りつします。
この本は、トマスがどんなふうに色をとらえているのか、味や音、さわった感じなどから、色が表現されていきます。まず大切だと思ったのは、そのイメージがくっきり浮かびあがることでした。しかも、「点字にする」となると、ひらがなだけで、できるだけシンプルに、でも、わかりやすい文章にすることが要求されます。当然のことながら、ひらがなにするというのは、普通に書いた文章を、ただひらがなにすればよいということではありません。 そこで、今回の翻訳では、いつもより更にしつこく訳文を声に出して読み、音で聞き、イメージを思いうかべ、それでよいか問い返しながら、訳文をかためていきました。
編集者のほそえさんとも、時間をおいて、何度も読み合い、ひっかかるところを直していきましたが、それはまるで、雑音をとりのぞいていくような作業でした。最後は、よりシンプルで、より骨太で、響きのよい訳文が残ったような気がします。 読者のみなさんが、わくわくしながらページをめくり、言葉と、手で読む絵から広がるイメージをおもしろがってくださるか、どきどきですが、夏が待ち遠しいです。


宇野和美
 



これから、本の加工やデザイン面の検討と同時に、編集作業を進めて参ります。
引き続き、どうぞ宜しくお願い致します!

2019/03/08 11:35